2009年7月 9日 (木)

双眼鏡の視野の話

映画などで双眼鏡をのぞくシーンがあると、(最近はどうか知りませんが)
必ずと言って良いくらい、のぞいた先の見え方は下の写真のようになって
います。

090709siya3

私が子供の頃は双眼鏡をのぞいたときに、このように見えず不思議に
思ったことがありました。

大人になって冷静に考えれば左右の望遠鏡で同じモノを見ている訳なの
ですから、視野が八の字形に見えるわけは無いことが分かります。

もし左右の視野がずれて見えるとすれば、下の写真のように像もずれて
見えるはずです。

090709siya2

このように見える理由のほとんどは左右の眼幅調整ができていないのが
原因です。

双眼鏡というのは(おもちゃは別ですが)左右の鏡筒がヒンジで接合されて
いて、ある程度広げたり閉じたりすることができるようになっています。

090709bino

これがピタリと決まれば、下のように左右の目で見ている像がぴったり
ひとつになって見えます。
眼幅がうまく合わせられないまま見ていると、眼が無理矢理(ひとつに
見ようと)調整しようとして、頭が痛くなってきたりします。

双眼鏡を見るときはしっかり眼幅を調整しましょう。

090709haba

しっかり作られた製品ですと、眼幅の間隔を示す目盛りが付いています。
自分の目幅を覚えておけば、のぞく前に眼幅を調整できて素早く観察が
始められます good

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2009年7月 2日 (木)

ニューフェイス SP FL-90S

4月に「41番目の望遠鏡」という記事を書いたのですが、その後も望遠鏡の
増殖が止まりません。

あまりにも増えすぎているので少し整理したいと考えているのですが、
先月には太陽専用望遠鏡「みかん」と「ガリレオ式望遠鏡」が加わりました。

そして、近くに別荘を持つ古くからの知人が、
「もう使わないし、ほとんど使わなかったので、もらってください」と
持ってきてくれたのがこれ・・・

090702fl901

ビクセン スーパーポラリス(SP) FL-90S です。

口径90mm、F9(f=810mm)のフローライトアポクロマート仕様で、
少なくともB級品の多いスタパの望遠鏡の中ではかなり高級品の部類です。

また、ビクセンの90mmのアポクロというのは、1990年前後の短期間にしか
販売されていないと思いますので、かなりレア物と言えます。

当時のアポクロマートの設計ではF値を小さくすると球面収差が大きくなり、
色収差は無いのに長焦点のアクロマートより見えないものが多かった
のですが、F9とわりと長めの設定のため、見え味も期待できそうです。

 が~ぁっ!・・・

090702fl902

なんとレンズ全面のかなり広い範囲にカビが・・・

架台も接眼レンズ、ファインダーなどの付属品はピカピカでほとんど
使用感がないのに、なぜかメインのレンズだけが曇ってカビだらけです。

これでは残念ですが、よい見え味が期待できません。

通常のレンズですと自分でばらして清掃してしまうのですが、相手は
とにかく柔らかくて扱いの難しいフローライトです。

やむなくメーカーに修理の依頼をすることにしました。

と言うわけで44番目の望遠鏡はしばらくお預け・・・weep

帰って来たらまたご報告しますね。

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2009年6月30日 (火)

ガリレオ望遠鏡の謎(ミステリー) -その3(完)-

先日から話しの肴にしているスコープタウンの「ガリレオ式望遠鏡」。
私が宣伝しているからというわけでもないと思うのですが、初期ロット50台が
あっという間に完売してしまったそうです。

そんなにたくさん売れるとは思っていなかったようなのですが、急遽100台
追加で生産指示をかけたようです。

在庫切れで悔しい思いをした物好きなあなた、2週間で生産できるそうですので
今少しお待ち下さい。詳しくはこちら

さて、この「ガリレオ式望遠鏡」、1980円という破格の安さです。
前にも話しましたが、博物館などの展示用に作られたレプリカモデルが100倍
近い価格値段で売られていることを考えると脅威的な安さです。

たった1980円の望遠鏡でブログが4回も書けてしまえるのですから・・・

「安いですね」とスコープタウンの大沼さんに聞いたところ、
「(粗悪品ではないのだけれど)見えない望遠鏡でお金をもらうのは申し訳ない
ので、通常の商品の儲け幅よりズッと低い価格設定をしてる」とのことでした。

もともと、よく見えないことを知るための製品なので、そこまで気を
使わなくても良いのではないかと思うのですが、真面目すぎるくらいの姿勢に
改めて感心した次第です。

さて、今日の本題です。
ガリレオさんがなぜ現代では見捨てられたガリレオ式光学系にこだわったかの
続きです。

前回は正立光学系であることと、一般に思われている以上に視界が広い
ということを理由にあげたのですが、さらにもう一つ前述の大沼さんと
話しているうちに大きな理由があることが判りました。

ガリレオさんがガリレオ式にこだわった理由の第三は、同じシングルレンズの
ケプラー式よりも収差(特に色収差)が少ないということです。

ガリレオ式のレンズの組み合わせをもう一度思い浮かべて頂くと・・・

対物レンズに凸レンズ、接眼レンズに凹レンズが使われているのですが、
これ、見方を変えると現在では当たり前のアクロマートレンズの構成に
近いと思いませんか?(超~分離型ですが・・・)

アクロマートレンズというのは屈折率の違う凸レンズと凹レンズを
組み合わせることにより、レンズによるプリズム効果で色毎に変わる焦点の
位置をできるだけ一点に集まるように調整しています。

ガリレオ式望遠鏡の場合も対物レンズと接眼レンズの屈折率をうまく調整すれば
色収差を大幅に(少なくとも両方凸レンズを使うケプラー式より)軽減できる
のではないかと思います。

シングルレンズの場合、対物レンズの口径と焦点距離が同じで、倍率も同じなら
ガリレオ式のほうが(たぶんですが)よく見えるということをガリレオさんが
知っていたのではないかと考えられます。

対物と接眼のガラスの材質(=屈折率)を変えると良いということも(実験科学の父
ですから)経験的に知っていたのではないでしょうか?

ガリレオさんの作った望遠鏡というのはとてもよく見えたと評判でしたし、
ガリレオさん自身もかなりそれを自慢していました。

でも100本以上作ったといわれている中で、まともに見えたのは1割程度
だったともいわれています。

当時のガラスの製法ではなかなか望遠鏡の使用に耐える質の良いレンズが
できなかったのが原因といわれていますが、

対物と接眼のレンズの屈折率の不適切な組み合わせが、まともに見える
確率を低くしていたのではないかと私は推測しています。

光学設計の詳しい知識があるわけではないし、ガリレオさんの作った望遠鏡の
レンズの材質を知っているわけではないのであくまでも推測なので
悪しからず・・・

もう少し時代が下ると、対物レンズの焦点距離を異常に長くして、接眼レンズを
2枚玉にして色収差を軽減するケプラー式が主流になるのですが、
ガリレオさんの時代のレンズや望遠鏡の製作技術からすると、ガリレオ式望遠鏡
こそが、当時最高の光学系であったのだと思えるのです。

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2009年6月29日 (月)

ガリレオ望遠鏡の謎(ミステリー) -その2-

スタパの近くの畑ではトウモロコシがスクスク育っています。

090629hatake

さて、昨日の続きです。

実験科学の父と言われるガリレオさんが、100本以上も望遠鏡を制作
していながら、ケプラー式のレンズの組み合わせを考案しなかったのは
謎である・・・というのが私の長年の疑問だったわけです。

ガリレオさんが今日では誰も見向きもしないレンズの組み合わせにこだわって
いたのか・・・

スコープタウン製の「ガリレオ式望遠鏡」で遊んでいるうちに、
ガリレオ式が当時としては最高の性能が出しうる組み合わせ
だったのではないかと思えてきました。

今日、ガリレオ式望遠鏡というのは

倍率を高くしようとすると極端に視界が狭くなること
位置測定用の目盛り線を組み込むことができないこと

などから、低倍率のオペラグラスか、安物のおもちゃレベルの粗悪品
くらいのものしか作られていません。

090629bino

唯一、例外で笠井トレーディングのワイドビノという商品があることは
ありますが、かなりマニアックなものです。(もちろんスタパにはあります。)

話しがそれました。

まず、ガリレオさんがこだわったのは正立像であったことではないかと思います。

ガリレオさんの伝記を読みますと公私ともにかなり苦労をされたらしいことを
伺い知ることができます。

結構お金の掛かる家族がいて、資金繰りに走り回ることが多かったようで、
望遠鏡の販売がその資金源になっていたことが推測されます。

ガリレオ印の望遠鏡というのは当時、高性能であることが知れ渡っていて
貴族にはよく売れたのではないかと思います。

素人の貴族に売るのに、倒立像では受けが悪かったと思えるわけです。

今日でこそケプラー式の光学系に正立レンズやプリズムを入れて見える
ようにすることは簡単ですが、精度の低いレンズしかできない時代では
余計なレンズを入れることにより、像が著しく悪化するので実用的で
なかったと思えます。

そんなわけで、ガリレオさんがガリレオ式光学系にこだわった理由の
第一が正立像が単純な光学系で得られるためではないかと思うのです。

第二の理由は意外に視界が広いということです。(意外と思われるかも
知れませんがしばらくお付き合い下さい。)

スコープタウンの「ガリレオ式望遠鏡」の紹介をしたときにも書きましたが、
初めにこの望遠鏡を覗くとあまりに視野が狭いことに驚かされます。

090629garireo1

覗くと筒の向こうの方に小さな光点があり、良く見るとその中に景色が
見えるという訳です。

この状態では20倍の倍率でも月の一部分(半分以下)しか見ることができません。

でもしばらく見ていると、望遠鏡を固定したまま眼の位置を動かすことにより
(壁の穴から外を見るような感じで)初めに見えた中心以外の外側も見ることが
できることに気付きます。

スコープタウンの「ガリレオ式望遠鏡」の場合(初めは中心視野の3倍くらい
かなと思ったのですが、冷静に見てみると)、上下左右に中心視野の4倍くらい
(つまり9倍の視野角、80倍近い視野面積)が見えることが判りました。

これならば望遠鏡を固定したまま月全体をすっぽり見回すことができますし、
同倍率の単レンズ構成のケプラー式の視界とそれほど違いがありません。
(ケプラー式の場合は一度に全貌が見えますが・・・)

私の知る限り眼を移動することにより広い視野が見渡せることを書いている
解説書を見たことがありませんので、これはとても新鮮な発見でした。

解説書を書かれたほとんどのかたが、実際に高倍率のガリレオ式望遠鏡を
覗いたことがなく、理論と先入観だけで書かれているのではないかと
思えてきました。

実験科学の父ガリレオさんにはとても失礼な扱いに思えてなりません。

正立像が得られ、(一度に見えないまでも)ケプラー式と変わらない
視界の広さ・・・
これがガリレオさんのこだわりの第二ではないかと思います。

090629garireo2

カメラの絞りを解放でコリメート撮影すると意外に広い範囲が写ります。
(ピンぼけですが・・・)
これはレンズの前玉の面積が広く、上下左右に眼を動かしたのと同じ
効果が得られるためと考えられます。
(ちなみに絞ると(写真はありませんが)視野円が小さくなって行きます。)

つづく

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2009年6月28日 (日)

ガリレオ望遠鏡の謎(ミステリー)

先日スコープタウンから購入したガリレオ式望遠鏡・・

090628galileo2

ガリレオの追体験を楽しくしているのですが、ガリレオの望遠鏡については
以前からとても不思議に思っていたことがあります。

望遠鏡の光学系の種類として大きく分けてガリレオ式とケプラー式があります。

090628galileo1
     大人の科学 Vol.19より

望遠鏡の光学系として主鏡(光を集める部分)は屈折式だの反射式だの、
いろいろあるわけですが、それ以前に、接眼レンズを凹レンズ(負レンズ)に
したのが「ガリレオ式」、凸レンズ(正レンズ)にしたのが「ケプラー式」と
いうことになっています。

今日では望遠鏡といえば、ほぼ99%くらい「ケプラー式」で、「ガリレオ式」は
ごく低倍率のオペラグラスか、おもちゃの望遠鏡くらいしか出番がありません。

デジカメのフロントテレコンバージョンレンズ(デジカメのレンズの前に
取り付けて望遠にするレンズ)や、カメラの光学式ファインダーに「逆ガリレオ
式」(倍率を下げて使う)といった使い方もあることはありますが・・・

望遠鏡関係の解説書を見ると、「ガリレオ式」は倍率を上げると極端に
視界が狭くなり、実用的でないため今日では使われなくなった、
ということになっています。

そこで私が以前から不思議に思っていたのは、なぜ、かのガリレオ大先生が
ケプラー式を作らなかったのかというところです。

ガリレオさん自身は望遠鏡なるものが発明されたという噂を聞いて、
短期間のうちに自分で研究して望遠鏡を作り上げたといわれています。

当時、望遠鏡そのものがとても貴重品でしたし、軍事的にも重要な機器と
考えられていたようなので、作り方などは秘密にされていたことが
推測されますので、自力での開発だったはずです。

ガリレオさんはレンズの知識もそこそこ持っていましたし、「実験科学の父」
と言われるほどの人で、実験をもとに問題を解決することをよしとする
人ですから、望遠鏡を作る過程で様々な組み合わせを実験していると
考えて間違いありません。

生涯で300本以上(100本以上の間違いでした) の望遠鏡を制作したとも
言われていますので、このなかで「ケプラー式」の組み合わせを考えなかった
(実験しなかった)というのはどうも不自然な気がしてならなかったわけです。

なぜ、ガリレオは「ケプラー式」の望遠鏡を作らなかったのか・・・?
この疑問は私にとっては長らく大きなミステリーだったのです。

スコープタウンのガリレオ式望遠鏡で遊んでいるうちに、少しずつ答えが
見えてきたような・・、ガリレオさんの気持ちがわかってきたような気が
してきました。

(続きはまた明日・・・)

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2009年6月22日 (月)

ガリレオの望遠鏡

今年はガリレオ・ガリレイが当時発明されたばかりの望遠鏡を宇宙に向けて、
天体観測を始めた1609年からちょうど400年目。
これを記念して世界中で「世界天文年」が大々的に執り行われています。

そんなこともあって、ガリレオの望遠鏡がどんなものであったか、
今の望遠鏡と比べてどれほど性能が悪く、観測に苦労をしたのか、
というところに注目が集まり、レプリカを作ったり、覗いてみたいといった
ニーズが少なからずあるようです。

090622otona

昨年にはガリレオ望遠鏡が付録の「大人の科学」が発売されました。
もちろん買いましたョ。作ったのはつい最近ですが・・・。

090622otona2

この付録、レンズが樹脂だったり、鏡筒内の迷光処理が不適切であったりで
見え味がすこぶる悪く、あまり評判が良くありませんでした。
見えない望遠鏡は無意識のうちに直してしまうクセのある私でも、
レンズの性能まではどうにもならず、色収差の大きなスッキリしない見え味でした。

科学館や公開天文台用に本気の(もの凄く高い)レプリカが作られたり
しています。(詳しくはアストロアーツのこちらをご覧ください)

そんな中、またまたスコープタウンが光学部分のレプリカモデルを発売して
くれました。(しかも1980円というとびきり安い値段で・・・)

B級望遠鏡オタクを自任する私としては、ガリレオの望遠鏡がどんな見え方を
するのか語ったり、実際に見ていただくことができたら楽しいなぁ・・と
思い、気付いたときには注文を終わらせていました。

090622galileo2

口径約37mm、焦点距離約930mm、倍率20倍で、よく見かける2連装のガリレオ
望遠鏡の下側のものにスペックが近いです。
(大人の科学の付録は形はこれに近いですが、ひとまわり小さいです。)

090622galileo3_3

接眼部を覗き込むと中にとても小さい光の点が見えます。
その光の点がこの望遠鏡の視界です。

光の点の中をよ~っく見ると、確かに向こうの風景が見えています。
「視野、せまっ!」という感じですが、色収差は大人の科学の付録よりも
はるかに少なく、ピントもシャキッと合い狭い視野なりに意外なほど
よく見えます。

今の技術で作られたレンズですから、ガリレオが作った本物よりも
きっとよく見えているのだと思います。

この望遠鏡を見て初めて気付いたのですが、ガリレオ式望遠鏡の場合、
アイピースの中心から眼をずらすと、中心で見えていた視界の外側が
見えるようになります。

壁の穴から外を覗いているような感覚で、上下左右に眼を移動することにとり
中心で見えていた視界の3倍(面積は9倍)くらいの範囲を(望遠鏡を動かさずに)
見ることができるわけです。

そこまで含めた範囲の視界が得られると考えると、意外に広い範囲か
見えているような気がしてきます。

あいにく天候が良くなくて、まだ天体を見ていないのですが、月や木星を見て
400年前のガリレオの追体験をするのが楽しみです。

090622galileo1

将来的にはこんな風に架台を作って、展示できたらよいかな?などと
考えています。

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2009年6月21日 (日)

太陽専用望遠鏡「みかん」

太陽黒点の活動が11年周期で変化していることをご存じのかたは多いと思います。

黒点の数が多い極大期とほとんど黒点が無くなる極小期、そしてまた次の
極大期までが約11年が平均的なわけです。

で、今はどうかといいますと極小期になってからすでに2年経っていて、
異常に長い極小期が続いています。

過去に極端に黒点の少ない時期があって、その時期にはほぼ確実に地球が
寒冷化したしたというデータがあることから、一部では
「温暖化ではなくて寒冷化だ!」という声が聞かれ始めています。

人類がいくら頑張って(?)温暖化させようとしても、太陽が軽く咳払いした
だけで、地球が風邪をひくという構図はいかに人類の思い上がりが無益な
ものかを思い知らされます。

まあ、そんな大袈裟な話は別としても太陽黒点が出ているかどうかというのは
ここのところ結構気になります。

私の知り合いの中には毎日太陽の写真を撮り続けて、インターネットで公開
している人もいます。(詳しくはこちら)

まあ一日遅れでも良ければこのサイトを見ればよいのですが、「今、どうかな」
と思うときには、自分で望遠鏡を向けるのが手っ取り早いです。

でも、普通の望遠鏡で太陽を見ようと思うと、眼へのダメージが無いように、
いろいろ部品を準備しなければならないなど、ちょっと億劫です。

最近は特に眼のダメージのことがうるさく言われていて、ちゃんと対策
しておかないと、あとから白内障になりますよということになっています。

そんなところに発売されたのがこれ。

090621mikan1

スコープタウンの太陽専用望遠鏡「みかん」です。(詳しくはこちら)

口径40mm、焦点距離420mmの小望遠鏡ですが、筒の中にフィルターが2枚
入っていて、万が一フィルターが熱で割れても眼へのダメージが最小限に
抑えられるようになっています。

もっとも、フィルターの配置も焦点から大きく外れたところに配置されているので、
割れる心配自体ほとんどないです。

2枚のフィルターで10万分の1くらいに減光していますので、太陽以外は
全く何も見えません。

口径が少し小さいように思うかも知れませんが、普通の望遠鏡で太陽を見る
場合も口径50mm以下に絞るというのが一般的ですので、性能的には
特に問題ありません。

筒だけの販売で、架台や三脚、アイピースや天頂ミラーなどは別途用意
しなければいけませんので、初めて買う望遠鏡というわけには行かないと
思います。
まあ、一番最初に太陽しか見えない望遠鏡を買う人もいないと思いますが・・

090621mikan3

写真は天頂ミラーとアイピース(24.5mmタイプ)を付けたところです。
写真では太陽観測用として定番のMHタイプ(GOTO製!)を使用していますが、
充分減光されているのでオルソなどの貼り合わせタイプでもOKなそうです。、

写真の架台は別の望遠鏡(ビクセンの古スコ、タキオン70)のものです。
タキオン70本体が屈折ドブ(BonW)のほうに出張していますので、
あつらえたように、ちゃっかり載っています。
(この卓上三脚、色違いでよろしければこちらで購入できます。)

090621mikan2

太陽の導入はスコープタウンお得意の簡易照準器を使います。
前の照準器の影を後ろの照準器に落として中心に合わせれば、50倍以上でも
ばっちり視野内に太陽を導入することができます。

ミラーを使用せず、直視タイプでもピントは出るのですが、太陽のほうに
顔が向くので眩しいですし、眼に良くありません。

090621mikan4

この場合、ビクセン(スコープタウンでも)で売っている「日食観測グラス」の
鼻に掛ける部分がぴったり(偶然!)合焦筒にはまって具合が良いことが
紹介されています。お試しあれ・・

これで、いつでも気楽に太陽黒点の有無を確認できますし
7月22日の日食も安心して楽しめそうです。happy02

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2009年6月18日 (木)

スターゲイズのオリジナル双眼鏡FZ-750GFP

先日スターゲイズの「網膜焦点」を考慮した双眼鏡FZ-840RF(8×40)を
購入したばかりなのですが、訳あって7×50の双眼鏡(スターゲイズFZ-750GFP)
を購入しました。

090618bino0

以前にもお話しましたが、「天体用には瞳径7mmの双眼鏡がベスト」という
話は神話になっていると思うので、個人的には瞳径が5mm前後のほうが
優れていると思っていますので、7×50の双眼鏡の必要性を感じていなかった
のですが、ある事情から出来の良い7×50があったほうが良いということに
なりました。
(この事情についてはいずれ詳しく・・・)

メーカー品は高いし、中古はあてにならないしということで、先日購入した
ばかりではあったのですが、スターゲイズの特にハレーションやゴーストの
軽減にこだわったFZ-750GFP(送料込10000円)を購入してみました。

結論から言いますと、この双眼鏡、かなり良いです。

スタパにある双眼鏡はほとんどがB級品以下のものなので、それとの比較という
前提での話ですが、少なくともケンコー製のホームセンターモデルの7×50
に比べれば圧倒的によく見えます。

090618bino
(下がFZ-750GFP、上はケンコー製廉価モデル)

適切な光学設計やプリズムの採用でけられ(口径食)かなく、コーティングも
こだわったものがなされているため、視野がスッキリと明るいです。
(安物モデルより明らかに暗い星が見えます。)

視界は7°(見かけ視界49°)と7×50としては標準的です。
広角型の10×50を見慣れていると少し圧迫感のある見かけ視界なのですが、
ほとんど視野端まで星像が点のままで気持ちがよいです。
広角型の場合、視野の中心から7割くらいから外側は星が点像でなく
だんだん延びてゆくのが普通なので、視野が狭いとはいえ端まで点像なのは
ちょっと嬉しいです。

フレアーや、ゴーストの軽減を重視しているだけあって、視野内に明るい天体や
照明などがあっても、視野全体が明るくなってしまうことも少ないです。

接眼部や合焦部もしっかりとできていて、安物モデルのようにグラグラしたり
見ているうちにピントが狂うようなこともありません。

前述のように7×50は個人的に必要性を感じていなかったのですが、
スターゲイズのFZ-750GFPはすっかり気に入ってしまいました。

これから天文用の双眼鏡を買いたい、でも高いのはイヤ、
かといって、粗悪品を掴まされたくない、とお考えのかたには
お奨めの一品です。

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2009年6月16日 (火)

買ってはいけない双眼鏡

スタパの館内には「買ってはいけない望遠鏡」というラベルが貼られた
望遠鏡がいくつかころがっています。

望遠鏡の形をしているけれど、ちゃんと星が見えないものや、明らかに
性能を偽っているものに対してお客様への注意喚起をはかるために
置いています。

国内で販売されている9割以上が粗悪望遠鏡で、購入するときには充分
注意をして下さい。というお話をするときの材料になっている訳です。

双眼鏡の世界も望遠鏡と同じくらいひどい世界です。
全く使い物にならない超高倍率や、ひどい作りのズーム式、有害光カットと
言いつつ有効な可視光も大幅にカットしてしまうコーティングのものなど、
枚挙にいとまがありません。

双眼鏡に関してはそれなりの予算で、双眼鏡としての一流メーカー品を
購入すれば、望遠鏡ほど話は複雑でないように思うのですが、
それだけに、いかに安い値段で良いものを入手するかという、スケベ根性も
わき起こりやすい製品でもあります。

先日、スターゲイズの8×40(FZ-840RF)をご紹介したのですが、これを
購入する前にとんでもない双眼鏡を買ってしまいました。

ネットオークションで送料込みで4000円くらいだったと思います。

090616bino1

一見、アイピースも大きくてしっかりした作りのようです。
メーカーはBushnell、8×40の表示があります。

090616bino2

ところが、覗くとなんか変です。
視野の周辺がずいぶんゆがんだように感じるのは(安いので)我慢するにしても、
倍率がずいぶん低い感じがします。

対物レンズも何だか直径40mmなくて、少し小さい感じです。
実際にはかってみると35mmくらいしかありません。

スターゲイズのFZ-840RF(写真下側)と並べてみるとレンズが小さいのが
わかります。

090616bino3

また、瞳径を見ると7mm近くもあります。

090616bino4

対物レンズの径と瞳径と倍率には

対物レンズ径 ÷ 倍率 = 瞳径

という単純な関係式が成り立ちます。

このためこの望遠鏡の倍率は5倍くらいしかないと言うことになります。

「やった!スタパで一番倍率の低い双眼鏡が手に入った!」というポジティブな
感想がないわけでは無いのですが、どうもだまされたという感覚のほうが
強いです。

Bushnellの表示はありますが、正規の輸入代理店を通していない
もぐりの製品のようで、そういえば中国からの直送便でした。

いくら粗悪品をたくさん売っている国内メーカーでも、さすがにここまで
でたらめな製品は無いように思います。

星の見え方については、ひとことで言うと「論外!」で、使い物になりません。
昼間、風景を見るのが精一杯の感じです。

ネットオークションで安い双眼鏡は気をつけましょう!

・・・また人柱になってしまった・・・

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2009年6月15日 (月)

ユーハン工業 You!hunter(ユーハンター)

昨日の答えがこれ・・・

090615ypuhunter1

ユーハン工業 You!hunter(ユーハンター)です。
双眼鏡を三脚に載せて使うための架台です。

通常のカメラ三脚の雲台ですと真上に向けたとき接眼部が三脚に近づきすぎて
どうやっても覗くことができなくなってしまいます。

090615sankyaku

ユーハン工業というのは真面目でユニークな(主に一品物の)望遠鏡の架台を
作るので一部では評判の良い会社です。

で、この会社が双眼鏡用の架台として本気で作ったのが、このユーハンター
なわけです。

人間工学的にとてもよく考えられていて、水平から天頂まで、ほとんど架台の
高さを変えずに自然な姿勢で双眼鏡を覗くことができます。

双眼鏡で星空散歩をするのには、サマーベッドのような横になれるような
椅子に寝て双眼鏡を覗くのが、楽ですし、手ぶれも少なく、一番快適だと
思います。

でも、そう都合良くサマーベッドがあるとは限りませんし、
気楽に横になれるような状況に無いことも多いです。

立った(または腰掛けた)状態で双眼鏡を手持ちで星を見ると、口径5cmクラスの
物ですと結構ぶれますし、すぐに腕がだるくなります。

そんなわけで双眼鏡でもできるだけ、三脚に載せて使いたくなります。
でも(冒頭のように)普通のカメラ三脚ですと天頂付近が見づらい(or見えない)
というジレンマになるわけです。

また双眼鏡というのは、かなりパーソナルな機械なので、同じ天体を順番に
見せてあげたくても、手持ちですと経験のあるなしでうまく見られないという
こともあります。

スタパのようにたくさんのかたに星を見ていただきたいという場所では
双眼鏡も固定できたほうが都合がよいわけです。

090615ypuhunter2

今回は協栄産業扱いの椅子付三脚のセットで購入しました。

この椅子付三脚、もとは屋外で風景などのスケッチをする人用に作られた
製品のようで、イーゼルと椅子がセットになったような物です。

090615ypuhunter3

こんな使い方もできるので、バードウォッチングにも使えます。
華奢に見えますが、腰掛けると自分の重さでドッシリと安定して、
50倍くらいまではそれほどブレも気になりませんでした。

ただ正直なところ、双眼鏡を持って天頂を見るよりははるかに楽なのですが、
長時間上を見上げているとやはり首が疲れます。

ちょっと見たい時や、いろいろな天体を代わる代わる交代して見てゆく時には
便利な物だと考えたほうがよいかも知れません。

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2009年6月14日 (日)

これはなーんだ?

これは何でしょうか?

090614uhan1

この写真を見て、

「あぁ、これは○○の○○だね!」

と言える人は、かなりの天文マニアだと思います。

まあ、星を見るのに使う道具ですが・・・

答えはこちら、

090614uhan2_2

えっ?、まだわかりませんか?

それではこの続きはまた明日・・・・

・・・って、だんだんブログネタがなくなってきて、一つのお題で
できるだけ長く話を引き延ばそうとしているのが見え見えですかね?

まあ、毎日更新が3週間続いていますので、ちっとは大目に
見てくださいませ・・・

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2009年6月12日 (金)

「網膜焦点」の双眼鏡

今日のお題はスターゲイズ オリジナル双眼鏡FZ-840RFです。

090613bino1

スターゲイズというのはネット通販をメインとしたお店で、
特に双眼鏡については安くて良いオリジナルの商品に力を入れているようです。

スタパが応援しているスコープタウンもそうですが、良心的なショップが
本気でオリジナルの直販商品を作ると、中間マージンが無いぶん大手メーカーの
商品と同じ性能で安いものがあったり、値段が同じならメーカー品よりも
性能の良いものができたりします。

スターゲイズも良心的なショップの一つだと思います。

で、この双眼鏡、一見普通の双眼鏡ですが、「網膜焦点」という発想で
設計されたものだそうです。

人間の眼というのは普段、中心から周辺までよく見えているように感じますが、
実は本当によく見えているのは中心だけで、周辺は結構ぼやけて見えているそうです。

双眼鏡などでは見かけ視界の広いもののほうが、同じ倍率でも広い範囲を
一度に見渡せるので重宝するのですが、どうせボケて見えるのだから
そんなに視野が広くても意味ないじゃないか、という意見もあります。

そこで考えられたのが「網膜焦点」です。

090613bino2

つまり、もともと(眼の特性上)ボケて見える視野の周辺部分に対して、
特殊な形状(非球面=aspheric)のレンズを追加することにより、中心から周辺まで
ボケないような光学特性にしてあげれば、視野の中で眼をグルグル回して
見なくても一度に広い範囲がよく見えるということです。

この双眼鏡には10×50と8×40の2タイプが用意されています。
たまたま、8×40の手頃な望遠鏡双眼鏡を探していたので、購入してみました。

着払いの送料込みで7700円という価格で、かなり安いです。
(ちなみに、10×50のタイプは8400円です。)

見え方は・・・

迷光処理などが価格相応と言った感じで少し雑なため、アイポイントの位置
(覗く角度)が少しでも適正でないと、昼間はハレーションが気になることが
あります。(夜星を見る分にはそれほど気になりませんが・・・)

「網膜焦点」の効果は・・・

ん~ッ! 確かにパッと覗いたときは広い範囲まで鮮明に見えている
ように感じます。
中心像もまずまずといってよいです。

ただ、双眼鏡を固定して眼をぐるりと回すと、視野周辺の像はお世辞にも
良いと言えないもです。

まあ、この双眼鏡の特性で、眼をぐるりと回さなくても広い範囲を鮮明に
見ることができるので、手持ちで使う前提の双眼鏡としては「あり」な仕様と
言えます。

固定して使用するのが前提の望遠鏡の場合、視野内を眼をぐるりと回して
見るのが当たり前なので、広角のアイピースでも視野周辺まで像が
乱れないことが当たり前に要求されます。

このため高級な広角アイピースになると、望遠鏡本体よりもアイピースの
ほうが高いなんてこともあります。

この双眼鏡に、このような性能を期待するとガッカリしてしまうでしょう。

つまり、手持ちが前提で、視野内で眼をぐるりと回わさず(常に視線を
視野中心に固定して)、双眼鏡を動かして見る対象を移動するという使い方を
する分には、なかなか面白い見え方をする製品と言うことができます。

少なくともネットオークションやホームセンターなどに並ぶ粗悪双眼鏡よりは、
視野周辺像なども含め確実によく見えます。

安いけれども、粗悪品でない双眼鏡が欲しいというかたには
お奨な一品ですね。

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2009年6月 2日 (火)

シュミカセ用レデューサーの話 -その2-

森の中に入って、空を見上げるとほとんど空の見えない季節になりました。

090602mori

冬は森の中でもたくさん星が見えたりするのですがね・・・

さて、昨日に続きレデューサ-の話。

ミード社のシュミットカセグレイン用レデューサーf3.3タイプをスタパの
40cm望遠鏡に付けて、一眼デジ(EosKissX2)で天体写真が撮れるかどうか
というのが昨日の趣旨で、結論は何とか使えそうというのが結論でした。

基本的にはCCDカメラ用なので、

・レデューサ-の設計上、レデューサーの背面(カメラ側)から撮像素子までの
 距離が大きいと縮小率が大きくなりすぎる(F値が小さくなりすぎる)こと、
  → 一眼デジでは距離が大きくなりがちで、像の悪化も予測されます

・その場合、ピント調整範囲の大きなシュミカセでも、ピントがでなくなって
 しまう可能性のあること

・シュミカセの構造上、焦点距離を短くしても、それほど視野を広げられないこと、
 つまり、イメージサークルが小さく一眼デジでは撮像素子の中央部しか
 画像が得られないこと

などの制約があることが予測されたわけです。

いずれも程度の問題で、調整でクリアできたり、我慢すれば済む範囲の
状況かどうかということになります。

090602reducer

写真のようにレデューサかとカメラの間が最短になるような組み合わせで
望遠鏡に装着すれば、昨日の月の写真のようにピントがでることが確認できました。
(つまり左側の延長チューブは使いません。使うとピントがでませんでした。)

次にイメージサークルの大きさですが、

090602siya

上の写真は、昨日の月と、長時間露光でイメージサークルの大きさがわかる
写真を合成したものです

月の1.5倍くらいの範囲が、撮像素子上に円く写っているのがわかります。
(けられの影響など改善の余地はありそうですが・・)

昨日「視野は約3倍(0.3°が1°)くらいに広がります。」と書いたのですが、
「視野は約2倍(0.3°が0.7°)くらいに広がります。」が正解でした。

カメラの視野の中心部しか使わないのは少しもったいない気もしますが、
従来、40cm望遠鏡では視野が狭く、どうやっても月の全景を写すことが
できなかったので、文句を言う筋合いではない広い視界といえます。

星像はお世辞にも良いとは言えないレベルです。
特に周辺はかなりボケます。

まあ、シュミカセというのはF2くらいに作られた主鏡の焦点距離を、
凸型の副鏡でF10まで延ばした光学系です。
これをまた4分の1に縮めて、良い像が得られると期待するほうが無理です。

何より良いのは口径の割にF2.7と、かなり明るい光学系になることです。
F2.7というと満月の夜ならISO800、20秒の露光で風景が写せるF値です。

昨晩は月齢9の月があったのですが、60秒露光でかなり被った写真が撮れました。

090601m13
M13:

090601m51
M51:
いずれも40cmシュミカセ+f/3.3レデューサー、EosX2
ISO1600,60秒露光,ダーク補正後2枚合成,トリミング

スタパの40cm望遠鏡はアメリカ製のじゃじゃ馬。
1分以上の露光では絶対に星が点に写らない機械なのですが、
1分でここまで写るのなら、いろいろ使えそうな気がしてきました。

シュミカセ&一眼デジユーザーの皆さん、
ミードのf/3.3 CCD Focal Reducer 、買いかも知れませんヨ。

次の新月が楽しみになってきました。
(って、もう梅雨入りですかね~)

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2009年6月 1日 (月)

シュミカセ用レデューサーの話

今日はいきなりマニアネタです。m(_ _)m

090601reducer

写真はミード社のシュミットカセグレイン用レデューサーf3.3タイプです。
(f/3.3 CCD Focal Reducer)

レデューサーというのは望遠鏡の焦点距離を短くするアクセサリーで、
広い視界の写真を撮りたいとか、F値を小さくして露出時間を短くする
ためのアクセサリーです。(この部品の場合は約3分の1に縮めます。)

ただこの部品、CCDカメラ用という設定で、一眼レフカメラや眼視観測
には適合しないと言う設定です。

やりようによっては一眼レフでも使えるのではないかと思っていたのですが、
定価で購入しようと思うとけっこういい値段でした。

買って使えませんでしたではシャレにならないので、これまで購入を
控えていたのですが、ミードの国内代理店が閉店したためか、
ネットオークションでわりと安めに入手することが出来ました。

結論から言うと、APS-Cサイズの一眼デジなら何とか使えそうです。

細かい話は次回にしたいと思いますが、ざっくりとした試写では
焦点距離は約27%(4000mmが1070mm、なんとF2.7)
視野は約3倍(0.3°が1°)くらいに広がります。
(後で冷静に調べたら「視野は約2倍(0.3°が0.7°)くらいに広がります。」
が正解でした。)

APS-Cの全体ではなく、すっぽりと円形の視野が写ります。

090601moon2
レデューサー無し

090601moon1
レデューサーあり

詳しくは次回に

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2009年4月25日 (土)

卓上ドブソニアン BonW

星好きのかたはドブソニアンという望遠鏡の形式をご存じと思いますが、
できるだけ口径の大きな望遠鏡を簡素な架台で軽量に作り、とりあえず
大口径の望遠鏡の見え味を楽しもうという趣旨のものです。

従って、卓上で使うドブソニアンというのはその趣旨から少し外れた仕様と
言うことになります・・・。

090423bonw1

写真は15cmニュートン式反射望遠鏡用のドブソニアン架台
(国際光器 WHITEY DOB用)です。

ニュートン式のように筒の上部から覗くタイプの望遠鏡の場合は
地面に直置きが覗く位置の高さから考えて一般的です。

しかし、屈折望遠鏡や反射でもカセグレイン系の下から(筒先の反対側から)
覗くタイプの望遠鏡の場合、上の写真のような一般的なドブ架台ですと
天頂に向けたときには、地面に這いつくばって見なければならなくなってします。

というわけで屈折式を一般的ドブ架台に載せようと思えば、必然的に
卓上型になるというわけです。

卓上型というと何となくかわいらしい小さな望遠鏡を想像するかも
知れませんが、スタパ流卓上ドブソニアンは下のようなかなり
ゴツいものになります。

090423bonw4

前からスタパにある15cm屈折アクロマートの「ブラック」(笠井トレーディング
・シュワルツ)は個人的には好きな望遠鏡なのですが、赤道儀に載せて
使おうと思うと、気が滅入るくらい大袈裟になってしまい、ついつい
出番が少ないという、かわいそうな状況にありました。
(「ブラック」について詳しくはこちら)

お手軽に使えないものかといろいろ検討したのですが、「ブラック」を
載せるとなると経緯台でもかなり大がかりなものになってしまい、
架台や三脚の置き場所にも困ります。

そこで「ブラック」をドブ架台に載せようということになったわけです。

一時は一から架台の自作も考えたのですが、ネットオークションで
出物を見つけたので慌てて落札しました。

架台の幅の関係上うまく載せられるかが一番の心配だったのですが、
耳軸をほんの少しヤスリで削り、耳軸と鏡筒バンドを繋げるアルミプレート
(ホームセンターで売っていたアルミ板に4カ所穴を開けただけ)を
用意しただけでうまく載せることができました。

090423bonw2

この「ブラック」かなりトップヘビーで、そのままだと接眼部が下側の
台座に引っかかり天頂を向きません。

接眼部側に重りやらサブスコープやらを取り付けてなんとかバランスを
取って天頂を見られるようにしましたが、その分かなり重くなってしまいました。

気楽に持ち歩けるかというと、もう少し改良の余地もあるように思いますが、
赤道儀に載せて使うことを思えば大幅に軽快になっていると思います。

090423bonw3

というわけでこの春から夏にかけて、ホワイティ-ドブの架台にのった
ブラック(Blak on WHITEY = BonW)活躍してもらおうと思っています。

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2009年4月20日 (月)

41番目の望遠鏡

ここのところ初夏を思わせる暖かさです。

いつもより1週間くらい早くカラマツの新芽が出始めました。

090419karamatu

スタパ周辺では桜が満開です・・・

さて、スタパにはたくさんの望遠鏡があるのですが、あまり真面目に数えたことが
無かったので、聞かれたときには「だいたい30台くらいですかね」と答えていました。

ここのところ何回か取材が続いてあまりいい加減なのもいけないと思い、
しっかり紙に書き出しながら台数を数えたら、何と41台もあることが
分かりました。

あまりの多さにおかみには改めて呆れられましたし、自分でも嬉しくなって
しまいました(笑)

まあこの中には販売している望遠鏡の見本とか、粗悪望遠鏡の見本とか、
預かり(または借用)の物、ほとんどインテリアの物などもありますので、
個人的な趣味で所有しているのは25台くらいなものです。
(・・・って、それでも充分多い気もしますが・・・)

さて、その記念すべき(何が記念なのか分からないですが)、41台目がこれ、

090419sirius2

ビクセン シリウス40L、口径40mm、焦点距離800mm(F20)です。

口径比20(F20)の屈折望遠鏡がどんな見え味なのかどうしても覗いてみたくて
ジャンク扱いの品物をネットオークションで入手しました。

090419sirius1

口径50mm、焦点距離600mmのラプトル50(写真手前)と比べるとその長さが分かります。
(鏡筒はラプトルと同じ太さのモノが使用されています。)

アルミ鋳物の架台はかなりしっかりした物で安定感があるのですが、
細い木製の三脚がその安定感を台無しにしている感じです。

入手早々覗いてみると、どうも見え味は今ひとつ・・
像もコントラストもぜんぜん締まりがない感じでした。

年代物のわりにレンズには(多少の曇りはあるものの)カビなども無く
きれいだったのですが、2枚のレンズの間に3カ所あるはずのスズ箔が2カ所しか
入っていません。

このため正しく調整された分離式アクロマートレンズに見えるはずの
同心円状のニュートンリングが全く見えない状態でした。

レンズの清掃と箔の入れ直しをしようとレンズを外したら、鏡筒内は何と内側が
白く塗装されていました。

いくら20年以上前の最低価格の入門用望遠鏡だとしても、ちょっとびっくりな
仕様です。
初めに覗いたときに、コントラストの悪い理由がこれだったわけです。

接眼部から見て明るく光る部分に黒の植毛紙を張り、ニュートンリングが
きれいに見えるように調整をして、組立なおしました。

昼間、風景を見ると色収差はほぼ完璧にありません。(色収差は星よりも
木の梢や電線などの方がシビアに分かります)

星像もほぼ完璧、ふたご座のカストルが楽勝に分離できますし、
土星も本体に落ちる輪の影がはっきり見えますし、輪に落ちる本体の影も
見えます。

200倍まで倍率を上げても、思ったほどには像が乱れません。
口径mm数の5倍という超過剰倍率で、さすがに暗いですが、それなりの
見えかたで、不快という感じはしませんでした。

F20・・・恐るべしです。

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2009年3月15日 (日)

ニンテンドーDSを望遠鏡に取付る

さて、昨日の答えがこれ・・・

090314buhin4

望遠鏡(ブラックギャラクシーⅠ世こと、お気楽1号)にニンテンドーDSを
同架させるための金具でした。

昨日こちらでご紹介したように、「星空ナビ」というDS用ソフトが3月26日に
発売になります。

このソフト、実は昨夏の星祭り(原村)で試作器を見てたいへん優れもので
あることを確認しました。

DSを空にかざすとDSの画面にその向こうに見えている、星空を表示して
くれたり、見たい星を決めると画面上の矢印で星の方向を指し示してくれます。

天文ファンのかたはすでにセレストロンなどから似たようなコンセプトの
商品が販売されているのをご存じかと思いますが、こちらは全て日本語仕様で
かなり使えそうです。

画面の表示倍率もいろいろ変えられて、1°くらいの精度があるそうですので、
簡易的なファインダーになるのではないかというのが私の目論見です。

高価な自動導入の架台がなくても見たい星の位置を示してくれるので、
望遠鏡と同じ方向を向くように取り付けてあげれば、肉眼では見えない
星雲・星団も望遠鏡の視野に導入できるのではないかということです。

「お気楽1号」の常用倍率は21倍、実視界3.2°ですのでメシエ天体の掃天には
もってこいなのでは? と思っています。

発売まで2週間弱ですが、発売されましたらご報告したいと思います。

さて、参考までにこの金具の構造をご紹介しておきます。

090314buhin2

構造というほどのものでもないので、分解した状態の写真を載せておきます。

一番左の小型自由雲台以外は全てホームセンターで容易に入手できます。
予め部品に開いている穴をそのまま利用しているので、穴あけなどの加工もせずに
そのまま使っています。

Z金具の高さがDSよりも大きかったので、スポンジを接着して高さを
調整しています。

自由雲台が小さすぎて少し心配だったのですが、強度的にも精度的にも
全く問題なく使用できそうです。

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2009年3月14日 (土)

この部品は何?

いきなりですが、この部品は何でしょう?

090314buhin1

答えはこちら・・・

090314buhin3

??? 、えっまだ分かりませんか?

ヒントはこちら

詳しくは次回以降に!

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2009年3月 1日 (日)

お気楽星見望遠鏡 -その2-

さて、昨日紹介した「お気楽1号」いや、「Black galaxy Ⅰ」ですが、
このシステムのポイントはこのアイピース。

090223wv24

笠井トレーディングのWV-24mm(見かけ視界68°)です。
このアイピース、31.7mmのスリーブ径では最大の実視界が得られます。

焦点距離500mmの「お気楽1号」いや、「Black galaxy Ⅰ」(しつこい!)で
使うと21倍、実視界3.25°、瞳径5mmと、たいへんお手頃のスペックに
なるわけです。

2インチ径のアイピースなら同倍率でももっと広視界だったり、
もっと低い倍率にすることも可能です。

でも、そのためには2インチサイズの天頂ミラーや、31.7mmアダプターを
用意したりと、何かとシステムが重く複雑になりますし、
その割に視野周辺の像が乱れて快適でなくなったりと、あまり良いことは
なさそうです。

このアイピース、同等商品がテレビューや国際光器にもありますが、
コストは笠井が一番安くてお手頃です。(性能は知りませんが・・・)

68°と広視界ながら視野の7割くらいまでは良像、視野端でもそれほど大きく
像が乱れないのがよいです。

また、ブラックアウトやビーンズエフェクトの発生しづらい、
たいへんのぞきやすいアイピースです。

一番安い笠井でも14800円と決して安くないですが、持っていて損のない
レンズだと思います。

さて、「お気楽1号」に話を戻します。

「お気楽1号」の架台はたいへん旧式の安物望遠鏡に付いている赤道儀です。
もう40年以上前から同じ設計で作られている架台です。(今は中国生産?)

090301okirakukadai

この赤道儀、極軸を直立させると経緯台として使えるので便利です。
赤道儀として使うには強度的に6cm屈折くらいが限度ですが、経緯台として
使う分には(バランスさえしっかり合わせてあげれば)、もう少し重くても
充分いけますので、「お気楽1号」には十分な性能といえます。

天頂付近も架台や三脚に干渉することなく振り回すことができるので、
お気楽観察には好適です。

低倍率が基本ですので、微動装置がなくてもそれほど困りませんが、
あって困るものでもありません。
何よりネットオークションなどでジャンク扱いなら5000円以下で入手できるのが
魅力です。

「お気楽1号」の実視界3.25°というのはオリオン座の三つ星がギリギリ入る
視野で、オリオン星雲を見ると小三つ星と合わせてすっぽり収まるといった
感じです。

ファインダーなしでも見たい対象の導入が何とかできるレベルの視野だと思います。

10cmありますのでスタパの空ではそれほど苦労せずほとんどのメシエ天体を
見ることができるはずです。

低倍率の望遠鏡で星を見る楽しみを少しでも多くのかたに知っていただけたらと
思っています。

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2009年2月28日 (土)

お気楽星見望遠鏡

どうも2月の後半は天候の悪い日が多いです。
良い予報が出ていたはずなのに悪かったり、曇りのはずが雨や雪だったりと
冬なのに晴天率が悪いのは困ったものです・・・

090228kiri

さて、今日も望遠鏡ネタです。

望遠鏡で星を見る楽しみ方には様々な形態があります。

高倍率で月や惑星を見たり、低倍率で星雲星団を見たりとそれぞれに楽しむ
ことができます。

口径10cmくらいの単焦点屈折を使って低倍率で天の川を流すように見ると
それはもう無数の星々が砂を撒いたように見え、所々に星雲星団が視野に
飛び込んできて、もの凄く楽しい時間を過ごすことができます。

(ちなみにこの星の楽しみ方はスコープタウンの大沼さんに伝授頂きました。)

少し口径の大きめの双眼鏡でもこれに近い楽しさを味わうことができますが、
手持ちだと疲れるし、三脚に載せると天頂付近を見るのが辛かったりします。

090223okiraku1

そこでこの望遠鏡の登場です。
スタパの望遠鏡の中でブラックJrとして働いている望遠鏡で、
当初40cm望遠鏡のサブスコープとして導入したのですが、
最近はすっかりSky90(タカハシ製90mmアポ)にお株を奪われて
出番があまりありませんでした。

この望遠鏡、安いのが取り柄の中国製のアクロマート屈折10cm・F5。
光軸いまいち、色収差出まくりで、オールマイティにはほど遠いものです。

でも、微光星や星雲の見え方は8cmクラスとは一線を画するほどの力があります。

低倍率専用と割り切り、ひ弱な架台と三脚に載せ、操作用ハンドルまで付けて
操作性と軽快さを重視した構成になっています。

透明度の良いときにちょいと持ち出して使うお気楽星見用として活躍して
もらえば、冒頭のような砂を撒いたよな銀河クルーズが楽しめます。

名付けて「Black galaxy Ⅰ(ブラックギャラクシーⅠ世号)」、
またの名を「お気楽1号」と呼ぶことにしました。

しばらくは私のおもちゃとして、マニアックなお客様の貸出用として
働いてもらおうと思います。

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2009年2月23日 (月)

ラプトル50 VS アトラス60 VS ポルタA80Mf

アトラス60の見え味についての紹介をしないまま少し時間が経ってしまいました。
忘れていたわけではなく、いろいろな条件でいろいろな天体を見て結論を
出したかったので、時間が掛かってしまいました。

また、アトラス60だけ見て良いとか悪いといってもピンと来ないと思い、
弟分のラプトル50と、さらに上位グレードのポルタA80Mf(ビクセン製)と
比較しながら紹介するのがよいと考えてテストしてきました。

090223telesco

結論から言うと、口径80mmのポルタA80Mfがやっぱり一番よく見えます。
A80Mfの鏡筒は中国製なのですが、ビクセンがしっかり品質管理しているだけ
あって、充分によく見えます。

アトラス60やラプトル50がいくらよく見えるといっても、これだけの口径の
差は埋めることができないといった感じです。

ただ、ラプトル50(口径50mm)、アトラス60(口径60mm)、ポルタA80Mfを順に
見ると、アトラス60の見え方はラプトル50よりもポルタA80Mfに近い感じが
します。

ラプトル50ではギリギリ何とか見えるといったレベルの天体が、アトラス60
だと、あっさり見えます。

ポルタA80Mfだとさらにはっきり違いが判るようになるといった感じです。

ここまで書くと、ポルタA80Mfが断然良い望遠鏡に思われるかも知れませんが、
このA80Mfという鏡筒、口径比がF=11.3とアトラス60のF=13.3、
ラプトル50のF=12よりも小さくなっています。

同じF値でも口径が大きくなるほど収差が大きくなりますので、一番口径の
大きなA80Mfが不利になる傾向があります。

暗い天体を見る場合にはほとんど気にならないのですが、月や惑星を見ると
色収差(色のにじみ)がかなり気になります。
好みの部分も多いのですが、私の場合、普段はほとんど色収差のない反射系の
望遠鏡を使っているので、個人的にはギリギリ我慢の限界かな?
と思うくらいの感じです。

アトラス60やラプトル50のような胸のすくようなスッキリした見え味とは
かなり違います。

感覚的なお話しかできなくて申し訳ないのですが、眼の悪いかたが
度は合っているけれど汚れたレンズの眼鏡で見たときに、
「よく見えるけど、視界が曇っていて気分が悪い」のと
度は少し合っていないけれど、きれいなレンズの眼鏡で見たときに
「少し見えにくいけどクリアな視界で気分は良い」という状況の
どちらが良いかというような感じかと思います。

次に架台についての比較ですが、架台の安定度や使用した感覚は、
やはりポルタが圧倒的に良いです。
ただ、これもアトラス60はラプトル50よりもポルタに近い感じで、
高い安定度があります。

微動なしでフリーストップのラプトル50は低倍率では直感的に使える点で
優れているのですが、、高倍率になると天体の追尾に苦労をします。

お子さんが遊びで使うレベルであればラプトル50で十分と思いますが
落ち着いて観察しようとしたときには、やはり微動装置が欲しくなると思います。

さて、結論です。

個人的にはこの3台のうち、月や惑星を「ちょいと見よう。」と思ったときには、
アトラス60を選ぶと思います。

スッキリした像でストレスがなく見られるのと、大きさや重量もストレスの
少ないレベルだからです。

持ち運びや保管が気楽にできて、よく見えるのが良い望遠鏡だというのが
持論ですのでこの結論になります。

もちろん十分な体力と広い保管場所があるかたは、将来的にも拡張性の高い
ポルタA80Mfも悪い選択ではないと思います。
ポルタA80Mfとアトラス60には倍の価格差(2万4千円と5万円)がありますので、
後は価値観の問題だと思います。

ラプトル50(約8千円)とアトラス60には3倍の価格差があります。
ラプトル50はこの価格としては驚異的な性能の望遠鏡ですので、非常に高い
コストパフォーマンスといえます。

小学生の子供さんのファーストスコープとしては必要十分な機能と思いますが、
大人が少し使い慣れてくるとすぐに物足りなさを感じるレベルともいえます。

(逆にお子さんには直感的に使えるという意味で、ラプトル50を強くお勧めします。
個人差もあるかも知れませんが、初めからアトラス60だと使いこなせないまま
興味を失ってしまう可能性があるからです。)

アトラス60とラプトル50の3倍の価格差は少し高いようにも思えますが、
少し使い込めばアトラス60の価格が適正なものであることが理解できると思います。

正直なところアトラス60よりも高い、中国製の7cm屈折よりもよく見えますので・・・

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2009年1月19日 (月)

アトラス60を使ってみた

昨晩は雪。

090119yuki

スター☆パーティの周辺にはそこいら中にこんな(鹿の)足跡がいっぱいです。

090119asiato

さて、今日は実際にアトラス60を使ってみたインプレです。

090117telesco

ラプトル50と比べ口径では1cmの違いしかないはずなのですが、こうして
並べてみるとアトラス60はいかにも「兄貴ッ!」という感じがします。

実際に使ってみてもその印象が、そのまま使い勝手や見え味に反映されて
いるような感じがします。

前にも書きましたが、アトラス60の架台と三脚は口径80mmの望遠鏡にも
標準で使用されているものです。
これに口径60mmの望遠鏡を載せているので、かなり安定感が高いです。

090119teresco

実はこの架台、先年までビクセンのエントリーモデルの中の最上位機種(写真奥)
に使われていたものと同型のものです。
でも、スコープタウンでこの架台を採用するに当たっては、外観や
カタログでは分からない強度面や使い勝手の部分の改良が加えられています。

見えないところにもきっちりと手を抜かないまじめさがスコープタウンの
良いところです。

いくら頑丈といっても小望遠鏡なので、強めの風が吹いたり、
ピント調整のときにはゆれますが、わりとすぐにその揺れは収まりますので、
使っていて不快な感じはしません。。

またラプトル50と異なりクランプで固定するので、ピント調整などで望遠鏡が
動いてしまう心配が少なく安心感があります。

さらに上下・水平共に微動装置付きなので高倍率でも安定して天体を
追尾することができます。

この微動装置は安物モデルの部分微動と違い、ウオームホイルタイプのもので
全周回転ができます。
部分微動ですと常に可動範囲を超えないか気にしていないといけないのですが、
全周微動ですのでその心配がありません。

水平微動はクランプをゆるめた状態でも動いてくれるのと、鏡筒に少し
触れたくらいではずれませんので、常時はゆるめたままでも特に問題
ありません。

上下微動の方は、クランプをちゃんと止めないと、微動が働きませんし、
前後のバランスが悪いと勝手に鏡筒が動いてしまうので、
 ゆるめて → 動かして → 止める という
操作が必須になります。

クランプを締めたまま無理に動かせば、早くガタが来て修理や調整が
必要になりますので、望遠鏡としての基本操作をしっかり身につける
ようにしなければなしません。

使ってみて少し気になったのは、微動軸回転の動きが少し渋いというか
廻すのに力がいる点です。
これは好みの部分もあるのですが、あまり回転が渋いと微動軸を廻すときに
望遠鏡がブレて気分が悪いです。

あまり軽くても不安な感じがしますし、バックラッシュ(ガタつき)の原因に
なりやすいので調整が微妙なのかも知れませんが、工場出荷時にもう少し
調整を追い込んで頂けたらと思います。

ラプトル50ですと三脚が子供向けの長さのため大人はかなりきつい
姿勢となりますが、アトラス60では2段伸縮式のため大人でも比較的楽な
姿勢で観察することができます。

三脚を延ばしたときの下側のパイプが見た目には少し細くて華奢な感じが
しましたが、使う上で強度的な不満はそれほど感じませんでした。

ラプトル50の(特に高倍率では)何となく頼りない架台と比べると
とても快適で安定感のある架台になっています。

見え味のインプレをする前に、架台の解説がずいぶんと長くなりましたが
望遠鏡の架台と鏡筒というのは車輪の両輪のようなもので、どちらか一方が
秀でていても快適に使いこなすことができません。

両方の性能がうまくバランスして初めて気持ちよく使うことができる
望遠鏡になります。

結論を先に言いますとアトラス60の見え味はすばらしいものです。
その光学性能を充分に引き出すことのできる架台と三脚が
組み合わされているといえます。

その光学性能については次回をお楽しみに・・・

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2009年1月16日 (金)

アトラス60紹介

090110atlas1

今日はアトラス60がどんな望遠鏡なのか、ラプトル50と比較しながら
紹介してゆきます。

090112setugan

アトラス60は口径60mm、焦点距離800mm(口径比13.3)とラプトル50(口径50mm、
焦点距離600mm)より一回り大きくなっています。
口径比がラプトルのF12より大きくなっていて、もちろん日本製。
シャープな像が期待できます。

たった1cmの違いと思われるかも知れませんが、集光力は1.4倍も違います。

090112kadai_2

架台は上下・水平軸とも微動装置付きの本格的なものです。
80mmクラスの鏡筒用に作られた架台なので相当安定感があります。
微動装置のないラプトル50に比べクランプ(固定ネジ)の操作が必要なぶん
操作が煩雑で、直感的に使えないというデメリットはあります。
でも、使い慣れてしまえば、ピント調整やちょっと触れたくらいでは鏡筒が
動かないので却って気楽に操作ができると思います。

090112fuzoku2

付属品はラプトル50と同様、アイピース3本と天頂ミラーですが、
ラプトル50で省略されていた三脚トレーが付いているので、観測中に
ちょっとアイピースを置いておきたいときにとても重宝します。

アイピースはK20mm(40倍)、f12.5mm(64倍)、Or6mm(133倍)で、ラプトル50の
K20mm(30倍)、f12.5mm(48倍)、f8mm(75倍)と比べ高倍率の仕様になっています。
最高倍率の133倍にはかつては高級品であったOr(オルソ)が設定されていて、
発売元の良心が感じられます。

付属アイピースはラプトル50と同様、24.5mm規格のものですが、
接眼部は31.7mmに対応したもので31.7→24.5変換アダプターが付属しています。

31.7mm仕様とすることで、拡張性や応用性が格段に広がりますので、
ありがたいチョイスだと思います。

090112kyoutou

天体の導入はラプトルと同様、鏡筒に取り付けられた照準金具で行います。
明るい天体ならへたなファインダーよりもはるかに快適に導入ができます。
対物側の照準には夜光塗料が塗られていて改善が進んでいることが伺えます。

さらに後からオプションでファインダー取付ができるよう、取付ネジが
初めから付いている点も親切だと思います。

090112sankyaku

三脚は2段伸縮式の金属パイプタイプです。
小学生が使うことを前提としたラプトル50の直脚は大人が使うのには少し
低くて、不自然な姿勢になることが多いですが、こちらは適切な
長さに調節できて快適です。

取説はA4で6ページ分とかなり詳しく組立から使い方まで解説されています。
さらに定価1000円の星空ガイドブックと星座早見盤まで付いています。
A4、3ページの取説のみのラプトル50と比べるとかなり豪華で、
よりハイレベルの観察ができるようにしてほしいという発売元の意気込みが
感じられます。

以上、アトラス60の概要を紹介しました。
ラプトル50と並べてみるとそれ程の違いは感じられないのですが、
細かく見ると、3倍の価格差の違いは伊達では無いように思えてきます。
あとは見え味の違いで評価すべきところでしょう。

実際の見え味や使い勝手については、また後日ご紹介させて頂きます。

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2009年1月13日 (火)

ラプトル50で月を撮る

昨晩、先日ちらりと紹介したラプトル50を40cm望遠鏡に乗せてしまうという
方法で月を撮影してみました。

090113moon179

目で見るのと同じようにデジカメにアイピースをのぞかせる、いわゆる
コリメート方式という撮影方式です。

090113moon281

18mmのアイピースを使いましたが、月の全景から拡大までちょうど良いサイズで
撮ることができました。

ラプトル50・・、私の予想通り架台さえしっかりしたものにしてやれば、
相当良い写真が撮れることがわかりました。

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2009年1月11日 (日)

40cm望遠鏡の小改造

今日も望遠鏡ネタです。

先日改造したラプトルをスタパ天文台の40cm望遠鏡に取り付けました。

0901101tenmonndai1

・・・というのは冗談で、

まあこういう使い方もできるというお話。
少し反則ですが、このようにしてラプトル50でどこまでの観測ができるのか、
どんな写真が撮れるのか、試してみたい気もしていますが・・・・

でも、本当のところはこれ・・

0901101tenmonndai2

40cm望遠鏡には純正の8×50のファインダーが付いていますが、望遠鏡の
向きにより反対側にもファインダーがあったほうが便利です。

ジャンクの望遠鏡を改造して、ファインダー代わりに使えるように取り付けた
というわけです。

40cm望遠鏡側にビクセン互換の簡易型アリ溝金具を取付けて、冒頭のように
いろいろなアクセサリーが取り付けられるように改造したというのが
一番正確な表現かな? と思います。

もう一つの改造(?)は、接眼部をマイクロフォーカス付きのクレイフォード
接眼部(笠井トレーディング製)に交換したことです。

0901101tenmonndai3

従来ここには(写真で手に持っている)ボーグのヘリコイドを使用していたのですが、
・従来のヘリコイドより可動範囲が(わずかですが)大きいこと、
・微調整時にほとんど力が掛からないので高倍率でもブレずに
 ピント調整ができること、
・粗動、微動ができるのでピント調整がスピーディになること、
・望遠鏡を使ったことがある人なら直感的にピント調整ができること、
などなどメリットがたくさんあります。

部品交換だけの小改造ですが、かなり使い勝手が良くなりました。
かなりごついというか重いので小型のシュミカセには向かないかも
知れませんが、シュミカセの欠点であるミラーシフトに悩まれているかたには
かなりありがたい部品だと思います。

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2009年1月10日 (土)

アトラス60登場

昨日、まとまった雪が降ったことをおかみのブログで紹介していましたが、
その雪で今シーズン初氷柱(はつつらら)ができました。

090110turara

スタパで販売している望遠鏡は「星の手帖社」の15倍と35倍の組立望遠鏡と
スコープタウンの「ラプトル50」です。

どちらも初心者や子供向けとしては非常に評価の高い望遠鏡です。

価格の割にはやたらとよく見えるので、天文学者やマニアックな人たちの
間でも初心者向けとして紹介するのが定着してきている感があります。

ただ、これらの望遠鏡はコストの制約ももちろんですが、とにかくわかりやすさを
重視しているため、徹底的に無駄が省かれています。

「直感的にわかりやすく使えてよく見えるものを安く売る」
というコンセプトの商品です。

このため、残念ながら拡張性とか応用性とかについてはあまり考えられていません。
たとえば、いろいろなアイピースが使いたいとか、写真を撮りたいとか、
他の架台載せて使いたいとか・・・

それで昨日のような改造をしたくなるという、ある意味「天文マニア」の
正常進化を促進するような設定なのかも知れません。

でも、あまりマニアックな性格でないかたはどうするのかというと、
もう一段階うえのグレードの望遠鏡を物色するということになると思います。

ラプトル50の上のグレードの望遠鏡をチョイスしようと思うと、
もの凄く選択肢が多く苦労するのですが、それ以上に価格のギャップに
驚かされるかたが多いのではないかと思います。

ラプトル50が約8000円なのにその上となると、とたんに4万、5万の
世界になってしまうからです。

また、15000円から3万円あたりは粗悪品がやたらと多い価格帯ですので特に
注意が必要です。

そんなこともあってラプトルの発売元であるスコープタウンで開発されたのが
この「アトラス60(ロクマル)」です。

090110atlas1

数字が示すように口径60mmの屈折望遠鏡です。

ラプトルの50mmと10mmしか違わないのに、価格は23800円とラプトルの3倍。
価格だけ見るとずいぶん高いなぁ~、と思うかも知れません。

確かに望遠鏡の基本性能というのは口径で決まるのですけれども、
でも、その性能がうまく引き出せるかどうかは、架台や三脚、アイピースや
アクセサリーといった様々な仕様のトータルバランスによって
大きく変わります。

ラプトルに無かった安定感や拡張性を満足させようとすると、どうしても
この価格にせざるを得なかったようです。

「アトラス60」の開発ストーリーはテレビ(BS日テレ、キズナのチカラ)でも
紹介されていて、性能に妥協しないぎりぎりまで努力をして開発された
経緯がよくわかります。

昨年の初夏には発売されていたのですが、スタパに来て旅先でポンと買うには
少し高すぎると思い、販売を躊躇していました。

それでも、ラプトルの上位グレードの紹介をするときに現物が無いのは
迫力がありませんし、事前に「スタパでも買えますよ」と告知をしておけば
売れるかも知れないという判断から、スコープタウン(スターライト
コーポレーションの社長)の大沼さんにお願いして、在庫を置かせて
もらうことにしました。

今後、何回かに分けて詳しく紹介してゆきたいと思います。

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2009年1月 9日 (金)

ラプトル改造

年末・年始のお客様が終わり、少し休みを頂いてのんびりしているうちに
1週間以上がたってしまいました。

今日は朝から雪・・・
もう少しのんびりしていたいところですが、明日からは3連休ですので
そうのんびりもできません・・・

11月8日にラプトル50の改造について紹介しましたが、今日はその続きです。
(ついこの間のような気がするのですがもう2ヶ月もたっているのですね・・)

ラプトルを少し使っていると、使用できるアイピースが24.5mm径のものに
限られるので、マニア的にはどうしても不満がたまってきます。

昨今では31.7mm径のアイピースに主流が移っているため、使えるアイピースが
限られてしまうことや、写真を撮るためのアダプターなどが入手しづらいとか、
写真を撮ろうとしても接眼部の強度が少し心配・・・などです。

発売元のスコープタウンのほうでもその辺は承知していて、マニア向けに
31.7mm接眼部をオプション部品(¥1930)として取りそろえています。

090109setugan

今日はこの接眼部の交換をしました。

もともと付いている24.5mmの接眼部とネジの取付位置が60度ずれているので
もとと同じ向きに新しい接眼部を付けるためには鏡筒に穴を開け直さなければ
なりません。

経緯台で使うときにはピントノブが下側に付いていないと少し変では
あります。でも、赤道儀で使うときにはノブの方向は望遠鏡を向ける方向により
全く変わってくるのが通常で、赤道儀を使い慣れた人間にとっては
ノブの向きなど全く気になりません。

そんなわけで、今回は穴明け作業なしに接眼部の入替をしました。
この作業だけなら5分で終わりです。

090109setugan2

せっかくですので銘板も交換しました。
ヘアドライヤーで充分に暖めてからはがすときれいにはがれて、張り替えが
できます。

090109setugan3

これで無事31.7mmアイピースが使用できるようになりました。

090109adaputa

前回の改造(汎用取付金具)と組み合わせて、ビクセン互換のアリガタ金具を
付ければ、ポルタ式経緯台に取付ることはもちろんですし、赤道儀などに
取り付けることも可能になり、いろいろな使い回しができるようになります。

090109poruta

まあ、ここまでくるとラプトルでは無くなってしまいますが、
鏡筒の基本性能がたいへん高いために、最大限これを活かそうとすると
こういった改造が必要になるという、マニアックなお話でした。

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2008年11月20日 (木)

2インチアイピース -その3-

さて、昨日から冬になったスタパ周辺(本件に関しては久々におかみと意見が
一致しましたが・・・)、ペンションの北側には本格的な霜柱ができ始めていて
びっくりでした。

081120simobasira

さて、今日は2インチアイピースの話、ずいぶん間が開いてしまいました。
スタパの天文台で使用するアイピース(従来は)は倍率を変えるために何種類も
用意していたのですが、使い勝手の点から2インチアイピースに統一したい
というのが前回までのあらすじでした。(かなりいい加減?)

で、今日は前回紹介した(高倍率のほうを担当する)ハイペリオンズーム8-24mm
のインプレです。

ずっと前にもズーム式アイピースに付いて書いたことがあるのですが、
個人的には望遠鏡にズーム式アイピースを組み合わせて見るのが好きです。
でも、天文ファンのなかにはズームいうだけで、頭ごなしに否定する方も
多い(実は以前の私がそうでした)のです。
これは、いまだに世の中に蔓延する粗悪なズーム式双眼鏡や、望遠鏡の
イメージが強いからなのだと思います。

ズーム式か嫌われる理由の一つに、倍率の低い長焦点側で見かけ視界が
最も小さくなり(安いものでは40°以下)、へたをすると高倍率でも
低倍率でも実視界の広さがそれほど変わらず、倍率を変える意味が
あまり無いということもあります。

でも、自動追尾式の望遠鏡で惑星を見る時に限って言えば、ズーム式
アイピースというのはかなり使えるアイテムなのです。

惑星を見るだけなら見かけ視界が広かろうが狭かろうが、それほど
問題ないです。
いっぽう惑星の場合は、その日の大気のコンディションで
模様を観測するのに最適な倍率がかなり変わるという性質があります。
このため通常の単焦点アイピースであれば、いろいろな焦点距離の
ものを次々取り替えながら最適な見え味の倍率を選ぶ必要があります。

また、大気のコンディションというのは刻々と変化することも多いので
「良く見える」ズーム式アイピースがあれば非常に便利なわけです。

ただ、この「良く見える」というのがみそで、レンズ構成や構造が
短焦点アイピースに比べ複雑なぶん、高性能なものを作るためには
それなりのコストがかかるわけで、安いものですとどうしても今ひとつな
見え方の製品がほとんどです。

レンズの枚数が多い分、コーティングがしっかりしていないと
ゴーストも発生しやすく明るい星を見た時に不快な見え方になります。

そんな中で国際光器から発売されているバーダープラネタリウム社の
ハイペリオンズームは定価が約4万円とかなり高価で、その分性能面でも
かなり気合の入ったものです。

使ってみた感覚で特徴をまとめると
・コーティングや光学設計が良いのかズーム式とは思えない
 ヌケのよさで、 輝星を見てもゴーストが気にならない
・どの焦点距離でも視野周辺まで像が乱れない
・どの焦点距離でもアイポイントが寛容でブラックアウトしづらい
・低倍率側(24mm)でも見かけ視界が50°あり一般のズーム式(40°)より
 大幅に広い(さらに低倍率側では68°もある)
・焦点距離を20mmに設定すると見かけ視界が60°近くなり、視界の狭さが
 気にならなくなる
・24-20-16-12-8の刻印でズームリングがクリックストップするように
 なっているので、倍率を把握しやすい

という訳で、よほど広視界にこだわらない限り、3個から5個の
アイピースを1個に集約することが可能になります。

スタパの40cm望遠鏡に付けると167倍から500倍までをカバーしてくれます。
500倍以上の倍率が出せるコンディションの日というのは、年に数回もないので、
ほとんどの場合、高倍率側はこのアイピース一本で事足りてしまいます。

081120hyzoonsleeve

このアイピース、2インチのスリーブと31.7mmのスリーブを
選択して交換できるので、汎用性が高いところも良いです。
(写真は国際光器さんのサイトから拝借しています。)

性能面ではわざわざ2インチアイピースにする必要はないのでしょうが
どちらか使うことが多いサイズにあわせておけば、アダプターの
着脱が省けて便利です。

そんなわけで、従来7~8本のアイピースを常備していたのですが、
ほとんどの場合、XL40mm、SWAN33mmとこのハイペリオンズームの3本だけで
対応ができてしまうようになりました。

一家に1本ハイペリオンズームと思うのは、たぶん私だけでしょうね・・・
(確かななつがだけ北天文台のオーナーも言っていたような気がしますが・・)

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2008年11月17日 (月)

「だめ望」が楽しい

昨日の雨で八ヶ岳山頂は雪化粧です。
まだ根雪にはならないのでしょうが、この先だんだん本格的に白く
なって行くのでしょう。

081117yama

広葉樹の下は落ち葉の絨毯です。
自分の家なら掃除で気が重くなりそうですが、人ごとなのでなんか良い感じです。

081117otiba

さて、ここしばらく「買っちゃだめだよ望遠鏡」のお話がストップしていますが、
(って1年以上たつかな?)この記事を書こうと思うと、自分が人柱になるしか
ないわけで、結果、望遠鏡が増えすぎてしまいます。
いくらペンションでも望遠鏡の置き場に困り、さりとて買った望遠鏡を捨てる
のも忍びないし、買っちゃいけない望遠鏡を人にあげるわけにも行きません。

そんなわけで、「だめ望」がこれ以上増やせないでいるわけです。

もともと性能の悪い望遠鏡があると、無意識のうちに改造をしてしまう習性が
あるので、「だめ望」がそこそこ使える物になってしまったりします。

「だめ望」をいろいろ改造して行くことで、どんどん見え方が良くなって
行くのは楽しいものです。(私だけですか・・・?)

そんなわけで、ここのところ暇を見つけては(作っては)、「だめ望」の改造を
するのがストレス解消になっています。

081117damesuko

写真の望遠鏡は、いずれもヤフオクで500円で落札したものです。
(いずれも鏡筒のみです。送料の方が高かった)

とにかくどちらもそのままではまともに見えない状況でしたが、レンズの清掃、
筒内乱反射の軽減改造、光軸調整、ファインダー改造などをして何とか使える
状態までになりました。

とはいえ、短焦点の望遠鏡ですので高倍率には向きません。
低倍率のお遊び望遠鏡として活用できそうです。

このあたりの「だめ望」がありがたいのは、すごく軽いところで、望遠鏡の
ファインダーとして使っても架台などへの負担が小さくできるところです。
ひょっとするとスタパ天文台のファインダーとしてデビューするかもしれません。

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2008年11月 8日 (土)

「ラプトル50」改造

森の中を歩くと落ち葉が絨毯のように敷き詰められていて、何となくリッチな
気分になります・・・

081107aki2

さて、今日は「ラプトル50」の改造のお話。
といっても部品を1個作っただけですが・・・

「ラプトル50」は付属のアイピースや天頂ミラーで眼視観測を前提に作られています。
このため、少し重い高級なアイピースを使おうとすると、とたんにバランスが
悪くなって、気持ちの良い操作ができにくくなります。

まして写真撮影となると、かなり絶望的です。
鏡筒の先端に錘(おもり)をつけてバランスをとる方法もありますが、
全体の重量が大きくなると、今度は架台の弱さが足を引っ張るようになって
しまいます。

そこで作ったのがこの部品。
ホームセンターなどで簡単に手に入るコの字のアルミアングルに穴を開けて、
カメラ用のネジを切ったものです。

081107raptor2

アルミアングルは2×15×30×300mm(厚み2mm、高さ15mm、幅30mm、長さ300mm)
ですが、入手可能なら厚みは3mmのものがベターです。

ラプトルの鏡筒側の取り付けは66mm間隔でM5ネジが2本出ていますので、
33mm間隔(できるだけ正確に)で5.2mm径の穴を、とにかく端から開けて、
全部にカメラ用ネジ(=1/4インチ)のタップをたてます。
(ドリルとタップさえあれば非常に簡単な作業です。)

こうすると、どこの穴のペアでもラプトルの鏡筒を純正の取り付け用ネジで
取り付けることができるようになります。
上記の33mmピッチが正確でないとうまく行かないので注意です。

081107raptor4

この部品がラプトルにうまくつけばこっちのもの・・・

カメラ三脚に取り付けることもできますし、アリ溝プレートを付ければ
大型の赤道儀などに取り付けることも可能になります。

081107raptor5

バランスの調整幅がかなり広がりますので、コンパクトデジカメでしたら
写真撮影も可能になります。

あまり重いものですと、接眼筒(樹脂製)が保ちませんので、接眼筒そのものを
変えるしかないかもしれません。

081107raptor

でも、この簡単な部品が一つあるだけで、「ラプトル50」の可能性が大幅に
広がるような気がしています。

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2008年9月 3日 (水)

2インチアイピース -その2-

いやーー、ようやく夏休みが終わりました・・・・
(って、もう9月3日ですが・・・)

今年の夏休みは8月20日くらいまでは、結構楽勝ムードだった
のですが、それ以降の休みの入れ方を少し間違えたようで、終わりの方の
1週間はかなりきつかったです。(年のせいかもしれませんが・・・)

私以上におかみも疲れていたようで、8月中旬は頻繁にブログを
アップしていたのに、その後パタリというのを見てもお分かり
いただけると思います。

080901tronbo.jpg

スタパ周辺ではトンボの背中がどんどん赤くなって、
ススキも穂を出し始めていて、秋が始まりだしたのを感じます。


さて、少し間が開きましたが前回の続きです。

今日はスタパにある2インチアイピースの紹介をします。

080822_2inch.jpg

一番右から(メーカー,形式,焦点距離,見掛け視界)
テレビュー,プローゼル,55mm,50°
ペンタックス,XL,40mm,65°
ウイリアムオプティクス,SWAN,33mm,72°
バーダープラネタリウム,HYPERION ZOOM,8-24mm,50-68°

プローゼル55mmはとにかく最低倍率のために購入しましたが、
シュミカセとの相性が今一なのか、あまり出番がありません。
シュミカセに使用した場合、アイポイントが結構うるさく、
少しでもずれるとブラックアウトしたり、副鏡の陰が出たりします。

倍率が低すぎて、視野が明るく、かえって微光星が見えにくくなります。
コンパクトデジカメとの組み合わせで縮小光学系(一時マニアのあいだで
はやった)を作る時以外には、ほとんど出番がなくなりました。

XL40mmは型遅れの製品(現行品はXW)ですがスタパで
一番働いているアイピースです。
とにかくのぞきやすく、周辺までまずまずの像が得られます。
40cm望遠鏡に付けるとちょうど100倍の倍率が出せて、
月がスッポリ視野内におさまることや、瞳径が5mmになり星雲星団を
見るのにもちょうど良い倍率になります。

080903eyepice.jpg

SWAN33mmはスタークラウドの「星大好き店長」からお借りしいている
ものです。スタークラウドが扱っているウイリアムオプティクスの
アイピースはコストパフォーマンスのとても高い製品が多く、
中でもSWANタイプは個人的に一押しのシリーズです。

視野周辺まで(値段のわりには)良く見えて、視野の90%くらいまでは
充分シャープに見えます。
価格が15800円で見かけ視界が72°であることを考えると
かなり満足できる性能といえます。

XL40に比べると視野周辺で若干色収差が多いのと、倍率が高くなるので、
40cm望遠鏡で月を見るのにはあまり向きません。
でも、わりと大きく広がった星雲星団を見るのには、倍率が高いぶん
空の明るさが締まって(暗くなって)来るので、XL40よりも迫力のある
像を楽しめることに最近気付きました。

40cm望遠鏡での低倍率は今までXL40の独壇場だったのですが、
今後はSWAN33を状況に応じて使いたいと思っています。

最後はHYPERION ZOOMです。これ先日の「原村星まつり」の戦利品です。
スタパの友人である「ななつがだけ北天文台」のオーナーがホームページで
良い評価をしていたので前から欲しかったのですが、なにせ4万円近い
価格なので躊躇していました。
星まつり会場の国際光器さんのブースで少々難あり品を安く売っていたので
我慢できず購入したというわけです。

このアイピースについては後日詳しく紹介します。
(忙しいのと晴れないので充分使い込んでいませんので・・・)

もちろんスタパには31.7mmサイズのアイピースもたくさんなるのですが、
この55mmをのぞく3本があれば通常の観察会では、ほとんどの倍率を
カバーすることができます。

そんな訳で、31.7mmサイズを使用するためにアダプターを付けたり
外したりという煩わしさから解放されることになりますので、
スタパの観察会では当面この3本で行きますのでよろしくお願いします。

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2008年8月27日 (水)

2インチアイピース

夏休みもあとわずか・・・
子供たちは、そろそろ宿題の追い込みにかかっている頃でしょうか?

毎年そうなのですが、お盆休みが終わるとスタパ周辺では
急速に秋の気配が濃くなり始めます。

080822cosmos.jpg

スタパのコスモスも早咲きのグループは満開が近くなっています。

朝晩の気温もグンと低くなって長袖がないと、かなり寒い思いを
することになります。


さて、今日のお題は「2インチアイピース」

望遠鏡に詳しくない方のために簡単に説明しますと、
現状、望遠鏡のアイピース(接眼レンズのことです)には、3種類の
太さ(差し込み部分の径)があります。

はるか昔は24.5mm径の差込(ツアイスサイズ)と36mmのねじ込み式の
2タイプだったのですが、20年位前から31.7mm径のアメリカンサイズ
といわれるタイプが主流になりました。

さらに10年位前から2インチサイズ(50.8mm)といわれるタイプが
長焦点(おおむね30mm以上)のアイピースに採用されるようになりました。

なぜ、だんだん太い径のアイピースが作られるようになってきたかと
いいますと、低倍率で広い視界を得るためには太い径のものが
必要だからです。

同じ長さの筒であれば、太い筒の方が広い範囲を見ることができるのと
同じことです。

いつも書いているように望遠鏡というのは高倍率よりも、
低倍率のほうが楽しいことが多いのですが、そのことがだんだん
たくさんの人に知れ渡って、太いアイピースが市民権を得ることが
できるようになってきたのだと思います。

もちろん「大は小を兼ねる」で、50.8mmのアイピースが使える
望遠鏡にはアダプターを介して31.7mmも24.5mmのアイピースも
使えます。

そんな訳でマニア向けの望遠鏡は50.8mmのアイピースが使える
ものが主流になってきました。

逆に24.5mmしか使えない望遠鏡は、入門用やトイグレードの
ものが主流で、このサイズで良いアイピースを入手しようとしても
難しくなってしまいました。

080822_2inch.jpg

写真はスタパにある2インチアイピースのラインナップです。
大きさ比較のため左端だけ31.7mmのアイピースを置いてあります。

50.8サイズはみな大きくて、入門用望遠鏡に取り付けるのは
少し無理がありますね。
ある程度、使う望遠鏡を選ぶ必要がありますネ。

(続く)

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2008年6月12日 (木)

組立望遠鏡で月の写真

先日ご紹介した35倍組立天体望遠鏡ですが、
これ本当に良く見えます。
080610moon2.jpg
あんまり良く見えるものですから、調子にのって
何とか月の写真ぐらいは撮れるのではないかと思い
あれこれ組み合わせて撮影したのがこれです。

決してコンテストに投稿できるようなものでは
ありませんし、実際に眼でのぞいた見え味よりは
だいぶ劣るのですが、見る人が見れば口径4cmの
望遠鏡で、&2880円の望遠鏡でここまで撮れれば上等!
と思ってくださると思います。
080610kumibou2.jpg
ただ、この写真を撮るために、なかば反則ともいえる
力技を使っています。

デジカメを取り付けるために、ビクセンのデジカメ用
アダプター(旧型)を使い、しっかりした架台に
取り付けるために、アダプターにアリガタ金具を取付け

ポルタ用汎用アダプターを介して、ポルタ経緯台に
取り付けています。
080610kumibou.jpg
2880円の望遠鏡で写真を撮るために、その10倍近い
金額(カメラは別)の機材を使っているので、
反則という表現になったわけです。

まあ、元々写真を撮ることを目的に作られた
望遠鏡ではないので、できるだけ簡単に
手持ちの機材で撮ろうと思うと、
却って大げさなことになってしまう
ということだと思います。

もう少し簡単な組み合わせもあるとは思いますが、
良い子はあまりマネをしないほうが良いかもしれません。
次ぎはどうしたらラプトル50で良い写真が撮れるか
思案中・・・・ (やはり病気か・・・?)


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2008年6月 7日 (土)

35倍組立望遠鏡

080607kumi1.jpg
親サイトではすでにお知らせしているのですが、
35倍の組立望遠鏡の販売を開始しました。

従来からスタパで販売している15倍タイプの
上位バージョンです。

従来これと平行して紙筒タイプの「手作り望遠鏡」(7倍と
35倍)も販売していたのですが、この発売により
在庫限りで販売を終了します。

従来タイプは、ちょっとアンティークな感じがして
それはそれでよかったのですが、価格面や作りやすさ、
出来上がりの均一性(誰が作っても同じ性能)などの
面から考慮して切り替えることにしました。
080607kumi4.jpg
この35倍組立望遠鏡は外装箱や中身の形状は、
ほとんど従来の15倍タイプと同じで、(対物レンズの
口径(4cm)も焦点距離(273mm)も同じで)
「35倍」というのが強調されているくらいです。


大きく違うのは接眼レンズの部分で、15倍タイプが
3群3枚の樹脂レンズだったのに対し、3群5枚の
ガラスレンズになっている点です。
080607kumi3.jpg
複雑になっている分、難しそうですが、実際に
組立てて見たところ、組立やすさは
従来とほとんど変わりませんでした。

この接眼レンズ、焦点距離が7.8mmなのですが、
見かけ視界は15倍タイプより広く、プローゼルタイプの
接眼レンズと同じくらいで50度くらいあって、
プローゼルよりアイポイントが長く、ブラックアウトも
しにくい、たいへんのぞきやすいものです。

価格は2880円と15倍の1580円よりだいぶ高くなって
しまうのですが、単品で購入したら接眼レンズだけでも
このくらいの価格になりそうですし、
この価格で購入できる望遠鏡としては最高の見え味と
言って良いと思います。
080607kumi2.jpg
15倍タイプからの最大の改良点は対物レンズに
オーリングを取り付けるための冶具(じぐ)が
用意されていることだと思います。

ボール紙に対物レンズがスッポリ入る穴が開いている
だけなのですが、オーリングの取付け性が劇的に
簡単になりました。

従来15倍を組立てる時に、うまくオーリングが取付け
できずイライラするかたもいました。こちらとしても
「最大の難関です」と言って、なだめたり手伝ったり
していたので、ずいぶん楽になると思います。


さて、肝心の望遠鏡としての性能ですが、
謳い文句どおり、(かなり小さいですが)土星の輪が
確実に見えます。
月のクレーターも15倍タイプより、かなり迫力が増して
見えるような気がします。

正直なところ私のところにあるケン○ーのネオムーン
Ligthよりかなり良く見えます。
ちなみにネオムーンは口径5cm、倍率はなんと200倍も
出せるのですが、残念なことにどの倍率でも土星の輪を
はっきりと見ることができません。
月を見ても明らかに35倍組立望遠鏡のほうが
クッキリ見えます。

光学設計の基本的なところを真面目におさえた作りに
なっているのが、その理由だと思います。

35倍という倍率は慣れないと星を視野に導入すること
さえ難しい倍率で、小さいお子さん(小学校低学年)には
使うのが少し難しいレベルです。
このため誰にでもというわけにも行かないのですが、
とりあえず「月のクレータが見たい」というかたには
お奨めだと思っています。

初回ロットは2000台とのことで売り切れも
予想されます。
ご興味のあるかたはスタパにご来館の際に
ぜひご購入ください。



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2008年3月 3日 (月)

またまた買っちゃいました

080303mak802ここのところどうも悪い癖で、ネット上で安くて、
値段のわりにお買得な望遠鏡を見つけてしまうと、
ついポチっと購入ボタンを押してしまいます。

で、先日やっちゃったのがこれ・・・

ケンコーの「スカイウォーカー SW-MAK80」です。
一部では悪名の高いスカイウォーカーですが、
口径80mm、焦点距離1000mmのマクストフカセグレイン、
自動追尾仕様の電動経緯台、プローゼル式アイピース
2本(25mm、10mm)、天頂ミラー、ドット式ファインダーなど
一式で7350円でした。

ジャンク扱いの動作保証なしでした。
確かに電池ボックス内の部品が欠損していて、
そのままでは動かなかったのですが、電池と電池の
あいだにアルミ箔を丸めて入れたら、正常に動きました。
080303mak80 部品一つ一つを新品で購入することを考えると
かなりお買得でした。
バカみたいにでかい箱で送られてきたので、またもや
おかみの顰蹙(ひんしゅく)を買ってしまいました・・・

せっかくですから、簡単にインプレをしておきます。

結論から言いますと・・・・
初心者は「決して買ってはいけない望遠鏡」です。

光学性能は、正直なところ高倍率では口径50mmの
ラプトルのほうが良く見えます。
口径80mmの望遠鏡だと思うと頭に来てゴミ箱に
放り込みたくなります。

ただ、40倍くらいの低倍率ですと、色収差が
ほとんど無く(光学系の関係から少しありますが)、
わりとスッキリ見えます。また、このての光学系に
つきもののピント調整時のミラーシフトはほとんど
ありませんので、昼間のフィールドスコープとしては
充分楽しめそうです。

次に架台ですが、電池がないと全く動かすことの
できない架台です。
最大速でもかなりまどろっこしくて、慣れがあるのかも
しれませんが、目的の星を次々入れてゆくのは
イライラします。

自動追尾も(経緯台なのに)ちゃんと設定すれば、
してくれるのですが、自動導入ではないので、
次の星を入れるまで自分でボタンを押し続けて
調整をしなければならないので、相当の我慢強さが
要求されます。

080303mak80kai さらに、コントロールボタンの反応が鈍く(ギヤの
バックラッシュが大きい?)、視野内に捕えた星の
位置を調整しようとするとかなり苦労します。

自動追尾モードでなく電動経緯台モードで星を
追尾しようと思うと、これまたとてもイライラします。

以上、光学系もダメ、架台もダメと言うわけで、
初心者には不向きという結論になります。

残念!!(もちろん100%私の主観です)

080303mozu 手持ちの架台に載せて低倍率専用として使うと、
なかなか快適です。
バードウォッチング用にかなりいけます。
ちょっとピンボケしましたが、以外にあっさり
こんな写真が撮れてしまいます。
マニアのオモチャとしては楽しいかもしれません。

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2008年2月24日 (日)

ラプトル50がマイナーチェンジ

080225laptor1 以前このブログで数回にわたってご紹介した
スコープタウンの初心者向け望遠鏡「ラプトル50」が
マイナーチェンジ(以下MC)されました。

特に子供さんの入門用望遠鏡としてはベストな
選択であると結論付けさせていただいて、
応援していたのですが、当初一年分のつもりで
製作した在庫が、発売3ヶ月で全て売り切れて
しまったそうです。

080224laptor在庫を消化しつつ、MCの検討を進めるはずが、
あまりにも早く売切れてしまったため、しばらく欠品が
続いていましたが、潤沢に商品が揃ったようです。

今回のMCの最大のポイントは三脚が木製から
金属製に変わり、さらに三脚の開き止めが
追加されたことです。(写真右がMC品)

これにより、マニア諸氏より弱点と指摘されていた
三脚の大幅な剛性アップがはかられました。

080225laptor2 個人的には、ここまで強度アップしなくても
良かったのではないかと思うくらい、しっかりした
物になっています。
(その分、架台の弱さが際立ってしまうと言う
弊害もあります。)

それでも効果は絶大で、観測中に誤って
三脚に触れても、ほとんど星がブレません。
(従来品は2~3秒揺れていました。)

何より開き止めがしっかりしているので、
組立てたままの持ち運びにはとても便利で、
ちょっと移動する時なども、一々三脚の開きを
気にしなくて良いのはありがたいですし、
適当に扱っても転倒する心配がないのは、とても
安心感があって良いです。

少し残念なのは今回のMCで販売価格が約7千円から
8千円(正確には6980円→7980円)に千円も値上げ
されたことなのですが、

三脚以外にもちょっと見ただけで見え味や使い勝手に
関わる4~5箇所の改良点が見られ、
スコープタウンらしく値上げ分の仕事はキッチリ
やっているかなといった感じがします。

080225laptor3 もちろんメイドインJAPANの誇りはそのまま、
光学性能は以前と変わりません。

さてMCされたラプトル50ですが、現在スタパでも
宿泊のお客様に販売ができるように検討を進めています。

詳しくは近日中にご案内致しますのでお楽しみに。

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2007年12月22日 (土)

またまた望遠鏡買っちゃいました

「買っちゃダメだよ望遠鏡」などといって長々と
ブログを綴っていたのですが、私自身はついつい
ネットオークションなどで出物があると
買ってしまいます。

これだけ粗悪望遠鏡をたくさん見て、
怪しい品々を入手すると、怪しいものの中にも
ちゃんと見えるレベルの製品が結構あることが
段々わかってきました。

071222icarusおっ!この部品を使っているからには
製作元はあのOEM工場で、日本製だから
この望遠鏡は良く見えるはずだ・・・

と、言うわけです。

で、今回買ったのがこれ、
買ってからわかったのですが、ビクセンの
ニューイカロスD80-M(定価47500円)という商品でした。

ポルタシリーズが発売される以前の、
ビクセンの入門用安物モデルです。
安物モデルとはいえオール国産の製品ですので
実のところ出来はかなり良いです。

もちろん仕上げの部分や、部品の材質など
手を抜いている部分はたくさんあるのですが、
基本的な部分のレンズや部品の精度が
高くできています。
071222icarus2_2 少し手を入れれば充分使えるはずだと考えて
入手したわけです。

届いた時には、レンズや鏡筒の中に水が
たまっていたり、
ファインダーの接眼部が無かったり、
もちろんアイピースやレンズキャップも無い
という限りなくジャンクに近いものでした。

間違って良い子が手を出すと、取り返しの付かない
状況になりそうなものです。
やはりネットオークションで安いからと
怪しい商品に手を出すのは止めたほうが良いと
思います。
それでも、あれこれいじくりまわして
かなり良い状態になってきました。

架台が少し弱いことを除けば、ポルタA80Mfなみに
見えるところまでにはなっています。

この先この望遠鏡をどのように活用するか
思案中なのですが、それはまた別の機会に
ご紹介させて頂きます。

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2007年11月30日 (金)

買ってもOKな望遠鏡「RAPTOR50」 -その7(完)-

071130raptor さて、シリーズで解説してきた入門向け望遠鏡「ラプトル50」、
ずいぶん長く引張ってしまいましたし、間があいて、
機を逸した感がありますがそろそろまとめに入りたいと思います。
少し長くなりますがお許しを・・・

写真は「ラプトル50」のロゴを発売元のサイトからダウンロードして
印刷して張り付けたものです。(ちょっとカッコいいでしょ)

今回は本当に「ラプトル50」は買いなのかどうかについて
説明したいと思います。
ネットの掲示板などを見ていますと評価が2分されていて、
総じて実物を見たことも触ったこともないマニアの人からは
冷たい視線で見られ、実際に購入し子供たちに使わせている
人たちからは絶賛を受けているという傾向にあります。。

マニアの人たちの中には(決して全部ではありませんよ)
自分の頭の中の知識だけで理想像を組立て、
そこから少しでも外れたものは全く認めないというかたが
ときどきいます。

彼らの「ラプトル50」に対する評価は
・三脚、架台の剛性がなってなくて、使い物にならない
・光学式ファインダーがついていないのは不親切で、初心者に不向き
・微動装置がついていないのは不便
・アイピースが良くない
           etc・・・

おかしいのはこれらの評価が現物の「ラプトル50」に
一度も触れていないのになされていることが多いことです。
そしてさらに笑止なのがこれらの評価が実はそのまま
「ラプトル50」のメリットになっていると言うことです。

つまり、

・三脚、架台の剛性不足
071130kadai 「ラプトル50」が非常に軽いと言うことで、小学校低学年の子供でも
大人の手を借りず手軽に使えるものであることの裏返しです。
望遠鏡はとにかく頑丈に重く作れば良いと考えている
元鋳物メーカーの信奉者には理解しがたいことかも知れませんが、
初心者や子供は重い望遠鏡に手を出しません。
「ラプトル50」自身それほど高倍率を狙っていませんので
我慢できないほどの剛性不足ではないと断言できます。
もちろん改良の余地はあると思いますが・・・

・光学式ファインダー
071130minisco_2 以前に連載した「買っちゃダメだよ」な望遠鏡には
なぜか光学式ファインダーが付いていました。
でも、みんなシングルレンズの視界の狭い、組立てるたびに
再現性がなく調整が必要で、調整もまともに出来ず、
あわせてもすぐに狂う、暗い星もぜんぜん見えない、
というものがほとんどでした。
これらに較べると「ラプトル50」の照準のほうが狂いがなく
調整が不要で、直感的に使えます。

また、最近流行のレッドドットファインダーと較べても、
出来の悪いドットファインダーよりもはるかに暗い星まで
導入できて快適です。
また、子供や初心者はドットファインダーのドットを
見つけることができず苦労する人もいるので、
これも「ラプトル50」の勝です。
まともに見える光学式ファインダーとなると
口径3cmくらいが必要になりますが、新品で買った
ら「ラプトル50」が買えちゃう値段かもしれませんしね・・・

・微動装置がない
通常微動装置の付いた望遠鏡の操作というのは、

クランプ(止めネジ)を緩める→
粗動でだいたいの位置に合わせる→
クランプを締める→
微動で調整する、
という一連の操作が必要になります。

子供や初心者にはこのクランプの操作が非常に煩わしいようで、
直感的に使うことが出来ないことが多いです。

071130polta ビクセンのポルタ型経緯台のようにフリーストップ+微動という
クランプレスの使い方の出来る機種は非常に稀な存在で、
その意味でポルタはかなり優れた機種だと思いますが、
小学生が1人で使うには少し大きすぎますし、
架台部分と三脚だけで「ラプトル50」が2台買える値段ですので
ちょっと考えものです。

昔からあるタイプの微動付きの経緯台というのは
微動を動かすたびにブルブル揺れて振動が収まるまで
結構時間が掛かっていたと思いますので、初心者にはそれほど
親切なものではないような気がします。

・アイピースが悪い
「ラプトル50」の価格というのは、メーカー製のアイピース1本分の
値段でしかありません。(それ以下かもしれません)
それでも3本のアイピースが付属する「ラプトル50」に
もんくを付けること自体間違いだと思います。
マニアが使う1本何万円もするようなアイピースと較べて
良く見るとか、見えないとか議論することは
無意味とはいいませんが、かなりピントのずれた議論だと言えます。
071130eyepice 写真のアイピース、右が「ラプトル50」1台分くらい、
左が6台分!くらいの価格です。

初心者にアイピースを交換することにより
倍率を変えることを知ってもらう、
倍率を変えていろいろ見比べて楽しむことを知ってもらうのが
第一の目的でしょうから、価格のわりには充分な性能の
アイピースが付属するといって良いと思います。

いっぽう絶賛派の話は・・・
全くの初心者である小学3年生のお子さんが、
すぐに使い方を覚え、明け方に1人で「ラプトル50」を
引っ張り出して土星を見つけて大感動、
家族をたたき起こして一家の英雄になったとか・・・・

また、天体観測会で小学生の子供に「ラプトル50」の
使い方を教えたら、その子が別の子に教え、
また別の子にといった具合に「ラプトル50」の人気が高まってゆき、
しまいには主催者側が用意した大型の望遠鏡よりも
たくさんの人だかりが「ラプトル50」に出来てしまった
(自分で簡単に望遠鏡が操作できるのが人気らしい)
という話もあります。

いずれも実際に初心者の子供に使わせて生まれた話です。
マニアがケチをつけている部分がいかにピント外れかが
解かります。

「ラプトル50」は巷に蔓延する「買っちゃダメな望遠鏡」と戦うために
生まれたと発売元の大沼さんは言っています。
マニアに気に入ってもらうための製品でないのがマニアから
ケチの付く一番の原因かも知れません。

さて、そろそろ結論です。
初心者向けの望遠鏡としての選択肢は
もちろんたくさんあると思います。

071130apo 初めから高価でも一生モンの買い替えの必要のない製品を
選ぶのもひとつの選択肢です。
(一声10~20万円のクラス、
例えばアポクロマートの8cm屈折+赤道儀など)

そこまで行かなくても、とりあえずしばらくは遊べて
、持っていて人に少しは自慢できる性能のもの
(5万円クラス、例えばアクロマートの8cm屈折+ポルタなど)
も「あり!」な選択肢です。

でも、いつまで興味の続くか解からない子供に、
とにかく安く、でも月のクレータも土星の輪も
しっかり見えるものを与えたいと考えるなら
迷わず「ラプトル50」(6980円)だと思います。

最後に、マニアの皆さんへのお願いです。
粗悪望遠鏡が蔓延するのを対岸の火事と思わないで下さい。
世の中で売っている望遠鏡の9割にもおよぶ「買っちゃダメな望遠鏡」を
皆さんの隣人が買わないよう、目を光らせてください。
声を大にして粗悪望遠鏡が蔓延していることを宣伝してください。
そして、皆さんの周りの初心者がしっかりした性能の望遠鏡を
購入できるよう優しくアドバイスしてあげてください。

「これなんかどう?」といえるように、
手元に一台「ラプトル50」を置いておくのがベターと思います。
「ラプトル50」で月を見るとかなりシビレます。
それだけでも6980円は高くないと思うのですが・・・

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2007年10月20日 (土)

買ってもOKな望遠鏡「RAPTOR50」 -その6-

少し間があいてしまいましたが、今回もラプトル50のインプレの続きです。今日はアクセサリー編です。

本題に入る前に少し倍率についての話をします。
望遠鏡の最大倍率というのは理論上、対物レンズの口径で決まります。
通常は口径のミリ数が最大倍率になります。(口径50mmなら50倍) これ以上に倍率を上げても新しく細かいものは見えてこないということになっています。ただ、この倍率ですと〔望遠鏡の分解能ギリギリのところ〕=〔眼の分解能ギリギリのところ〕なのでギリギリが少しみえづらいのが実情です。そこで通常は口径ミリ数の2倍(口径50mmなら100倍)というのが常識的な最大倍率ということになっています。
これ以上倍率を上げても暗くなるばかりで新しいものは何も見えませんよ、これ以上は像がボケるだけですよ、というわけです。
非常に良く出来た対物レンズですと口径ミリ数の3倍でもそれほど像は乱れないといわれていますが、視野そのものはかなり暗いものになってしまいます。
まただいたいの場合、望遠鏡の架台も口径ミリ数の2倍程度の倍率に堪えられるレベルの強度しか持っていないことが多いようです。

そんなわけで世の中に蔓延している倍率だけを売り物にした望遠鏡が如何にナンセンスなものかお判かりいただけるのではないかと思います。
ただ、とても面白いのは、少しでも望遠鏡に詳しい人たちは皆さん口をそろえて初心者のかたに上のような倍率の話をして、過剰倍率の意味のなさを一生懸命に説明します・・・
でもね・・・、なぜ皆さん口をそろえて過剰倍率はダメだというのでしょう・・・
実はほとんど(たぶん全部)の人が自分が使う望遠鏡で過剰倍率を試しているからダメなことを知っているのだと思うのですヨ。
自分の望遠鏡がどのくらいの倍率まで出せるのか、つい試したくなるのが人情ってモンです。そういう経験をしたうえで過剰倍率が無意味であることがわかってくるので、皆同じようなことを言うわけです。

初心者に初めから過剰倍率の望遠鏡を与えるのは良くないとは思うのですが、倍率至上主義の幻想を打ち砕くには過剰倍率を体験させるのが一番手っ取り早いという気もします。おたふく風邪か水疱瘡(ミズボウソウ)みたいに一度はかからなければならない病気なら、早いうちに体験させてあげたほうが良いようにも思います。こんなことを書くと「粗悪望遠鏡の過剰倍率を奨励するのか!」と叱られそうですが、もちろんちゃんとした望遠鏡にちゃんとしたアイピースなり高級なバローレンズなりを組み合わせての話というのが前提ですので誤解されませんよう・・・

さて、ずいぶん前置きが長くなりました。ここからが今日の本題、ラプトル50の付属品(アイピース、天頂プリズム)についてのインプレです。なぜこんなに前置きが長かったかと言いますと、今日はラプトル50の倍率の話になるからです。
070923fuzoku 以前にも書きましたように、ラプトル50のアクセサリーは3個のアイピース(接眼レンズ)、天頂ミラー、取扱説明書(A4サイズ1枚白黒両面刷り)が付属します。
アイピースはK(ケルナー)20mm、F(両凸ハイゲン)12.5mm、F8mmで、3個のアイピースを使い分けることにより30倍、48倍、75倍の倍率を出せるようになっています。
前置きの話からすると、すごく優等生的な倍率の設定です。優等生過ぎて少しもの足りないと感じるのは私だけではないと思うのですが・・・・
アイピースの選定にあたって発売元は相当悩んだのではないかと思います。コスト、性能、使いやすさ、商品としてのインパクト・・・
様々な検討の結果、現状の組み合わせに落ち着いているのかな?と想像できます。わずか6980円の望遠鏡にアイピースが3個も付いているということ自体たいへんなことだと思います。見る対象や空のコンディションに合わせて倍率を切り替えて見る練習をするという意味で3個のアイピースが付いているということはとても深い意味があると思います。
コスト面では相当厳しいと思うのに(ほとんどおまけ考えても考えて良いくらいなのに)、そのうち低倍率用の1個はケルナー式というワングレード上のアイピースが付いているのは驚きです。望遠鏡の醍醐味は低倍率にあることを熟知している開発者の意気込みが感じられます。
このケルナー、樹脂の筐体(きょうたい)で内面反射の防止処理などそれほどしっかりしていないのですが、ラプトル50自身の出来の良さに助けられ、すごく良く見えます。満月を見ても視野内はすっきりとして切れの良い像を結んでくれます。
ちょっと惜しいのは(F12.5mmはまずまずの見え味なのですが)F8mmで、75倍にすると月を見た時に少し色収差が気になります。我慢できないほどではないのですが・・・
手持ちのオルソ式のアイピースを使うと、同じくらいの倍率でも明らかに色収差が軽減されすっきり見えますので、高倍率用にはもう少し高級なアイピースがほしいところです。
ちょっと話がそれるのですが、今回ラプトル50でいろいろな天体を見ているときに、久々に旧式のミッテンゼーハイゲン(MH)のアイピースを使ってみました。ラプトル50との相性は抜群で、MH12.5mmは手持ちの○カハシMCオルソ12.5mmよりすっきりと見えた気がしました。ラプトルの発売元「スコープタウン」のパーツショップではMHのアイピースも安く販売していますので、次のステップとして購入を検討すると良いと思います。

さて、このラプトル50、高倍率にはどのくらい耐えられるのでしょうか?
結果としては、オルソなどを使えば純正のままでも100倍くらいまでは何とか使えます。(天体の追尾には多少慣れが必要ですし、風の強い日にはダメですが・・・)
150倍も出して出せないことはないのですが、ブレが大きく詳しく性能のチェックが出来ないのと、天体の追尾がかなり難しくなってあまり長時間使いたくないという感じになります。純正の架台のままでは100倍くらいが限度かなと思いますので、初心者向けとして純正の75倍というのはとても妥当な選択なのだと思います。
高倍率性能については、後日しっかりした架台に載せて再度確認したいと思っています。
最後に付属の天頂ミラー。
「買っちゃダメだよ」シリーズに付属していた天頂ミラーの中には本当にひどいものがありましたので、一応確認しました。
ラプトル50のものは樹脂筐体の華奢な作りのものですが、100倍くらいの倍率でも像の乱れは感じませんでした。手持ちの天頂プリズムと較べても遜色はありませんでしたので、安心して使って良いと思います。

以上、付属のアイピースや天頂ミラーについてまとめますと、文句を言い出せば切りがないのですが、限られたコスト中で良くここまでまとめたなぁ~ というのが感想です。
入門用としてツボを良くおさえたチョイスと思います。少しもの足りなく感じてきたら、追加でアクセサリーを買い足して行くというのがこの業界の常識です。次にどんなアクセサリーを買おうかと悩むのも、この趣味の楽しいところでもあると思いますので、初めから全てを満たした構成になっていないと言うのもナイスだと思います。

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2007年10月 2日 (火)

買ってもOKな望遠鏡「RAPTOR50」 -その5-

ラプトル50のインプレの続きです。今日は架台とファインダー編です。

07100raptor1 ラプトル50の組立てた状態での総重量わずか1.5kgです。1.5kgの望遠鏡というのは、大きくて、長くて、重いのに慣れた者にとっては恐ろしく快適です。先日「ギックリ腰」をやってしまった私にとっても何の心配も無く持ち運ぶことのできるものです。
小学校の低学年のお子さん1人でも容易に持ち運ぶことが出来ます。
その分、風の影響やピント調整時や位置調整時に触った時のブレなどが小さいとはいえませんが、わりと短時間でブレはおさまります。

上下、水平のクランプを適度に締め、軽く動いてピタリと止まるよう調整して使うフリーストップ式の架台は、たいへん使い良いものに仕上がっています。
動き出しもスムーズだし、キックバック(止めたところから跳ね返る)のような動きも小さく抑えられています。安物のカメラ三脚には動き出しが硬くて、動き出すとスッと動いてしまう「キシキシ」した感じのものがあるのですが、この架台は見たいところにスーッと向けることが可能ですし、付属アイピースの最大倍率(=75倍)くらいまでの倍率では星の動きに合わせて少しずつ追従させる作業もそれほど難しくありません。
「スコープタウン」では謙遜して簡易経緯台という表現をしていますが、これを簡易型というなら世の中の微動のついていない経緯台はすべて簡易型になるのかしら?と思ってしまいます。

欲を言うと切りがないのですが、ラプトル50の場合、鏡筒の光学性能が飛びぬけて良く、つい100倍以上の倍率が出したくなります。
回転軸以外オール樹脂の架台ですので良く出来ているとは言っても、100倍を超えると架台のキックバックやブレの影響が急速に気になってきて、天体を追尾したり、じっくり見たりするのが難しくなってしまいます。
150倍では視野角の半分くらいのキックバックがありますので天体の動きを追尾するだけでも(コツをつかまないと)すぐに見失ってしまいます。
三脚、架台などの全体的な強度不足で100倍以上ではそよ風でもブレが出てしまいます。
もちろん過剰倍率で商品としての想定外の問題ですので、良い子はまねをしてはいけないのですが、光学性能が良過ぎるための贅沢な弊害といえます。
ちょっとたとえが悪いのですが、軽自動車にスポーツカーのエンジンを載せてしまったようなもので、エンジンの性能に足回りやボディ剛性がついて行かないといった感じがします。
でもそのぶんマニアックな人間から見ると、いじりがいがあって楽しめるともいえます。実は私もどういう改造をしようかワクワクしています。ただ、入門向け望遠鏡の良い例ということで純正のままの形を残さなければいけないので、チューンナップようにもう一台買おうかしらなどと考えています・・・・

07100raptor2 架台周りで不満な点はアクセサリーを置くトレイが無いことです。
通常、望遠鏡の三脚は開き止めと補強の意味から三脚の中間に三角板と呼ばれるアクセサリートレイを持っているものが多いのですが、ラプトルの場合デザイン上の配慮かコスト削減のためかは不明ですがこの三角板が省略されています。
油断をすると三脚の開きが充分でなく、不安定になっていたりすることもあるので注意が必要ですが、それよりも使っていないアイピースや天頂ミラーやレンズキャップを手に持ったり、ポケットに入れたりしないといけないというのはどうも気に入りません。
ポケットの中に入れるとアイピースなどが埃だらけになりそうな気がして嫌ですし、ずっと手に持っていなければならないというのも疲れます。
私の場合、100円ショップの樹脂ケースを紐でぶら下げてアクセサリートレイとして使うことにしました。これですと使わないアクセサリーはフタをして埃も防げます。

07100raptor3 星の導入にはこの望遠鏡の特徴でもある天体導入用の簡易式照準を使います。
ちょっと慣れが必要ですが、慣れてしまえば30倍でも一発で視野に導入することが可能です。
先日も紹介しましたが、望遠鏡初心者のスタパおかみでさえすぐに月や火星を導入することができるようになりましたのでそれほど難しいものでないことはお判りと思います。
コツは手前側の照準の穴にできるだけ眼を近づけることです。この状態で筒先側の照準の穴に対象の天体を入れれば、ほぼ間違いなく30倍の視野に天体を捉えることが出来ます。
どこかのメーカーの1等星もろくに見えないスポットファインダーより遥かにましですし、粗悪望遠鏡についている調整の難しいファインダーよりずっと直感的で使いやすいです。
何より調整が不要なのは初心者には特にありがたいのではないでしょうか?
望遠鏡を組立てるごとに、ファインダーの調整しなおしが必要であったり、簡単にファインダーがずれてしまうようなものだったりすると、ファインダーそのものをうまく使いこなせずに、天体の導入がすごく難しく感じたり、億劫になったりします。
多くの初心者がファインダーをうまく使いこなせないために、(天体の導入がうまく出来ないために)望遠鏡そのものを使いこなせずに押入れ行きになっていることを考えると、非常に賢い機能なのではないかと思います。
拍子抜けするほど簡単な装置(装置といって良いのか?)で、格好が良いとは言いにくいのですが、フィールドスコープなどはデザイン的な処理で格好良く作っている例もありますので、他の高価な望遠鏡も見習うべきだと思います。
何万円もする鏡筒なのに「ファインダーはオプションです。はいッ!あとプラス1万円ね!」って、「高いんだからとりあえずオプションなしで使えるようにしてよ~」と思うのは私だけなのでしょうか?
それにファインダーの調整にしたって対象を先に主鏡の中心に持ってこなければ調整できないのですが、ファインダーが大きくずれている場合には初めに対象を導入するのも意外に苦労することが多いです。鏡筒側にラフな照準があればこの苦労はなくなると思うのですが・・・

話がそれてしまいました・・・
今日のところはこれまで!

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2007年9月28日 (金)

買ってもOKな望遠鏡「RAPTOR50」 -その4-

今回も「スターライト・コーポレーション」の新商品「RAPTOR50」(ラプトル50)のインプレの続きです。
今回はいよいよ実際に使用してみた感想をメインに紹介したいと思います。

まずは一番気になる光学性能から。
主鏡のレンズは以前も紹介したように、精密なアポクロマートレンズを製作する国内の工場で作られていて、鏡筒に組立込んだあと全数検査されているので、口径50mmの望遠鏡としては最高のレベルが約束されたようなものです。
070927raptor2_2  しかも見え味に大きく影響する鏡筒内の内面反射(迷光)を高いレベルで防止するように作られているので、満月などの明るい天体や、昼間の景色を見てもコントラストが高く、視野内が寝ぼけた感じになることはありません。
写真は昼間明るい方に向けて、相当な露出オーバーで撮影した鏡筒内の写真です。接眼筒の部分がやや光っているように見えます。このクラスの接眼筒の細さから来る避けにくい現象なのですが、充分な内面処理がなされているので実害は無いレベルです。

070927raptor スタパには私が子供の頃(38年前!)に買ったはじめての本格的望遠鏡、「アストロ光学製」口径50mm、焦点距離750mmの望遠鏡(鏡筒のみ)があります。(写真奥がアストロ、手前がラプトル)
この望遠鏡は世間での評判でも「名機」と謳われ、本当に良く見える望遠鏡なので手放すことなく来ました。
レンズが少し曇っていたり、かびていたりもしますが、それでも短焦点の80mmアクロマート(F5)よりもずっと良く見える(分解能が高い)ので、自慢の種でもあったわけです。

そんな訳でラプトル50がきてまず初めに比較したのがこの望遠鏡だったわけです。
でもそんな私のプライドは覗き較べた瞬間に崩れ去りました・・・
ナント!、ラプトル50のほうが明らかに良く見えるのです。ラプトル50のほうが視野内のコントラストが高く、「カリッ!」とした感じに見えます。
070927astor_2 歴戦の名機があっさり破れるとは・・・・。これにはかなり凹みましたね。
原因は鏡筒内(特に接眼筒)の内面処理の違いのように思うのですが、それだけではないかもしれません。いずれアストロ機の筒内を改造してリベンジさせたいと思います。
38年前の4万円の望遠鏡が今の7千円の望遠鏡に負けるとはちょっとショックですね。

さて、実際にいくつか天体を見てみましたのでその感想を記します。
:とにかく本当に良く見えます。満月近い月を見ても視野内がそれほど明るくならず、欠け際にカリッとビシッとクレーターが並びます。オルソなどの高級(?)アイピースを使うと100倍くらいでも色収差はほとんど気になりません。
木星:5cmでこんなに良く見えるんだ~ぁ! という感じで、縞が2本、ビシッとはっきり濃く見えます。南北の極域の暗部も、赤道帯が何となくモヤモヤしているのもわかりますので、けっこうたくさん見えている気がします。もちろん4個のガリレオ衛星もバッチリです。
アルビレオ:白鳥座のくちばしにあたる3等星の二重星で色の対比が特別美しいことで有名な星です。ラプトル50で見ると少し光量不足な感じですが、もちろん分離しますし、注意深く見れば色の対比も充分わかります。
こと座イプシロン:ベガの近くにある2重連星。2組の連星が並んでいます。どちらも50mmレンズの分解能の限界の離角で、わりと明るいため分離できなくて当然の対象です。当日のシーイングがあまり良くなかったのですが、150倍(オルソ4mm使用)で見て分離できませんでした。でも、両星とも点像でなく伸びて見えたことは確かです。また、条件の良い時に再挑戦してみたいと思います。

以上良いことばかりを書いてきたのですが、マイナスポイントは無いのかというともちろん無いわけではありません。この価格であんまり文句を言っては申し訳ない気もするのですが、「スターライト・コーポレーション」の大沼さんからは単なる「ちょうちん持ち記事」はやめて、と言われています。(なんて太っ腹な人でしょう!)
そんな訳で次回はラプトル50のマイナス部部にも厳しく迫ったみたいと思います。

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2007年9月26日 (水)

買ってもOKな望遠鏡「RAPTOR50」 -その3-

070926meigetu 昨日は久々の休日、皮肉にも朝からずっと良い天気で、しかも中秋の名月。
煌々と輝く月光に誘われて「スターライト・コーポレーション」の新商品「RAPTOR50」(ラプトル50)でお月見をしました。
満月に近い明るい月というのは粗悪な望遠鏡を見分けるのに、なかなか良い対象なのです。色収差の強弱、鏡筒内面仕上げの良し悪し、中心像と周辺像の違いなど望遠鏡の基本的な出来、不出来が簡単に分かるからです。
で、ラプトル50がどうかというと、基本的な光学性能については文句のつけどころがない状態です。あえて言うと高倍率用のアイピース(F8mm)がちょっと今一かな・・・と言ったところです。これについては後日詳しく解説したいと思います。

おかしかったのは望遠鏡音痴のおかみが「これなら私にも使えそうね」といって、自分で月を導入したり火星を導入して「月は30倍が一番良く見える」とか、「火星は小さッ!」とか言っていたことでした。
普段(ごくたまに)、私が導入した天体をのぞくばかりで、自分で天体を入れて見ようなどと考えたことがなさそうな彼女が、ラプトルのあまりのシンプルさに惹かれて使い始めたと言うわけです。
やれクランプだ、微動だ、赤道儀だなどというと、それだけで思考停止状態になるようなので、直感的に使うことの出来るラプトルがとにかく新鮮だったようです。

そういえばこの連休(22~24日)は小学生の子供たちがラプトルで良く遊んでいました。
スタパのダイニングに並んだ望遠鏡の中で一番親しみがもてたのかも知れません。
入門用の望遠鏡としてとても親しみやすい雰囲気も兼備えているのかも知れません。
鏡筒に例のラプトルマークのシールでも貼ってあったら最高かも知れませんね。

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2007年9月23日 (日)

買ってもOKな望遠鏡「RAPTOR50」 -その2-

今回は「スターライト・コーポレーション」の新商品「RAPTOR50」(ラプトル50)のインプレです。
前回は一言で「この価格でここまでの性能が有るとは思えなかった」という感想を書いたのですが、何回かに分けて細かくご紹介したいと思います。
ところで「RAPTOR(ラプトル)」というネーミングですが、恐竜の「ブラキラプトル」から来ているようです。体長2m程度とわりと小柄な恐竜ですが群れを作って集団で狩をして大きな恐竜も倒したと推測されています。映画「ジュラシックパーク」では悪役で登場するのでイメージが良くないですが、裏を返せば、もの凄く頭がよくてチームプレイができるということで人間にとって脅威になるわけで、そこまで考えると何となくこのネーミングの意味が見えてきます。
いずれ同社の社長、大沼さんのブログで語られることでしょう。

さて、今回はラプトル50の全体像を紹介したいと思います。

070923hako 外装箱は90×15×10cm、約2kgの卓上型でない望遠鏡としてはビックリするほど小さくて軽いものです。
箱の中は大まかに鏡筒、三脚、アクセサリーと架台の入った箱の3つに分かれています。
組立はいたって簡単、架台に三脚を一本ずつ長ボルトと蝶ナットで留めます。ただこのとき三脚の開き止めの向きがあって、間違えると脚が開けなくなります。木部を止めるビスが内側に来るように組立てます。
070923asi また、組立はできるだけ明るいところで脚を倒した状態で仮組までするのが良いです。立てたままでやろうとすると、脚と架台の穴にボルトを貫通させるのが難しいのと、ボルト1本につき2枚のワッシャがついているのですが、ポトリと落として無くしやすいです。特に夜になって屋外で組立てようとすると苦労しそうです。
組みあがった三脚・架台に鏡筒を鏡筒についている2個の専用ナットで取り付けて出来上がりです。
070923torituke慣れれば2~3分でできそうな作業ですが、見たい時にさっと見られるよう組立てた状態で脚を閉じてどこかに(絶対倒れないようにして)立てかけておくのがよいと思います。
組立てた状態でも1.5kg弱と小学校低学年のお子さんでも楽々持ち運べるものだと思います。

070923renzu 主鏡(対物レンズ)は口径50mm、焦点距離600mmの分離式アクロマートで、第4面のみマゼンタコートが施されています。口径比F12とアクロマート式としてはわりと無理のない(性能の出しやすい)設定ですし、超高級なアポクロマートレンズを製作する工場の製品で、光学性能や光軸の全数チェックを実施しているそうです。
鏡筒内に2箇所、ドロチューブ内に1箇所の遮光絞を配置し、鏡筒内の黒色塗装は2度吹きするという、このクラスとしては信じられないほど徹底した迷光防止処理を施すことにより、抜けの良い像が得られるよう配慮しているそうです。
070923syoujun 鏡筒の長さは約590mm(最短寸法、フード込み)、重量は約470gととにかく軽いのが魅力です。ここまで軽いと何かいろいろといたずらがしたくなります。
鏡筒側面にはこの望遠鏡の特徴でもある天体導入用の簡易式照準が2箇所についています。

架台は微動装置なしのフリーストップ式。長さ約85cmの三脚の上に載ります。上下、水平のクランプを適度に締め、軽く動いてピタリと止まるよう調整して使います。

070923fuzoku_2 アクセサリーは3個のアイピース(接眼レンズ)、天頂ミラー、取扱説明書(A4サイズ1枚白黒両面刷り)が付属します。
アイピースはK(ケルナー)20mm、F(両凸ハイゲン)12.5mm、F8mmで、3個のアイピースを使い分けることにより30倍、48倍、75倍の倍率を出せるようになっています。
ちょっと詳しいかたですとこのクラスのこの価格の望遠鏡に「ケルナー」がつくのかぁ、と驚かれるかも知れません。「ケルナー」というのは3枚のレンズを使用したアイピースで、昔は2枚しか使用していない「ハイゲン」や「ラムスデン」とは一線を画す高級アイピースだったからです。
このブログの「買っちゃダメだよ」シリーズで入手した望遠鏡には2枚玉以上のアイピースが付属していたのは1台もありませんでした。
望遠鏡というと、高倍率が偉いと思われるかたが圧倒的に多いのですが、一度に広い範囲を見ることのできる低倍率の方がずっと楽しく観察ができるものなのです。低倍率でハイゲンよりもクリアな広視界が得られるケルナーを、コストアップを承知でチョイスしてるというのは、このことだけを見てもこの望遠鏡がいかに良心的に企画されているかがわかります。

取扱説明書は簡単ですが分かりやすく書かれています。でもさすがにA4サイズ1枚の両面印刷ですので情報量には限りがあります。
星座も解からない、望遠鏡でどんなものを見たら良いかも解からないかたは、500円高くなりますが「星座早見盤、こども図鑑「月の観察」」付のセットか同ショップで扱っている「星空ガイドブック」(390円)を合わせて購入されると良いと思います。

以上、できるだけ客観的にラプトル50の紹介をしました。次回は実際に使ってみた性能に迫ってみたいと思います。

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2007年9月18日 (火)

買ってもOKな望遠鏡「RAPTOR50」 -その1-

9月も1回目の3連休が終わりちょっとひと息・・・
おかげで腰のほうも順調に快方に向かっているようで、仕事や日常生活ではほとんど支障がないようになりました。たくさんの方にご心配をお掛けしたようですがもう大丈夫です。ありがとうございました。

さて、夏休み前に世の中で売られている望遠鏡のほとんどが粗悪品で、初心者のかたが不用意に手を出さない方が良いという「注意喚起」を目的として「買っちゃダメだよ、望遠鏡」シリーズを連載しました。
予想以上の反響でたくさんの方がこのブログサイトに訪問してくださいました。
ただ、今読み返してみると悪い望遠鏡を「あそこが悪い、ここが悪い」と紹介するばかりで、それではどんな望遠鏡を買えば良いのかという疑問にほとんど答えていない(一部日本製が良いとは言っていますが)ということに気付きました。
でも、自信を持って初心者にお奨めできる望遠鏡が極端に少ないことも事実なのと、人によって価値観や考え方、予算が全く異なっているので、一概に「これ!」と言いづらい面があるわけです。
以前にかなり自信を持って「初心者はポルタを買え!」シリーズでビクセンの「POLTA A80Mf」を紹介しました。確かにポルタの8cmアクロマートは今でも一押しなのですが、望遠鏡ごときで実売4万円前後のものを「はい、そうですか」と気軽に買う人もそれほど多くない気がします。相当興味が膨らんであれこれ勉強しているかたやセレブなかたは別ですが・・・
興味が続くかどうかわからない子供に買い与えるとか、子供がお年玉や貯めたおこづかいを握りしめて買いに行くのにはちょっと高すぎるような気がします。
ですが、台数的には最もボリュームゾーンと思われる実売数千円から1万円前後の価格帯には、絶望的と思えるほど粗悪品がひしめいていて、たとえ良品があったとしても見つけるのは難しいです。
何を隠そう私自身、40年前に神田の三省堂で最初に買った4千円望遠鏡は紛れも無い粗悪品で、月のクレーターさえまともに見えないものでした。

どうもこの業界は昔から体質が変わっていないようです。粗悪品の存在をまるで奨励するかのように啓蒙活動を疎かにして、粗悪品を買うのは「知識の無いあなたが悪い」という、消費者への自己責任押し付けを押し通しています。
そろそろ業界全体で襟を正して粗悪品の締め出し撲滅運動に真面目に取組まないと消費者にソッポを向かれると思います。「望遠鏡というのは見えないものだ。」「よほど高くないと使い物にならない」ということにならないでしょうか?
国内の公開プラネタリウムの年間動員数がJリーグの動員数を上回っているようです。
この夏の望遠鏡の販売台数は、過去最高の2003年(火星の超大接近の年)に迫る勢いのだそうで、大きなイベントもないのに首をかしげる関係者も多いと聞きます。
天文や星空への興味は以前よりずっと熟してきていると考えて良いのではと思うのですが、現状の体質のままではたくさんの人の興味を薄れさせ、実が熟しかけた木を根本から切り倒すようなことにならないでしょうか・・・

おっと!、ペンションのオヤジ風情(ふぜい)が偉そうなことを言ってしまいました。(反省)

070918raptor 仕事がら初心者や子供さんに気軽に買っていただける望遠鏡はないかと、以前から探していたのですが、ようやく自信を持ってお奨めできる「超入門用」望遠鏡が見つかりました。
以前にもご紹介した、初心者向け望遠鏡のネットショップとしては最も信頼できる「スターライト・コーポレーション」から満を持して発売された「RAPTOR50」(写真)です。

この望遠鏡、口径50mm、焦点距離600mm、倍率:30倍、48倍、75倍、微動なしの簡易経緯台で価格は6980円と、かなり控えめな価格とスペックです。でも実はそこらの粗悪望遠鏡がはだしで逃げ出すほどの性能を秘めたものです。
発売から2週間もたっていませんが、スタパでも早々に入手し評価すべく購入手配をしたのですが、よほど自信が有るのでしょう、スターライト・コーポレーションの大沼社長が直々にスタパに持ってきてくれました。

正直なところ「この価格でここまでの性能が有るとは思えなかった」というのが一言でまとめた感想です。
追っかけ詳しいインプレをアップしますのでご期待下さい。

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2007年7月20日 (金)

買っちゃダメだよ望遠鏡 -その6-

070719minisco まずは写真の2台望遠鏡をご覧下さい。
赤い方は1990年頃に販売された販売元「二光通販」、製造元「ケンコー」です。白い方は2000年頃に販売された「ビクセン」扱いの製品(ビクセンとはどこにも書いていないのですが・・)です。
色は違いますが、全く同じスペックのものです。
作られた年代の違いで金属部品が樹脂に変わっていたり、バローレンズとアイピースの仕様が微妙に違っていたりしますが、銘板を見ると日本製で製造元が同じ工場であることがわかります。
070719minisco2 当然かも知れませんがパッケージングも全く同じで、時代の流れを感じさせません。

さて、前回バローレンズの付属した望遠鏡は「買っちゃダメ」という結論を出したのですが、実はこの望遠鏡、とてもよく見えます。
口径50mm、焦点距離300mmと短焦点の設計ではありますが、100倍くらいまでの倍率ではそれほど破綻を見せない優秀なレンズが付いています。
土星の輪も、木星の縞もはっきり見ることができます。メインのレンズの素質が良いのと鏡筒の設計が良く適切に遮光絞りが入っているためと考えられます。
さすがメイドインジャパンの底力と言ったところでしょうか。
お決まりのシングルバローレンズ、安物アイピース、地上用正立レンズの付属品が付きますが、どの組み合わせでも素人を充分騙せるくらいの見え方をします。
白い方がビクセン扱いなのにそのブランドをわざわざ使っていないのはバローレンズやアイピースなど恥ずかしくてブランド名を表に出すのがはばかられるからでしょうか?(多分販売ルートの関係でブランド名を出せないのだとは思いますが・・・)

卓上用の三脚なので使える場所が限られますが、向けたいところでピタリと固定できる素直な架台も過度な高倍率さえ望まなければ充分入門用として使える物です。
しかもこの望遠鏡、ケンコーでもビクセンでもないブランドで現在でも新品で入手できます。パッケージのレイアウトが同じなのでヤフオクなどに出ればすぐわかると思います。
現在では国内で唯一になってしまった望遠鏡のOEM専業メーカーが作り続けているというのがことの真相で、20年くらい前から少しずつ改良しながら作り続けられているようです。付属品の部分はOEM先の要望により多少変わるのでしょうが、基本の部分でしっかりしたものを作り続けていることがメーカーとしても製品としても生き残っている理由なのではないかと思います。

さて、今日の結論。
バローレンズや安物アイピースなど不適切な付属品が付いても「MEAD IN JAPAN」なら「買っちゃダメだよ・・ぢゃない」かも知れません。

なんだかすごく歯切れが悪いです。初心者に両手ばなしでお奨めできる物ではないのですが、どうしても安い望遠鏡を入手したい場合の手段として、「MEAD IN JAPAN」を選ぶのがひとつの方法と思います。

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2007年7月18日 (水)

買っちゃダメだよ望遠鏡 -その5-

070718kiri ここのところ天候が不順です。
梅雨だからしょうがないと言ってしまえばそれまでですが、一日の大半が写真のように雲の中にいることが多いです。
幻想的な雰囲気で悪くはないのですが、お客様にそれを言うのは申し訳ないですよね・・・

さて、少し間があきましたが「買っちゃダメだよ」シリーズの続きです。
ヤフオクの望遠鏡(主に中古品)を見ていると、粗悪品または粗悪品とは言わないまでも素人が手を出さない方がよいレベルの製品が非常に多いことがことがわかってきました。
あるものはシングルレンズというオモチャレベル以下のものであったり、アクロマートレンズでありながら全く望遠鏡として機能しないものであったりして、名の売れたメーカーのもの以外(名のあるメーカーのものでも)は本当に怪しいものが多いです。
また、ほとんどのものに役に立たないバローレンズや粗悪な接眼レンズ、地上用正立レンズなどの付属品が付いているという構図でした。
070718barow 今回はこの役に立たない付属品の話です。

バローレンズと言うのは凹レンズの性質を持つレンズで、メインのレンズの焦点距離を2倍とか3倍に引き延ばす働きをする部品です。
今回入手した望遠鏡に付属していたバローレンズはみんなシングルのタイプ(もちろんノーコート)でした。確かに倍率は上がるけど新しいものは何も見えてきません。倍率が高くなった分、視界が狭く、ただでさえも華奢な架台との組み合わせで余計に使いづらい物になるという困った付属品といえます。
2倍タイプならまだしも3倍タイプのバローレンズも当たり前に付属していたりします。焦点距離が3~400mmのミニスコープで100倍以上の倍率を出して、さも高性能を謳おうとするとどうしても(悪徳業者にとっては)外せない部品なのでしょうが、もともと100倍以上が出せる性能の光学系でないので、勇気を持ってやめてほしいものです。
今日では初めからバローレンズを組み込んだ高級アイピースもありますし、バローレンズだけで数万円もするような製品もありますので、バローレンズの存在を頭から否定するものではありません。しかし、単なる数字の遊びのように計算上の倍率を出すだけのための無意味なことはやめてほしいです。

アイピースもみなハイゲンかラムスデンのクラシカルなタイプで、樹脂レンズを使っているものも多いです。見かけ視界も狭く、コントラストが悪い、もちろん全てノーコートでお世辞にも上等な見え方のするレンズはありませんでした。中には全くウソの仕様を表記しているものもありました。
どんなに主鏡が優秀でも望遠鏡の性能の半分を受け持つアイピースがこれでは、見えるものも見えないことになります。
バローレンズなどの余計な付属品を省いてもう少しアイピースにお金をかけてもらいたいものです。

地上用正立レンズもいらない部品だと思います。
確かに正立象は得られるのですが、視界は狭いは、暗いは、シャープでないはでほとんど出番はないはずです。
もともと逆さまに見える望遠鏡の中に、もう一個望遠鏡を入れれば正立像になるでしょ、という発想の製品です。思い切りお金をかければ充分使えるものを作ることは可能なのかもしれませんが、(望遠鏡×望遠鏡)のため収差が二乗で増幅されてしまいます。安く作ろうと思うとろくなものが出来ないのは当たり前で、定価が2万円前後のものに無理してつけるべきアクセサリーではないと思います。(本気で正立レンズを作ったら、それだけで2万円ぐらいにはなるでしょうね・・)

私は常々「オールマイティな望遠鏡は無い」といろいろなところでお話しているのですが、なぜかこの手のトイグレード(またはエントリーグレード)の望遠鏡の多くは、地上も天体も、低倍率も高倍率も・・・とオールマイティを狙っているふしがあります。高い値付けができないものなのにオールマイティを強いればどんな結果になるか想像することはたやすいと思います。

そんな訳で今日の結論です。
バローレンズの付属するものは「買っちゃダメだよ」な望遠鏡!
・・と考えた方が良いでしょう。

話は少し厄介なのですが、バローレンズの付属する望遠鏡の中にも比較的素質が良くて、わりと良く見える製品も皆無ではありません。バローレンズ以外にも地上用レンズや安物アイピースが付いてくるのでお勧めでないことは確かなのですが、
バローレンズの付属 = 粗悪品
とは決め付けられないものもあります。
このへんの話は次回に紹介したいと思います。

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2007年7月16日 (月)

ミニスコープは楽し -その3-

ずいぶん長いことブログをお休みしてしまいました。
ご心配を頂いたりもしているようなのですが、深い意味は特にありません。

もともと気にむらの多い性格で、のりのりで文章を書く時はバンバン書くのに、何か別のことに気をとられると(例えば本を読んだりし始めると)バッタリ書けなくなってしまうと言うだけです。
夏休み前に片付けてしまいたい仕事に追われたりして、ズルズルと書けないまま3週間もたってしまいました。夏休みに入れば入ったでまた書けなくなってしまいそうですので、気合を入れて少しずつでも書いてゆこうと思います。

070716minisco 写真は先日ご利用いただいたI様から頂いた超ミニスコープ!
左においてあるアイピース(プローゼル20mm)と比べると大きさの想像がつきますかね・・・
もちろん望遠鏡として星を見ることはできませんが、そこにあるだけで木の温もり効果というか、心が和みます。
材料は木の枝、スタパ周辺には無尽蔵にあるといっても良いです。「その手があったか!」という気もします。とはいえあまり手先は器用な方でないので少しずつ練習して、老後の楽しみしようかなどと考えています。

070716telesco さて、本物の望遠鏡ですが、ここのところ「買っちゃダメだよ・・・」シリーズで増えたものや、お預かりしているものなど、ここのところ異常に増殖しています。
この写真には12台くらいが写っていますが、館内にはざっと数えると20台以上あります。
ほとんどが貸し出しOKですし、望遠鏡の好きな方は眺めているだけでも楽しいですよ。・・・ってそんな人そんなにいないですかね・・・

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2007年6月22日 (金)

買っちゃダメだよ望遠鏡 -その4-

ここ数日、ちょっとのんびりしていたのですが、ブログのアクセス数がドカンと桁違いに増えていることに気付きました。
(天文)業界ではわりとメジャーな(ふくだ)さんのブログで、この「買っちゃダメだよ望遠鏡」シリーズをご紹介いただいたのがきっかけで、さらにメジャーな天文情報ポータルサイト(星が好きな人のための新着情報)でご紹介いただいたのが原因のようです。
プロの天文学者のかたから「面白く読みましたよ」とメールで感想を頂いたり、公立の科学館のかたから粗悪望遠鏡で苦労されたコメントを頂いたりと静かな波紋が広がっています。
初めのうち皮肉たっぷりだったおかみの対応が少し変わってきたのは嬉しいのですが、昔からあんまり期待されると、すぐ腰砕けになってしまう男弱な性格ですので、あまり力まずに話を進めたいと思っています。

070618minisco さて、今日は【絶対】「買っちゃダメだよ」な一品を入手しましたのでご紹介したいと思います。
この望遠鏡、「F30070M」という型式のほかは英語版の取扱説明書が付いているものの、製造メーカーも製造国も全く表示がありません。ただ、鏡筒に貼り付けてある「太陽は見ないで!」の標記が中国語なのでほぼ間違いなく中国産だと思われます。
仕様は型式が現すとおり「焦点距離300mm、口径70mm」でアクロマート式の屈折です。写真のとおり卓上型の三脚に載っています。付属品はH6mmと20mmのアイピースに天頂ミラー、3倍バローレンズと1.5倍正立レンズというこのクラスとしてはわりと一般的(?)な構成です。
070618minisco5_1 まずはじめに組立てて驚いたのは、三脚の付け根部分の固定用リベットピンの長さが適切でなく、三脚がグラグラします。操作ノブを持って軽く上下するとフラダンスをするかのように望遠鏡が踊ります。この状態では星を導入・追尾するのは至難の業です。
それでもともかく星を見ようと外に出て、望遠鏡を上に向けると、これまた45度から上に向けられない構造になっています。
070618minisco4 頭に来て当っている部分を強引に切り飛ばしたのですが、内部の咬み合せの関係で55度以上には上に向きません。この時点で天体望遠鏡とはとても呼べないものであることがわかったような気がしました。
それでも・・・と、気をとりなおして星を見ると・・・・、
一番低倍率(15倍)でも星が三角に見え、彗星のようにたなびいています。鏡筒内(特にドロチューブ)の内面反射がひどくコントラストも最悪でした。
それでも5cm位の口径ではみえにくい「さそり座の球状星団M4」の存在があっさり見える明るさは、すぐにスクラップにするには惜しいものでした。
070618minisco2 光軸を見ると大幅に狂っていて、なるほどこれならしょうがないと思い、接着剤で固定されたレンズセルを外し、光軸をそこそこ追い込んで再固定。ドロチューブ内に絞り環と植毛紙の貼りこみを行い、写真のように内面反射を少なくして、これなら見えるはずと思ったのですが敵も然るもの・・・
15倍までは何とか使えるものの、それ以上ではやはり星が三角に見えます。
根本的にレンズがNGなようです。
低倍率専用のファインダーにする以外は使い道がなさそうです。
ここまでひどいとアクセサリーについて語る気もしませんので割愛します。(ろくなものでないことは確かです。)
望遠鏡として基本的な光学系と機械系が両方とも全く話にならない「絶対!買っちゃダメだよ望遠鏡」な一品といえます。

まあ、アクロマートレンズで口径比5を割るような製品がまともに見えると思うこと自体間違いですし、そんなものを企画して販売しようという人がまともな人であるという確率もかなり低いでしょうから、まともな製品である訳がないということでしょうかね。(まわりくどくてすみません)
そういえばこの望遠鏡、鏡筒が銀色でレンズフードのところに2本の細いストライプが入っています。この話の発端になった大沼さんのところで見たやつもスペックは違いますが同じデザインでした。
「ミザール」ブランドで見掛けの良く似た口径70mm、f300mの製品をネットオークションなどで見かけますが、似て有らざる物であることを強く祈るばかりです。

さて、今日の結論です。
アクロマートでF5を切る焦点距離、かつブランド不明の製品に手を出すことは自爆行為に等しいということがわかりました。

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2007年6月14日 (木)

買っちゃダメだよ望遠鏡 -その3-

「ミニスコは楽し」と書いたり、「買っちゃダメだよ望遠鏡」と書いたりどっちなんだと言われそうですが、買っちゃいけない望遠鏡を買って楽しむというオタッキーな企画なのでもうしばらくお付合い下さい。

070614minisco 今日はケンコー扱いの「40倍テレスコープ」です。
この望遠鏡、ネットオークションなどでは数百円から4千円くらいまでの値付けでたくさん販売されています。
うたい文句としては
・20倍、30倍、40倍の高性能
・お子さんに夢を
・初心者に最適
・夏休みの自由研究に
など、など・・・。いかにも知識のない方が値段の手ごろさから購入してしまいそうな商品です。
070614minisco3 外装箱には様々な種類があるのですが、だいたいは1枚目と2枚目の写真を見ていただくと同じものであることがわかると思います。

この望遠鏡の問題点はなにかというと対物レンズが、前回紹介したナシカの望遠鏡と同様シングルレンズである点です。
ナシカのように口径や焦点距離をうたっていないだけまだ良心的ではあると思うのですが、逆にシングルレンズであることもどこにも書いてありません。
070614minisco2 もちろん知識のある人が見れば対物レンズのことに一言も触れないのは怪しいとピンと来ます。(ナシカのようないんちきもあるのであてにならない面もありますが・・・)
シングルレンズの望遠鏡はほとんどの場合、レンズのすぐ後ろに極端に小さな絞り環が入っているのと、レンズの反射光ですぐに見分けがつきます。

ただこの望遠鏡、光学系はナシカのものよりはるかに良く出来ていて、40倍の倍率でも昼間の景色はそこそこ見えます。鏡筒内の迷光が良く処理されていて、わりとスッキリした風景を見せてくれます。もちろんアクロマートレンズの望遠鏡と比べればその差ははっきりわかるのですが、初めて望遠鏡をのぞく人であれば「安い望遠鏡の見え方というのはこんなものか」と納得してしまいそうな、きわどい見え方かもしれません。
アイピースは20×、30×、40×と刻印された(他の望遠鏡と互換性の無い)専用のものが付属し、このクラスとしてはまあまあな性能ではないかと思います。
実際に星を見ると・・・
月のクレーターは何とか見え、土星の輪は想像力と合わせて見れば何とか見えるかな?、木星のガリレオ衛星は4つのうち遠く離れた2個が何とか・・・と言った感じです。
まさに400年前にガリレオが使った望遠鏡と同じくらいの見え味なのではと思います。
まあ、有効径が20mmにも満たないような対物レンズですので健闘しているほうだと言えないこともないかもしれませんが・・・

架台はかなりお粗末です。上下はネジを緩めて調整し、絞めて固定しますが、水平軸は無く、向きの調整は三脚ごと全体を回すというものです。
三脚も上下の回転軸もかなり貧弱で、向きのやピントの調整で望遠鏡に触れると、20倍でもポヨヨ~ンと星が動いて安定するまでに数秒かかります。
ファインダーや導入用の指標も無いので、昼間の風景ならともかく星を導入するのは、初心者(特にお子さん)にはかなり難しいと思います。
この商品に限ったことではないのですが、この業界の通例として、初心者向け望遠鏡=卓上三脚という図式がすごく多いのです。しかし、これは大きな間違いであることに気付いて頂きたいと思っています。
屋外で星を見るのに都合の良いような見晴らしの良い場所に、都合よくしっかりした(高倍率でもガタつかない)テーブルが置いてあることはとても稀です。卓上三脚というのは、とてもお手軽で便利なように思いがちなのですが、いざ星を見ようと思ったときに、とても困ることのほうが多いです。

さて、結論です。
安い望遠鏡の見え方をあえて勉強したいというかたには、なかなか良く出来た一品だと思いますが、ちゃんと星を見たいかたは「買っちゃダメだよ望遠鏡」な一品といえるでしょう。安さに負けないでもう少し貯金をして、もうワンクラス上の商品を検討しましょう。

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2007年6月12日 (火)

ミニスコープは楽し -その2-

070607nasica_1 前回紹介した「ナSiカ」のM100という望遠鏡・・・
買ってはいけない望遠鏡の見本として、そのままにしておこうかとも思ったのですが、長年の習性で、見え具合の悪い望遠鏡は何とか見えるように直さないと気持ちが悪くてしようがありません。

対物レンズの仕様が口径50mm、焦点距離420mmとスタパで扱っている35倍手作り望遠鏡と同じであることに思い当たり、対物レンズを入換えてしまうことにしました。
070612minisuko 純正のレンズにはレンズと抱き合わせるように絞り環が入っていて、口径50mmと表示しているにもかかわらず、有効径は35mmといったところです。(はっきり言ってこの時点で詐欺です。少しでも光学の知識のある人なら、シングルレンズで絞りを入れているのにレンズの直径をそのまま書いたり恥ずかしくてできません。)
抱き合わせた絞りとレンズの厚みが手作り望遠鏡のアクロマートレンズとほぼ同じなため、そのまま入換えることが出来ました。

そのままですと鏡筒内にあるもう一つの(遮光)絞り環でレンズ径が無駄になるため絞り環を作り直してはめ込みました。
070612syokumou また、ドロチューブ(合焦筒)の長さが長く、口径がけられるため少し切り詰めました。
さらに、白く霞んだ見え方をしていた最大の原因であると考えられたドロチューブ内の内面反射を抑えるため、ドロチューブ内に黒い植毛紙を貼り付けました。
直接張るとうまく貼れないことが多いので、こしのある紙(絵葉書)に植毛紙を貼ってから筒状に丸めてドロチューブ内に固定してあります。
070602nasika 結果はご覧のとおり。(写真左半分が改善前、右が改善後です)
明るい方向に向けると強烈に光り輝いていた鏡筒内の内面反射がほとんどなくなっているのがお分かりと思います。また、有効径が1.5倍程度に大きくなっているのがお分かりいただけると思います。

これまでこの望遠鏡の悪口ばかり言っていたのですが、良いところもありました。ここまでして光学系を改善したのは、光学系の酷さのわりに架台や三脚のできがこのクラスの物としては良く、使えない望遠鏡のままではもったいないと思からです。
望遠鏡の場合、機械系(架台や三脚)と光学系は車の両輪のようなものだと良くいわれます。このバランスが良くないと使えない望遠鏡になってしまうからです。
ナSiカM100はこの改造によってお手軽望遠鏡として100倍くらいまでの倍率で充分に使えるものに生まれ変わりました。

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2007年6月 7日 (木)

買っちゃダメだよ望遠鏡 -その2-

070607hana スタパの周辺では様々な花が競うように咲く時期になってきました。
道端に咲いている雑草の花もクローズアップして見ると予想外にきれいで驚いてしまうことがあります。

さて、まだまだ怪しい望遠鏡の購入は続いています。
なるべく怪しいやつを購入するようにしているつもりなのですが、その中でもなるべくまともそうなのを無意識のうちに選んでしまうようで、意外に粗悪品が手に入りません。
中で決定的な粗悪品がありましたので紹介します。

070607nasica 写真の青い鏡筒の望遠鏡は「ナSiカ」というメーカーのM100という型式です。
ANAのマイレージの景品でオリジナルモデルらしいですが、ANAのロゴが入って鏡筒が青い以外は定価18000円のM100という機種と同一のようです。
口径50mm、焦点距離420mm、最高倍率100倍とこの手の製品としてはおとなしいスペックでしたし、三脚もわりとしっかりしたカメラ三脚の流用のようで、好感が持てたので入手したのですが、完全に騙されました。

070607lenz ナントこの望遠鏡、対物レンズがシングルレンズでした。
写真の右がこの望遠鏡に付いていたシングルレンズ、左はスタパで販売している手作り望遠鏡(35倍)の(アクロマート)レンズです。(ちなみに手作り望遠鏡は4620円です。)
望遠鏡の対物レンズというのはアクロマートレンズといって屈折率の異なる凸レンズと凹レンズの2枚を組み合わせたものを使うのが一般的です。
老眼鏡や虫眼鏡のようなシングルレンズですと、光を屈折して焦点を結ぶときにレンズ自身がプリズムのような働きをして、光の色ごとに焦点の位置が変わります。数倍から10倍位までの倍率ですと何とか見えるのですが、それ以上の倍率ですと相当気を使った設計をしないと、どこでピントが合うのかさえ分からず、まともに見ることさえできなくなります。かのガリレオも相当苦労しながら30倍程度の望遠鏡を使って観測をしたらしいです。
屈折率の異なる凸レンズと凹レンズを組み合わせるとレンズのプリズム効果を打ち消すことができ、色ボケ(色収差といいます)を大幅に軽減することができるので、現代では屈折望遠鏡といえばアクロマートというのが基本です。(さらに上にはアポクロマートというのもありますが、価格がベラボウに高くなりますので入門向けとは言いにくいです。)
まあ最近は、アクロマートでも信じがたい粗悪品が出回っているのであてにならないのですが・・・

話が少しずれてしまいました。
070607meikou 要するにこの望遠鏡、18000円もの定価がついている製品でありながら、望遠鏡の命ともいえる対物レンズがシングルです。鏡筒内の迷光処理も写真のように最悪で、付属の接眼レンズ(H20mm)による最低倍率(21倍)で景色を見ても(おかみが言っていた)乳白色の世界で、夢の中のようなぼやけた景色しか見えません。倍率を上げれば何を見ているのかさえ分からなくなります。
土星の輪はおろか月のクレーターさえまともに見ることができない物を天体望遠鏡として売るというのを犯罪と言ったら言い過ぎでしょうかね・・・

付属の接眼レンズ(H20mm、SR6mm)もどうも変です。
H20mmは通常ハイゲンスという形式のレンズ設計で20mmの焦点距離を言うのですが、どう見れもラムスデン(記号:R)のレンズ構成です。
SR6mmというのはラムスデン(R)をアクロマート化したスペシャルラムスデン(記号:SR)のはずなのですが、どう見てもラムスデンそのものです。しかも手持ちの6mmのアイピースと比べると明らかに倍率が低く、焦点距離は12~15mm程度です。つまり謳い文句の100倍はどうやっても出ないウソの商品なのです。
さらに付属の天頂ミラー(光を直角に曲げて天頂付近に向けた望遠鏡を覗きやすくする部品)がひどくて、ちゃんと見えるほかの望遠鏡につけて100倍くらいで見ると、ぼやけて良く見えなくなる粗悪品でした。

まあよくもここまでひどい光学系をそろえたものだと感心してしまいます。
もちろん工業製品ですので、たまたま私が入手した製品が不良品で不運が重なっただけなのかもしれないのでメーカーを訴えようとは思いません。
でも、個人的に二度と「ナSiカ」ブランドの望遠鏡を買おうとは思いませんし、人に勧めることも無いと思います。
もしもこの望遠鏡がこれから天体観測をしてみようと胸を膨らませたお子さんの物になっていたらと思うと、こんな望遠鏡が世の中でたくさん売られているかと思うと、なんとも悲しい気分になってしまいます・・・

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2007年6月 6日 (水)

買っちゃだめだよ望遠鏡

世の中で販売されている望遠鏡の(台数ベースで)9割以上が粗悪品だということをご存知でしょうか?
先日、初心者向けの望遠鏡を主に販売している業者の中でもっとも信頼できるスターライトコーポレーションの大沼社長とお会いしたときに聞いた話です。
「これ最近入手したひどい例です。」と見せられた望遠鏡は本当にひどいものでした。(詳しくは大沼さんのブログをご覧ください。)

売られているほとんどの望遠鏡が粗悪品だなんて、多くの方がにわかには信じられないかも知れません。私自身ひどい物が多いという認識はあっても、みんながみんな粗悪品を買うわけではないだろうと思っていました。自分は間違ってもそんなものにだまされるわけが無いので被害を被るわけないというのがこれまでのスタンスでした。

でも、そういう目でインターネットやネットオークションを見ていると本当にひどい商品の多いことがだんだん分かってきました。確かに見るからに粗悪品と思えるものも多いですし、粗悪品とは決め付けられないまでも怪しいものまで含めると9割がたは買わないほうがよいと思えるものでした。
いかにも初心者がだまされそうな手ごろな値段とキャッチコピーや、高性能を装うスペックや付属品など、限りなく詐欺に近いものが当たり前に売られています。
それを生業にしている人達のことやその人たちの家族のことまで考えると、私にそんなことをいう資格があるかという気もします。でも、ほとんどの人がこういった粗悪望遠鏡を買っているという事実、そしてほとんどが望遠鏡なんて素人には使えないんだと思ってしまい、多くの人(特に子供たち)から星や宇宙に対する興味までも失なわせることを考慮すれば、だんだん黙ってはいられなくなります。きちんとした知識欲の阻害が及ぼす科学の発展や経済効果への影響は計り知れないのではないかと思います。

ずいぶん大げさな話になってしまいましたが、そんなわけであまり知識の無い人が衝動的に望遠鏡を買えば、ほとんどの場合、粗悪品を掴まされるのがおちです。望遠鏡を買うときは十分な下調べや、詳しい人に相談してから買うようにしてください。
また、あまり詳しくないうちは価格だけで判断するのも危険です。すごく安いもの(1万円以下)は(まれによいものもありますが、)ほとんどが粗悪品と思うべきです。逆に高ければいいというわけではありません。それがビックリするくらい安売りしていたら怪しいと思うべきです。30万円くらい出すつもりなら別ですが、初心者が使うには難しいものもありますので、いずれにしても充分な検討が必要です。

070605minisco ここのところ小さな望遠鏡を買い漁っているのは、この辺の見極めがどうしたらできるかをアドバイスできるようになるかを検討するためです。怪しいスペックの望遠鏡をオークションで安く入手して紹介できたらいいなと思っているわけです。まあ、言ってみれば尊い犠牲的精神、人柱みたいなものだと思っているのですが、スタパのおかみは信じてくれないんでしょうね、きっと・・・

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2007年6月 4日 (月)

ミニスコープは楽し

070603airice 庭のジャーマンアイリスが咲き始めました。
はじめは数株だったのですが、居心地が良いのか年々増えて毎年この時期になるときれいに咲いてくれます。お客様の一番少ない時期で見ていただけないのが残念です。
どうせならお客様の一番多い時期にきれいに咲いてくれる花を増やしたいと思って、昨年あたりからいろいろ検討をしています。
夏のあいだ中ずっと咲いて(次々咲いて)、病害虫に強く、手間が掛からない(なんてわがままな!)品種をあれこれ探しては植えています。
数年後にはかなり形になるのではないかと思っています。
で、今年はどうなるか?・・・夏になってからのお楽しみです。(楽しみにするほどのものでもないか・・・)
070603kanban そうそう、昨日はしばらくほったらかしにしてあった、看板とゴミ箱のペンキ塗りをようやくしました。たくさんの人が新しくしたのを気付いてくれたかなぁ?・・・なんて、我ながらいい加減な性格です・・・

さて、ここのところおかみに顰蹙(ひんしゅく)を買いながらも小さな望遠鏡(ミニスコ)を買い漁っています。(この10日間で4台も・・・)
みなネットオークションで中古を安く落札しているので金額的にはたいしたことはありませんし、ある事情(近日中にお話しする予定です)があって集めているのですが、おかみから見ると望遠狂(ぼうえんきょう:望遠鏡集めの病気)が悪化したかに見えるようです。
理由あってのこととはいえ、もちろん根が好きですので、新しく到着するたびにいそいそニヤニヤしながらひとしきり、あーでもない、こーでもないとブツブツ言っているので、そう思われても仕方がないのですが・・・

070603minisco 今回購入した中で少し毛色が違うのがこの金色の望遠鏡です。
アメリカのTSCO(タスコ)ブランドですが、立派なメイドインJAPANでなかなかしっかりした作りです。
オールブラス製の金ピカな外観は小さいけれど重厚な存在感があります。
光学性能もしっかりしていて、口径23mm(ちゃんとアクロマートでした)で、倍率は15倍、20倍、30倍の3段階。月のクレータはもちろん土星の輪か何とか確認できるほどのものです。
スタパのディスプレイ用にインテリアとして購入したのですが、ただ飾っておくのが惜しいと思えるほどしっかりした出来です。
あえて欠点を言えば、全てミニサイズでできているため、一般の望遠鏡とアイピースの互換性がありません。互換性があれば単なる飾りとして出なく、ペンシルボーグとは言わないまでも、様々な使い道があるような気がするのですが・・・
それでも購入した中で一番良いほうに期待を裏切ってくれた望遠鏡だと思います。

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2007年3月23日 (金)

望遠鏡が壊れた!

070320sotugyo 卒業シーズンですね。
今年、スタパの子供三人のうち一人は小学校卒業、一人は中学を卒業しました。ということはもうじき中学入学と高校入学になるわけなのですが、今年の春休みはなぜかこれまでよりお客様の数が多く、やたらに忙しいような気がしてなりません。

ただでさえも忙しいのに、昨日はスタパ自慢の40cm望遠鏡が故障して全く動かなくなるという事件が発生しました。
この望遠鏡は電源を入れて、はじめに何かひとつだけ星を視野に導入して「君はこの星を見ているよ」と教えてあげると、あとは見たい天体を自動導入・自動追尾してくれるというとても便利な機能が付いています。しかし、昨夜は電源を入れてもパイロットランプは点灯するけれども、全くフリーズしたままでビクともしない状態になってしまいました。
かなりパニくったのですが、幸いにもお客様が一人だけだったので、手動導入、手動追尾で観察会を行ないました。普段、すっかり自動導入、自動追尾に慣れてしまっているのでだいぶ手間取りましたが、主要な見所は何とかご覧いただくことができました。
しかし春休み真っ只中、今週末・来週末には沢山のお客様が来られます。一人二人のお客様ならば手動で何とか対応できるかも知れませんが、それ以上はかなり無理があります。今日は朝から販売店の協栄産業さんに修理を依頼しました。状況からするとモーター交換かも知れないとのことで輸入代理店のミックインターナショナルさんに修理をしてもらうよう手配するとのことでした。
午後になってミックインターナショナルさんの担当の方からお電話。状況から判断すると基板交換かモータユニット交換になりそうだが、期末で公共関係のメンテナンスの業務が立込んでいて、出動は来週末との事・・・・
さて困った、今日明日のお客様にどう対応しようか・・・
あれこれ言い訳を考えているときに、ミックの担当さんとの会話の中で、電源投入時にモーターのアンサーバックがどうのこうのというのがあったことから、もしかして、ひょっとすると単なる配線トラブル(ケーブル断線)かも知れないということに夜の7時くらいになって思い当たりました。可能性は低いけれど、まあ言い訳を考えるよりとりあえず確認だけはしておこうと、ケーブルをはずし、コネクター部分を分解すると・・・・
コネクターとケーブルの半田付け部分が2箇所ほど断線しているではありませんか!
急ぎ半田付けをして接続しなおしてみると、なんと正常動作に復帰しました!!
ぎりぎり今日のスターパーティに間に合わすことができました。あ~、よかった!
というわけで協栄さんミックさんどうもお騒がせして申し訳ありませんでした。

普段から便利さに慣れきってしまっているので、余計にパニくってしまったのだと思います。もっと文明の利器に頼らないよう自己を研鑽しないといけないと思います。でも一方では、こんな時のためにサブ機の28cmも自動導入できるような架台にしないといけないと真剣に考えている私がいることも事実ですが・・・

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2007年3月 5日 (月)

登場!! 14番めの望遠鏡

2年ぶりくらいになると思うのですが、久々に風邪をひいてしまいました。
花粉症で鼻がグズついているところに咳がが出て2~3日寝込んでしまいました。何とかおかみに移して今日は元気になりました。

070305no141 さて、先日新しい架台を入手したことを書きました。この架台にどの鏡筒を乗せようかあれこれ考えた結果、やはり10cmF15アクロを乗せるのが良いのではないかと考えました。架台自体はビクセンGP互換のアリミゾ式ですので、現行のビクセン製鏡筒であればどれでも乗るのですが、手持ちの鏡筒の中では10cmF15がベターと考えたわけです。
この10cmF15以前にも紹介しているのですが、改めて書きますと私の高校時代の恩師(天文部の顧問H先生)にいただいたものです。今から40年位前に作られたものでレンズと鏡筒は五藤光学製、接眼部はミザールの往年の名機カイザー(8cmF15)のものです。当時このクラスの望遠鏡はアマチュアにとって高嶺の花で、8cmクラスでさえ学卒初任給の数倍の価格でしたから、H先生としてはたいへんな思いをして手に入れられたのだと聞かされました。
アクロマートタイプの屈折望遠鏡の場合、口径に対して充分に焦点距離を長く設計しないと、色収差や球面収差が邪魔をしてその口径が持つ本来の性能を発揮することができないといわれています。口径の15倍の焦点距離(=F15)というのが口径の限界性能を発揮できるひとつの基準になっているわけです。
しかし、鏡筒の長さがフード先端からドロチューブを延ばした接眼部まで1.8m近くもある望遠鏡というのは、気軽に持ち運んで使える限度を遥かに超えたものだと思います。三脚だって架台を含めた不動点の高さが、150cm以上なければ天頂に向けたとき這い付くばるようになってしまいますし、相当頑丈な架台でないとモーメントが大きいだけにわずかな振動や風を拾ってしまい使い物にならないはずです。
そんな訳で最近は少し性能が悪くても短い方が良いとか、高倍率はあきらめて集光力だけを頼りに低倍率を楽しむという望遠鏡が多くなってしまいました。また、短くしても性能を犠牲にしないためにEDレンズを使った高価なアポクロマートという選択もあるのですが、同じアポクロマートの中にもピンキリがあって、キリのほうはアポクロといえどもアクロのF15の方が優れているといわれています。
実は最近一部の望遠鏡フリークの間で8cmF15アクロが話題になっています。望遠鏡のネットショップで最も良心的な「スターライトコーポレーション」というショップで、今は絶版となった8cmF15を全て国産で復活、販売するという動きがあるためです。この望遠鏡、痺れるほど良く見えるということで、初回ロットは即日完売したそうです。
若い頃にニコンや五藤の8cmに憧れとも羨望ともつかぬ思い入れのあった人たちにとって、かなり魅力的なものだと思います。
私自身かなりグッと来ているのですが、こちらには10cmF15があるので、これを何とかするのが先決というわけです。

070305no142 というわけで、全長1.8mもの鏡筒を不動点155cmの木製三脚に乗せると室内では先端が天井に届かんばかりの大きさになります。正直なところ、とても気軽に使えるものではなく、憂鬱な気持ちになるくらいデカイです。最初の写真では今ひとつスケール感がないので手前に10cmF5を置いてみました。焦点距離が3倍あるととても同じ口径の望遠鏡には見えないから不思議です。
正直なところこの架台との組み合わせでは、完全に架台が負けていて、風の強い日には使い物にならないと思いますが、とりあえず10cmF15のアクロマートがどれほどの見え味か確認することはできると思います。通常は他のビクセン鏡筒を乗せようと思いますが、いざという時には10cmF15を出動できるようになりました。
14番めの望遠鏡の完成です。

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2007年3月 3日 (土)

望遠鏡スパイラル現象

先日NHKの取材があり、当初は今朝放映の予定だったのですが、今朝は大リーグ・レッドソックスに行った松坂投手がオープン戦初登板というニュースのおかげで1週間先延ばしになってしまいました。
「おのれ松坂!」と言いたいところですが、松坂の登板がある場合には10日の放映になることが予告されていましたし、テレビの性格上、来週でも良い山梨の自然探訪より現在進行形のホットニュースのほうが優先されるのは当然のことかと思います。
そんな訳で、スタパの予告を信じてテレビの前に陣取ったかたや、ビデオの予約をされたかたには申し訳ないのですが、スタパのNHK登場は来週に延期になりましたのでよろしくお願いします。

さて今日は久々に望遠鏡ネタです。070303kadai
1年ぶりくらいに赤道儀(長時間の観測や天体写真撮影向きの望遠鏡を載せる架台)を買ってしまいました。ビクセンのGP赤道儀そっくりですが、中国製のデッドコピー品です。10年ほど前の製品の中古ですが、程度も良くとりあえずは充分使えそうです。
GP赤道儀との大きな違いは三脚に対する極軸の向きで、国内品は三脚の一本の上にバランスウエイトが来て転倒しづらいように配置してあるのですが、低緯度の国を意識してか三脚の足と足の間にバランスウエイトが来るような配置になっています。日本で使う場合は少し注意が必要な感じです。
この赤道儀、当時ビクセンのライセンスの元で作られたものなのか良く知らないのですが、本家の製品に比べ精度が低いことからマニアの間では評判は悪いものでした。今日届いたばかりで、まだ使ってもいないので個人的な評価をするつもりはないのですが、数年前にS望遠鏡ショップで「セレストロン」ブランドの15cmF8屈折アクロを乗せて販売していたと思います。眼視用のおまけ的な架台だとショップのE氏が言っていたのを記憶しています。(完全なマニアネタで申し訳ありません。)
Longw 価格が凄く安かったので、どの望遠鏡を乗せるかあまり考えずに、つい注文してしまったのですが15cmF8屈折が乗るなら、ずっと以前に高校時代の恩師から譲り受けた10cmF15屈折が乗るかもしれない・・・、はたまたジャンクで入手した11.4cmのニュートン(ビクセン製)を乗せようか・・・・、それとも・・・・   と、あれこれ楽しく悩んでいるわけです。(ちなみに写真の左が15cmF8屈折、右が10cmF15屈折、どちらもこの架台にはちょっと荷が重いかも・・)

スタパに沢山の望遠鏡があることをご存知のかたも多いと思います。元々はそれほど増やすつもりはなく、気にいたものを厳選して購入する方針だったのですが、なにかの機会に鏡筒(以下、筒)を頂き、それを乗せる架台(以下、台)をとりあえず入手する、でも台がちょっと貧弱だったりするともう少し頑丈な台が欲しくなって、それを手に入れると今度は台が余るので、それに見合った筒を物色するという望遠鏡スパイラル現象に陥っているわけです。
もちろん望遠鏡が増えれば、アイピース(接眼レンズ)も用意しなければならないので、高級なものには手が出ず、数で勝負と言った感じで揃えています。
いい加減にこの辺でスパイラルを断ち切らないと、ペンションなんだか望遠鏡展示場なんだかわからなくなりそうですし、何よりおかみに強制撤去を施行されかねません。それでもB級望遠鏡大好き、かわいそうな中古望遠鏡をほっておけない性分というのは困ったものでそう簡単に直りそうもありません・・・

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2006年12月15日 (金)

凄いアイピース -その2

061215gaikan 久々の(と思ったら3日ぶりでしたが)良い天気。この時期毎日晴れるのがあたりまえなので、3日ぶりを久々と感じてしまうわけです・・・

さて、昨日の続きです。
ウイリアムオプティクス社(以下WO社)製の超広角(見掛け視界82°)アイピース28mmの見え味がどう凄いのか少し説明したいと思います。

まず見掛け視界82°というのはアイピースを覗き込んだときに視野の端が眼をグルリと見回さないとつかめないほどです。少なくとも上下については眼を「カッ!」と見開かないと上端から下端まで同時に見ることができません。
慣れないと視野の中に吸い込まれてしまうのではないかと不安に駆られるような錯覚を覚えるほどです。
通常広角のアイピースというのは視野の端のほうの像はあまり良くなく、星が点にならないことが多いのですが、このアイピースでは視野径の9割くらいまではシャープに点像になります。
スタパで常用しているペンタックスのXL40mm(見掛け視界65°)は視野径の7割くらいが良蔵範囲なので、WO社の28mmのほうが倍率が1.4倍も高いのに良像の実視界は広いほどです。XL40も今となっては旧型ではありますが、かなり高級な部類に入るもので、とても評判の良いレンズですが、WO社の28mmのほうが一枚上手といった感じです。
スタパの40cmにこのアイピースをつけると倍率は143倍となり、実視界はXL40よりも一回り狭くなりますが、その分空のバックグラウンドの部分が締まり散光星雲などはコントラストがはっきりしてきます。
この組み合わせで初めてオリオン大星雲を見たとき中心部の4重星(トラペジウム)周辺の星雲がモコモコと綿菓子のように見えて、かなり痺れました。
春の系外銀河の観察などにも威力を発揮しそうです。
他の高級な超広角アイピース(例えばナグラーなど)と比較したわけではないのですが、実売価格を考えるとかなりお買得なのではないかと思います。
さて、超広角アイピースの欠点(一般論)としてアイポイントのシビアーさがあげられます。少しでもアイピースが要求するアイポイントの位置を外すと、ブラックアウトしてしまったり、ビーンズエフェクトという豆の形にケラレか生じたりします。WO社の28mmは超広角のわりにはアイポイントの位置が寛容なほうですが、それでもXL40や古典的なオルソなどのアイピースのようには行きません。
このため、それなりに望遠鏡を覗きなれたかたでないと、その良さを実感いただくのが難しいように思います。小さいお子さんや不慣れなかたは覗くこと自体が難しいことが予想されます。
このため少し残念ではあるのですが、初心者のかたやお子さんにも楽しく星をご覧頂きたいというスタパの性格上、観察会の常用アイピースにはしません。
もちろん借用期間中はお客様のレベルや、リクエストに応じて積極的に活用させていただこうと思っています。
超広角の世界を体験してみたいかたは、どうぞお申し付け下さい。

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2006年12月14日 (木)

凄いアイピース -その1

12月も半ばだと言うのに、ちっとも寒いという感じがしません。061213skyjo
晴天率も記録的に悪いのではないかと思えるほど晴れてくれません。
せっかくの「ふたご座流星群」の極大日だというのに困ったものです。
さて、昨日は12月9日にオープンしたサンメドウズスキー場の偵察に行ってきました。
まだまだ雪が少なく、部分オープンといった状態でした。天候にもよるのでしょうが前面オープンは20日以降になる見込みです。晴天率の高さと、眺望の良さが自慢のスキー場ですが、天気が悪くて雪が少ないと言う最悪のパターンは避けたいところです・・・

さて、話し変わって今日はアイピース(望遠鏡の接眼レンズ)のお話。
スタパには公称13台の望遠鏡があることは以前にもお話しましたが、この13台を同時に使おうと思うと(今のところそのような機会はないのですが)アイピースもそれなりの数が必要になるわけです。
061214aipisu 各望遠鏡毎に適正な範囲で低・中・高と3段階くらいの倍率が出せるようにしたいと思えば、当然ですが望遠鏡の台数の3倍の数のアイピースが必要になります。ここ1~2年で急速に望遠鏡の台数を増やしたこともあって、アイピースの配備が追いついていないのが現状です。ここに並んでいるのはその一部分で全部では40個以上はあリます。数的にはそこそこのようですが、望遠鏡との相性や、倍率の分散のさせかたなどまで考えると、どうしても偏りがあって、まだまだ足りないと言わざるを得ない状況にあります。
望遠鏡の場合、星の光を集めるメインのレンズ(主鏡)とアイピースを組み合わせて見るわけですので、極端な言い方をすれば望遠鏡の性能の半分はアイピースで決まるとも言えます。そんなこともあって、どうしても使いたいアイピースに偏りが出てしまうわけです。40個もあると何がどこにあるのかわからなくなることも良くありますので、管理のしかたから考え直さないといけないという気がしています。

一昔前まではアイピースといってもそれほど種類が多くなくて、高級(オルソ)、中級(ケルナー)、低級(ハイゲン、ラムスデン)といったものしかなかったのですが、最近はやれ超広角だ、ハイアイだと様々な高級タイプのアイピースが出回っていて、天文ファンの中にもアイピースオタクなる人たちが現れたりするようになっているほどです。

061214aipisu2 さて、右の写真はウイリアムオプティクス社製の超広角(見掛け視界82°)アイピース28mmです。(例によって星大好き店長からの預かり品です。)大きさ比較のため右に古典的なアイピースであるオルソ25mmと並べてみました。
焦点距離が1割ほどしか違わないのに、なぜこんなに大きいのか不思議に思われる方も多いことでしょう。私自身はじめて実物を見たときにはあまりの巨大さに大笑いしたほどです。
もちろん値段も半端ではなく、実売で4万円弱です。入門用の望遠鏡であれば一式購入できるほどの価格ですので、相当気合を入れないと購入できないものだと思います。
望遠鏡の性能の半分を犠牲にすることなく、超広角を実現しようとするとこうなるのかも知れません。見え味もかなり素晴らしいもので、正直なところかなり痺れています。

具体的にどう凄いのか・・・ 続きは次回にご紹介させて頂きたいと思います。

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2006年12月 4日 (月)

青い誘惑

061204rizona 小淵沢のリゾナーレ(この辺ではリゾートホテルとショッピングモールで有名です)でライトアップをしていると言うので見物に行ってきました。
けっこう気合の入ったライトアップとは思うのですが、モールのショップはほとんど閉店していて、閑散として人気(ひとけ)の無い雰囲気は、テレビか映画のロケ現場に間違えて入ってしまったような気がして、なんとも不思議な落ち着かない雰囲気でした。こういった雰囲気の場所にはゾロゾロ人がいるのがあたりまえの都会人の感覚かもしれませんが・・・
話のタネに一度行っても良いかな?・・といった感じですかね。

さて、今日は望遠鏡のお話。
061204zenistar WILLIAM OPTICS(ウイリアムオプティクス)社という望遠鏡メーカーをご存知でしょうか?アメリカのメーカー(生産のほとんどは台湾)ですが、もの凄く高級志向の望遠鏡を作っています。高級といっても台湾製の強みで、すごく出来が良いのに価格的にはかなりお手軽な設定になっているのも魅力です。
写真の望遠鏡は「星大好き店長」からお預かりしている、ZenithStar(ゼニスター)66SD APO(口径66mm、焦点距離388mm)というものです。写真ですと質感が伝わりにくいのですが、ずっしりとしたアルミの削りだし鏡筒と、なんともしっくりした動きの伸縮式フードはブルーメタリックに塗装されています。従来の望遠鏡にはない見るからに高級そうなもので、まさに「青い誘惑」といった雰囲気で、星を見る前からその雰囲気に痺れてしまいます。
接眼部の合焦装置は通常のラックピニオン式ではなくクレイフォード式といわれるフェザータッチでしかも2スピードのものになっています。軽く正確にピンとが会わせられるので、貧弱な架台でもあまり苦になりません。短焦点のレンズですのでピントがすごくシビアーなのですが、これも全然苦になりません。
レンズはアポクロマートの設計なので同クラスのアクロマートレンズとは完全に世界が異なります。口径80mm焦点距離400mmのアクロマート式望遠鏡と比較しますと20倍くらいまではそれほど違いがないのですが、40倍、80倍と倍率が上がるほどに差が歴然としてきて、明らかにゼニスターのほうが良く見えます。
像がシャープなぶん口径が小さいのに暗い星まで見ることができますし、解像度も高く、80mmの短焦点アクロでは分解できない「こと座ε」を苦もなく分解して見ることができます。
061204moon 写真の月は満月近い今日の月をこの望遠鏡で撮影したものです。
APO特有の色にじみのないスキッとした像で、超お手軽お月見には最高!といった感じです。
望遠鏡業界ではマニア御用達の「笠井トレーディング」さんのNERIUSシリーズとOEM先が同じ同等商品です。マニアの間ではすでに静かなブームになっているようです。
国産の同クラスの製品と比べると、相当質感は高いのに、価格はそれほど高くないといった印象ですし、女性にもすごく受けの良いセンスの良いものです。マニアならずとも一生ものの望遠鏡として手元に一台置いておいても良いのでは?と思います。
セレブなあなた、クリスマスプレゼントに一台いかが・・・?
って、そんなふうに思うのは私だけでしょうか・・・?

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2006年11月15日 (水)

14番目の望遠鏡?

061115yama ここのところの冷え込みで八ヶ岳もすっかり冠雪して山頂付近は根雪になりそうな感じです。
紅葉も終わりが近い感じですが、それでも西日があたると目に沁みるほど鮮やかで様々な色を楽しむことができます。日に々々、そして刻々と変わる風景をいくら眺めても飽きることがありません。

話は変わりますが、スタパにまた新しい望遠鏡がやってきました。
061115takion ビクセン タキオンマルチ70Sという望遠鏡で、20年ぐらい前に販売されたものだと思います。以前、同型の望遠鏡を所有していたことがあり、けっこう楽しく使っていたのですが、甥っ子に譲ったため手元にはありませんでした。例によってヤフオクを見ていたら出品されていて、懐かしく思わず入札してしまったというわけです。
口径70mm、f=400mm、鏡筒自身にファインダーのような微動装置が付いていて、そのまま他の望遠鏡のサブスコープ的な使い方ができる優れものです。低倍率で使用する限りはかなりカチッとした星像を見せてくれます。
先日ご紹介したブルーⅡに継ぎ、14番目の望遠鏡にしても良いかなとは考えているのですが、強力なファインダーとして、またガイドスコープとしての使い道もありますので臨機応変に遊撃的な使い方をしたいと思っています。

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2006年11月 1日 (水)

11月です ブルーⅡその後

061101karamatu 今日から11月・・・
6枚綴りのカレンダーだと、残り1枚になってしまい、何となくせわしない気分になってしまいます。(別に急ぐことは何も無いのですけど・・・)
さて、スタパ周辺ではカラマツがだいぶ黄色く色付いてきて、そろそろ見頃を迎えました。この先11月後半まで見頃は続くと思います。11月になると晴天率も格段に高くなりだして、星空を楽しめる日も多くなります。その分寒さも本格化します。そうそう、今日は犬の散歩に今シーズン初手袋をしてしまいました。

061101blue2 先日、配備が完了した望遠鏡ブルーⅡですが、その後も少し改良を進めています。
ここ数日で鏡筒の先に遮光フードを取り付け、三脚の開き止め金具の部分に小物置きボックスを取り付けました。
マクストフカセグレインやシュミットカセグレインなど、鏡筒の先端に補正レンズの付いているタイプの望遠鏡では、よりコントラストを高めるため遮光フードを鏡筒の先に付けることが推奨されています。周囲からの無駄な光が補正レンズや鏡筒内に入って像がネボケルのを軽減してくれます。
061101blue2f ブルーⅡに使えそうなフードとしては巻き付け式のものが市販されているのですが、今ひとつ格好がよくありません。どうしたものかと悩んでいたところに、近くのホームセンターであつらえたようにピッタリサイズの樹脂製のゴミ箱を入手できたので、専用のものを作ることにしました。
ゴミ箱の底の部分をジグソーで切り抜き、内側に黒の植毛紙を貼り付け、外側に青いカッティングシートを貼り付け、先端に黒の溝ゴムを巻きつけて完成です。本体と少し色が違うのは愛嬌ですが、かなりそれらしくできたと思います。

061101blue2s 次に小物置ボックスです。通常ですとこの場所には三角板と呼ばれる三角形のお皿が付くのですが、ジャンクで入手した三脚のため三角板はありませんでした。しかし、この三角板と呼ばれる部品は、三脚を持ち上げた時に三脚が閉じるのを防止する働きをする部品でもありますし、屋外ではアイピースや鏡筒のキャップなどちょっとした部品を置いておくのにたいへん重宝なものです。
はじめは通常どおり三角のものを作ろうかと考えたのですが、組み立てたまま運ぶことが多いブルーⅡの使い勝手を考えて、深さのあるボックス型のトレーを置くことにしました。
これですと小物を置いたまま運んでも小物が落ちる心配がほとんどなくなります。いわゆる工事用の整理ボックスですが、剛性も高いので2箇所を蝶ネジで止めているだけで、三脚が閉じることもありません。

あとはモードラ(モータードライブ:自動追尾装置)ですが、現在模型用のマブチモーターやタミヤのギアボックスを使って何とか安く作れないかと実験機を製作中です。
うまく行くようでしたらいずれご紹介したいと思っていますが、結果的に中古を買ったほうが安いかもしれないと少し不安になってきています・・・

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2006年10月26日 (木)

13番目の望遠鏡 ブルーⅡ登場(その3完)

061026blue1 今日は朝から昨日購入した材料でブルーⅡ(ビクセンMC127L)を赤道儀に載せるためのアダプターを作りました。ブルーⅡを搭載する赤道儀は手持ちの架台のなかで、ブルーⅡを載せるのに最適と思われるケンコーNES型赤道儀にしました。
この赤道儀を確保するために他の望遠鏡の架台や三脚の組み換えをしていますので、夏前にご紹介した貸出用望遠鏡の構成が若干変わってしまいました。こちらのほうは近いうちに親サイトのほうで全貌をご紹介したいと思っています。

061026blue2 鏡筒の架台への取り付けは鏡筒に付いているアリミゾ式の金具をそのまま活かしたかったので、5mm厚のアルミ板2枚を介してメスアリ金具(写真の黒いつまみの付いた部品)を赤道儀に取り付けました。
これにより、鏡筒側にビクセン互換のアリミゾ金具が付いていれば簡単にこの赤道儀に任意の鏡筒が取り付けられるようになりました。(強度やバランスの問題は別ですが・・・)少なくともブルーⅡとのバランスはバッチリのマッチングだと思います。
鏡筒が385mmと短いので架台にかかる負荷は小さく、とり回しも想像以上に軽快です。短めの三脚と組合わせていますので、星を見るときは低いイスとの組み合わせが原則となりますが、持運びは非常に楽です。

さて肝心の見え味はどうかですが、実はここのところあまり好天に恵まれておらず、じっくり星を見られる機会がありませんでした。あまり評価が良くなかった某天文雑誌のインプレ記事のこともありますし、晴間を見ては数回星を見てみました。
結論から言うと「なかなか良く見えるじゃん!」といった感じです。星像はそこそこシャープだし、(当然ですが)色収差もありません。マクカセにありがちな像の暗さもあまり感じないし、ミラーシフトも皆無に近く、ピントの山もつかみやすい感じです。
先日はこと座ε(イプシロン)を見ました。ダブルダブルと呼ばれる二重連星で、8cmクラスの屈折アクロマートで何とか分離して見られるのですが、ブルーⅡではかなりあっさり分離してみることができました。
061026moon 今日は月齢4の細い月を見ましたが、スッキリと気持ちの良い像を見せてくれました。口径に見合った限界性能が得られるかどうかは別として、このサイズでこれだけ見えれば上等だと思います。

あとはより性能を引き出すための遮光フードを作ったり、三脚に小物を置くためのトレーを付けたりと細かい作業がありますが、とりあえず実戦配備完了で、いつでも出撃できる状態になりました。
こうなると自動追尾装置が欲しくなってきますね・・・

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2006年10月22日 (日)

13番目の望遠鏡 ブルーⅡ登場(その2)

前回からの続きです。
061022mc127l このMC127Lというビクセンの望遠鏡は、2003年の火星大接近のころに惑星観測用にと中国で生産され発売された製品です。しかし、発売後間もなく某天文雑誌のインプレ記事であまり良い評価をされなかったこともあって、マニア受けが悪かったのか、すぐに製造中止になってしまいました。(もちろん製造中止になってしまった本当の理由は知りませんが・・・)
一時期全く市場に出回らなくなったのですが、現在は望遠鏡ショップのアイベルさんで新品が手に入りますし、京都の国際光器さんでも外見は少し違いますがたぶん中身・仕様が同じものを販売しています。
ただ新品となると筒だけで4万円前後の予算が必要です。先のインプレ記事のこともあるので(大丈夫だとは思っていても)、買って使い物にならなかったらショックが大きいので、以前から中古市場で出物を探していました。先日久々にヤフオクを見ていたら出品があっリ、入札したら手ごろな価格で落札することができたというわけです。

以前から天文台の死角を埋めるために、このクラスの口径の望遠鏡が欲しいと思っていたことは前回書いたのですが、なぜこのサイズかについてもう少し詳しく説明します。
望遠鏡を買うときのポイントとして、いかに気楽に外に持ち出せるかというのが非常に重要です。いかに高性能の望遠鏡でも、大きいとか、重いとか、セッティングに時間がかかるとかといった少しでも肉体的・時間的に負担がかかるものを頻繁に使うと言うのは予想以上にパワーを消費します。買ったばかりのころはまだしも、1年もするとよほどのことが無い限り望遠鏡を組み立てる気がしなくなる人がほとんどのようです。
せっかく大金をはたいて買う望遠鏡ですから、できるだけ使用頻度が高くなるようなものを購入するのが結局のところお徳ですし、天体に関する興味も長続きすると言うわけです。
で、具体的にどのくらいのサイズが適切かなのですが、これは体力や住宅事情の違いなどによってかなり変わってくるので一概には決め付けられない部分が大きいのですが、私個人としては、組み立てた状態で室内に置いておける、この総重量が10kg以内で、鏡筒の長さ(フード込みで)が1m以内というのが目安だと考えています。
このサイズですと
・短時間であれば片手で持っていられる(ドアの開閉が望遠鏡を置かずできる)。
・ドアの通過が気を使わずにできる。(鏡筒が長いとドアサッシにぶつけがち・・)
・長い距離(数十メートルくらいなら)一気に持って移動が可能。
という芸当が可能になります。
星が見たいと思ったときに、気軽に屋外に持ち出して、視界の良いところまで持ってゆくことができます。鏡筒と架台部分を別に運ばなければならないだけで確実に利用頻度が下がるのが一般的です。
ところで、望遠鏡というのは理論的に口径の大きいほうが高倍率も出しやすいし、暗い星まで見えますので、よく見えるようにするためにはどうしても大きい望遠鏡が欲しくなって、上の条件が満足できなくなりがちです。
そんな訳で、上記の条件を満足させつつ最大の口径というのが、実は今回購入したMC127Lクラスに相当すると考えていたわけです。(もちろん予算や好み、考え方の違いで他にいくらでも組み合わせは考えられると思いますが・・)
ビクセンのポルタ式経緯台に載せると、総重量がピタリ10kgに収まります。ポルタとの組み合わせでも良いのですが、高倍率での惑星の観察をメインに考えますと、眼視専用と割り切った軽めの赤道儀との組み合わせが望ましいと考えています。10kgを少し超えるかもしれませんが、まあ我慢の範囲に入ると思います。
手持ちの赤道儀に載せるためには何かしらアダプターの金具を製作しなければならないのですが、できるだけ早く実戦配備したいと考えています。

望遠鏡の見え味はどーなの?と気に掛かるところですが、その辺はまた別の機会にご紹介したいと思います。(うーん、引っ張るなぁ~)

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2006年10月18日 (水)

13番目の望遠鏡 ブルーⅡ登場(その1)

スタパにはたくさんの望遠鏡があります。数え方によっても変わるのですが、いちおう「三脚と架台に鏡筒を載せてすぐ使えて、少なくとも月がしっかり見えるくらいの性能」というのを1台としてカウントしますと、12台というのがこれまでの台数でした。(借り物や預かり物、玩具レベルや飾りレベル、部品レベルのものまで含めるとこの倍近い望遠鏡がゴロゴロしているのですが・・・)
ペンションを開業する前は住宅事情の問題もあって、たった1台(鏡筒は2本)しかなかったのですが、ここ1~2年で一気に増えてきました。
特に昨年、貸出用の望遠鏡を充実させようとして、小型の望遠鏡を客室の数分(5台)用意したあたりから急速に台数が増え始めています。遊んでいる鏡筒があると架台や三脚を入手したり作って増やしたり、なぜか架台だけ手に入れてしまい、それに載せる鏡筒を入手したりとイタチごっこを繰り返しているわけです。
最近は開き直ってスタパの定員である13名に一人1台を貸出できるようにしようと13台を目指しています。(天文台の望遠鏡も1台と数えていますので、一人1台にするためには14台必要になりますが・・・)
さて、ずいぶん前置きが長くなったのですが、つい最近13番目の望遠鏡にすべく中古の鏡筒をヤフーオークションで購入しました。
061018makukase ビクセンMC127L、マクストフカセグレイン(以下マクカセ)式光学系で口径127mm、焦点距離1500mmという仕様です。(写真右の青い鏡筒です。ちなみに中央は借物のビクセンの新鋭機VMC110L:110mmビクセンマクカセ、左はビクセンVIPER:90mmマクカセです。)
スタパの望遠鏡としては口径の大きいほうから5番目の大きさで、全体の中ではやや大きいほうに位置づけられる望遠鏡になります。
実はこのサイズの望遠鏡は開業のときからずっと欲しいと思っていました。このサイズは架台と三脚に組み立てた状態で気楽に室内からの持ち運びができて、お気楽星見に使える上限の大きさではないかと思います。
スタパの西側にはわりと近くまで森が迫っていて、西側に沈んでゆく天体はかなり早い時間に森で死角になってしまいます。冷たい北西からの風を遮ってくれたり、早い時間に日陰になって望遠鏡の温度順応を助けてくれたりと、良いことも多いので文句は言えないのですが、月や土星などぜひお見せしたい天体が森に遮られてしまって残念に思うことも多いわけです。
そんなときに、そこそこの性能で気軽に移動できるコンパクトな望遠鏡があれば敷地の外まで移動してご覧いただくことができるわけです。そこそこの性能とコンパクトを両立するのがこの望遠鏡MC127Lなわけです。
スタパの望遠鏡はゴレンジャーシリーズよろしく色で識別するのを原則にしています。従来「ブルー」には16倍70mmの双眼鏡が百戦錬磨の功績をたたえる意味で割り当てられていました。さすがに30年選手でくたびれてきていることもあるので、今回このMC127Lに「ブルー」の称号を移すことにしました。

この先、架台の準備など実戦投入までにはまだ時間がかかりますが、大急ぎで準備を進めたいと思います。
また、望遠鏡のインプレッションについては近日中に紹介させて頂きますのでお楽しみに。

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2006年9月26日 (火)

望遠鏡の販売お手伝い

060926cosmos お彼岸も過ぎ、庭のコスモスが満開になりました。
ここのところめっきり朝夕の冷え込みがきつくなり、そろそろストーブなど冬支度の心配をしなければならない陽気になってきました。
夏の喧騒がついこの間のように感じられるのですが・・・

夏前に望遠鏡ネタを多く書いていたこともあって、この夏はたくさんのお客様から望遠鏡購入のご相談を頂きました。一時期はマジで望遠鏡メーカーの代理店になって望遠鏡販売にも手を出そうかと考えたほどでした。
でも、代理店になってしまうと中立な立場でブログを書いたり、相談にのったりといったことができなくなる気がしますし、何より発注作業だクレーム処理だといった雑事で本業が疎かになるのは絶対に避けたいという気がして思いとどまっていたわけです。
ただ、そうは言ってもお客様からの望遠鏡購入のご相談を受けた時に「ヨドバシ」や「ビック」で買いなさいというのもなんとなく無責任な気がして、何か良い方法はないかと思っていました。
良い販売店さんを紹介させていただくのが理想なのですが、こちらから一方的に紹介するのも失礼な気もしますし、大手の望遠鏡販売店ですとマニア色が濃く今ひとつピンとこない気がして、どうしたものかと思案していたわけです。
そんなおり、スタークラウドの「星大好き店長」さんから業務提携のお話を頂きました。スタークラウドさんは無店舗のネットショップですが、「星大好き店長」さんが実際に使ってみて納得の行くものだけをメインに販売するという経営方針で、私などから見ると真面目すぎるほど真面目で誠実な商売をされています。
アフターサービスやクレーム処理など私が代理店をやるより絶対丁寧に対応してくれると思いますし、あちこちで天体観察会を開いているのでいろいろな望遠鏡に関しての知識も豊富です。
スタパが積極的に望遠鏡を売ると言うよりは、「どんな」望遠鏡を「どこで」買ったらよいかわからないというお客様に良いお店をご紹介すると言う形にしたいと思っています。
細かい提携の内容はこれから詰めるところですが、スタパから紹介のお客様には何かしら「オマケ」を付けてもらえるようにお願いしています。
また詳細が決まりましたらご案内させて頂きます。

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2006年8月20日 (日)

歓迎「望遠鏡の購入相談」

060819kumo この夏は例年に比べことのほか晴天率が高いように思います。
例年ですとスターパーティの時間に星を見ていただける日が50%前後なのですが、今年は夏休みに入ってこれまでのところ、完全に全く星が見えない日は3分の1(つまり67%の晴天率)と、この時期としてはかなりの高率で星をご覧いただくことができ、こちらとしてもとても嬉しい限りです。
(昼間の晴天率も高く、入道雲を見る日も多いです。)

さて、この夏のスター☆パーティには望遠鏡の相談に来られるかたが例年より多く来られています。
望遠鏡メーカーの「ビクセン」の機関紙「So-Ten-Ken」に紹介いただいたり、このブログで初心者向け望遠鏡購入のアドバイスを書いたりしたのが原因と思いますが、これから望遠鏡を買いたいと思っていると言うかたがたくさん来られます。
初心者向けということになるとどうしても「ポルタ」をお奨めすることになるので、「ビクセン」にお願いしてカタログを大量に送っていただき、アドバイスをさせて頂いています。
現物を見て、実際に触って、関連の記事などもご覧いただくとほとんどのかたが納得して「ポルタ」を買おうと思われているようです。いっそ望遠鏡販売もしようかしら・・・と思ってしまいます。(もちろんそのためにはたくさんのハードルがあるのでそう簡単には行かないと思いますが・・・)
そんなわけでしばらくは中立な立場でアドバイスをさせていただくことができると思いますので、これからスタパにお出かけいただくお客様の中で望遠鏡の購入相談をしたいかたはドシドシお気軽にお声掛け下さい。

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2006年7月21日 (金)

望遠鏡を買う前に-Vol.6

望遠鏡を買う前にするべきこと-その4

いよいよ夏休みに突入ですね。
「買う前」シリーズが中途半端なままになってはいけないので、今回は星座の覚え方です。
夏休みが終わったらハード面の解説を進めたいと思いますが、ソフト面の解説は今回で完結となります。

星座の憶え方
星座を覚えるということは星空観察の本当に第一歩の基礎で、パソコンで言えばキーボードの配列を覚えるのと同じくらい重要なことだと以前書きました。
また、星座を憶えるのはそれほど難しくないと書きましたので、今回は覚え方のコツを紹介します。
星座が一巡するのには1年間かかるので、この間に季節毎に10個くらい覚えて、40個の星座がわかるようになれば、充分な星座ツウといえるレベルになれます。
また、それほど暗い星が見えなくても(星座を形作っているのはほとんど3等星くらいまでなので)よほど光害(ひかりがい)のひどい繁華街でもない限り充分覚えることは可能です。
ちなみに私の実家は都心の山手線の内側にありますが、空気が澄んだときには今でも3等星までは充分見ることができますので、空が明るくて星座が憶えられないという言い訳はできませんよ。すぐ近くにネオンサインや街灯がギラギラしているようでしたら、少しだけ閑静な公園などを探してみてください。
それでもあまり暗い星が見えないというのであれば、できるだけ低倍率(8倍以下で低いほど良い)で広視界の双眼鏡を準備すると良いと思います。
双眼鏡の話をしだすとこれだけでまたしばらく本編に帰って来れなくなりそうなので、多くは語らないことにしますが、実は望遠鏡を買う前に双眼鏡を買うというのはとても賢い選択であることだけは断言できます。
060721hayamiban さて、双眼鏡以上に絶対に必要なのは「星座早見盤」です。
様々なものが売られていて書店や望遠鏡ショップで購入できますが、インターネットからダウンロードして簡単に自作することもできますし、天文雑誌の付録に付いてきたりすることもあります。。
わざわざお金を出して買わなくても、はじめは紙製の安い物で充分なのではないかと思います。
はじめは早見盤上の星座の大きさと実物の大きさとの違いや、星座の形のゆがみが気になったりしますが、キーになるいくつかの星座を憶えてコツがわかるとあとはそれほど難しくなくなると思います。
さて、具体的な星座の覚え方ですが、季節ごとに見つけやすい有名な星座をいくつか覚え、だんだんとその周囲の星座を覚えてゆくのが一番順当な方法だと思います。
有名な星座イコール見つけやすい星座とは限りませんので注意が必要です。
誰でもが名前を知っている星座として「星占い」に使われている黄道12星座があります。黄道12星座のなかには少し見つけづらい星座もあるのですが、ぜひ頑張って覚えて頂きたいと思います。12星座を四季で(無理やり)分けると季節ごとに3つの星座があることになります。
夏ですと「てんびん座」・「さそり座」・「いて座」になると思います。
これに夏の大三角を作る「ベガ」(織姫)=「こと座」、「アルタイル」(牽牛)=「わし座」、「デネブ」=「はくちょう座」、さそり座を踏んづけるようにある「へびつかい座」と「へび座」、少しマイナーですが「ヘルクレス座」と「りゅう座」を覚えておけば充分だと思います。
秋の黄道12星座は「やぎ座」「みずがめ座」「うお座」になります。いずれも少し暗い星の多い星座で見つけづらいかも知れませんが大まかな形と位置を覚えればよいでしょう。
秋はギリシア神話の中の古代エチオピアを舞台にした一大抒情詩が星座で繰り広げられています。
北極星を探すのに有名な「カシオペア座」(古代エチオピア王妃)、そのご主人(エチオピア王)の「ケフェウス座」、その娘の「アンドロメダ座」、アンドロメダ姫の将来のご主人「ペルセウス座」(夏の流星群で有名)、ペルセウスが乗ってきた天馬「ペガスス座」、あたりがギリシア神話がらみでゾロゾロと並んでいます。
これに秋の星座の中で唯一の1等星「フォーマルハウト」を有する「みなみのうお座」を加えると9個の星座ですが、秋はこれで充分でしょう。

冬と春の星座についても同様にしてめぼしい星座を覚えていっていただければよいと思います。ここで星座名を羅列しても半年も先のことですしピンと来ないでしょうから・・・(機会があればまた解説したいとは思いますが・・)

空に描かれた星の配列だけを頼りに星座の形を覚えてゆくのでは、面白味に欠け、今ひとつ身に着きづらいものです。やはりギリシア神話と絡めて覚えてゆくと楽しいですし、星座を語るときの薀蓄(うんちく)も身に着きます。ただ、このギリシア神話というのは膨大なボリュームで、かつ人間関係(神様関係?)などもすごく複雑で、少しかじっただけでも星座になっているのはほんの一部の物語であることがわかります。
したがって星座に絡んだ神話だけを取り出した解説書を選ばないと、大きな回り道をしてしまうことになるので注意が必要です。
060520girisia_1 「月刊星ナビ」のアストロアーツ社から刊行された「まんがで読む星のギリシア神話」(1980円)は星空に繰り広げられる神話を気楽に覚えることのできる絶好の教科書ではないかと思います。
実はこの本もスタパで販売しています。先に紹介した「天体観察入門」とセットでこれから星空観察を始めようというかたにはピッタリの参考書セットだと思います。もちろん普通の書店でも購入できますので、わざわざスタパまで来て買っていただかなくてもお近くの書店でお求めいただければと思います。
さて、話が少し脇にそれましたが、神話と一緒に星座を覚えることにより楽しみが大幅に広がることは確実ですので、ぜひ試してみて頂きたいと思います。
これであなたも一年後には星座博士?・・・

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2006年7月15日 (土)

望遠鏡を買う前に-Vol.5

060715niji 梅雨も終わりに近いのか、天候がすごく不安定で、雨が降ったかと思うと日が射して虹が出たりと、短時間のうちにいろいろな天候を楽しむことができる一日でした。この虹はまだわりと太陽が高い時間(15時ころ)に出ましたので、とても低いところに出ました。

さて今日も「買う前」シリーズの続きです。

望遠鏡を買う前にするべきこと-その3

まずは星座を憶えよう
それでは具体的に望遠鏡を買う前に(買ってしまったけどうまく使いこなせない方も)何をどのように勉強すればよいのでしょうか?
とにかくまず初めに憶えて頂きたいのは「星座」です。「たくさんあるからたいへん」とか「家では暗い星が見えないから無理」という方が多いのですが、全天の全ての星座(88個)を憶える必要は無く40個も憶えれば充分だと思いますし、どうせ1年かけないと全部は見えないので、季節毎に10個だけ憶えればよいわけですし、3等星くらいまで見えればかなりたくさんの星座が憶えられますので、よほどネオンピカピカ、街灯ギラギラの場所で無い限り都会でも絶対に憶えられます。
憶え方についてはまた改めて書きたいと思いますが、「星座」はパソコンでいえばキーボードの文字の配列を憶えるのと同じくらい、天体観察における基礎の基礎だと私は思っています。ぜひ頑張って憶えるようにしてください。

望遠鏡と天体について勉強しよう
前にも書きましたが、望遠鏡についていえば望遠鏡のメカや光学系についての知識、基本的な使い方や、さらには天体写真の撮り方など応用的な使い方も知識として押さえておきたいところです。
天体については天体の種類や、種類ごとの観察のしかた。望遠鏡での見え方や見ることのできる時期などなど・・・
さらっと書いてしまうのは簡単なのですが、その内容はかなり膨大ですし奥が深いです。060520nyuumon 従来、天体観察の初心者向け入門書にはあまり良いお奨めできるものがなかったのですが、最近になって「月刊星ナビ」でおなじみのアストロアーツ社から、まさにうってつけの本「天体観察入門」が刊行されました。
ビクセンの初心者向け望遠鏡に付属する「天体ガイドブック」もなかなかの出来なのですが、オマケだけに今ひとつ突っ込みが足りなくて、もの足りない部分もあります。その点こちらは売り物だけにかなり気合が入っています。アストロアーツお得意のビジュアルな解説がメインで、眺めているだけでわかったような気がしてくるから不思議です。
お手軽に勉強するためのお奨めの本としてはまさにイチオシです。
ちなみにこの本、スタパのお土産コーナーでも販売させていただいています。でも、何もスタパまで来てから購入していただく必要もないので、ぜひお近くの本屋さんでご購入ください。

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2006年7月14日 (金)

望遠鏡を買う前に-Vol.4

060714nao 今年も国立天文台のかたが直々に野辺山観測所の特別公開のパンフレットを持ってきてくださいました。親サイトの耳寄り情報コーナーでも紹介していますが今年は8月6日(日)が特別公開日です。45mのパラボラアンテナ式電波望遠鏡をグリグリぶん回す(これ、すぐ近くで見るとすごい迫力です。)だけでなく、いろいろなイベントもありますのでぜひ一度ご覧になると良いと思います。
この前後のスター☆パーティはすでにほとんど満室ですので、他の宿をご利用いただくか、日帰りになってしまうのですが・・・

さて、夏休みが本格化する前に「買う前」シリーズをもう少し進めます。

望遠鏡を買う前にするべきこと-その2

自動導入ならOKか?
最近では目的の天体を望遠鏡が探してくれる自動導入という機能の付いたものも多く出回っているので、「別に知識が無くてもよいのでは?」と思われるかもしれません。でもこの自動導入機、セッティングにちょっとしたコツがいることが多いですし、セッティングには少なくとも2つの大きく離れた星を手動で導入してあげる必要があります。だいたいはその星の近くまで自動的に向いてから「ベガを入れて」、「ベガが中央に来たら、今度はアンタレスを入れて」というようになります。でも、ベガやアンタレスの何たるかを知らなければ対応のしようがありませんし、空が開けた場所でないと、このようなセッティングができないこともあって、実は初心者には意外に敷居の高い物なのです。
060714skypod さらに言うと、自動導入機のエントリーモデルは卓上型で、屋外用の三脚はオプションになっていることが多いです。でも、冷静に考えてください。望遠鏡うというのはかなりの高倍率を使うものなので、卓上型の望遠鏡を使うためには、そうとうガッチリとしてガタつきのないテーブルが必要になるのですが、そう都合よくそんなテーブルが外に置いてあるとは限らないのです。公園などに行けば・・・と思われるかもしてませんが、公園のベンチやテーブルというのは、くつろぎやすいように日陰になりやすい場所に置いてあることが多く、星を見ようとすると視界が悪くて困ることが多いです。とても視界の開けた場所にポツンとガッチリしたテーブルが置いてあるというのはかなりレアなケースではないかと思います。
三脚がないと持ち運びがすごく楽ではあるのですが、そのぶんどうしようもなく使いづらいものであるということができます。
また、小口径の望遠鏡で見る天体(特に星雲・星団)というのは非常に頼りない見え方をします。図鑑などの天体写真を想像して見ると、ほとんど見えるか見えないかの状態にガッカリしてしまい興味を無くしてしまいかねません。事前に自分の望遠鏡でどの程度見えるのかという知識もないと、微かな光の天体が見えたことの感動を味わうことすらできずに終わってしまいます。
つまり自動導入機といえども最低限の星座や星の名前と場所、見るべき天体の素性などの知識が無いと、充分に天体観察が楽しめないということです。
先日発売された「日経トレンディ」(06/8月号)という物欲刺激雑誌に初心者向け望遠鏡の比較記事が掲載されていましたが、ここでも自動導入というのはある程度星座の知識が必要で意外に敷居が高いものであること解説されていて「初心者向けとして最高のお奨めはポルタだ」ということになっていました。
つまり知識もないのに「楽チンそうだから」という安易な考えで自動導入機を購入すると、かえって使いこなせずに押し入れに直行ということが起こりやすくなります。最低レベルでも実売5万円前後と高価な物だけに事前に充分な心構えをしてほしいと思います。
060714bouenkyou 自動導入に関してずいぶん否定的なことを並べましたが、うまく使いこなせば本当に便利で楽しく天体観察ができるものです。スター☆パーティのメインスコープ(40cm)だって自動導入のおかげで効率良く皆さんに星空散歩を楽しんでいただいているわけです。ある程度知識があるか、勉強を惜しまないかたならワンステップ上の楽しみを得ることができますので、ぜひ挑戦してみてはと思います。

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2006年7月12日 (水)

望遠鏡を買う前に-Vol.3

望遠鏡を買う前にするべきこと-その1

番外編ばかりで、しばらく休止していた「望遠鏡を買う前に」シリーズ本編を夏休み前に少しだけ書き進めます。
夏休み中はブログそのものもほとんど休止状態になってしまうのではないかと思いますが・・・

望遠鏡を買って何を見ますか?
望遠鏡を買う前に、望遠鏡の性能だとか機能について知っておくことは重要なことです。適正な倍率はどのくらいかとか、架台の種類や使い勝手など、買う前にいろいろ悩むのは楽しいことだとは思いますが、本当に大切なのは買った望遠鏡で何を見るか、何が見えるかなのです。
060712moon_1望遠鏡を買って、月を何回か見たけれどもあとはしまったきりというかたがすごく多いように思います。ほとんどの場合「土星とかいろいろ見たいけれど、何がどこにあるのかか分からない」ということで、せっかく大金を出して買った望遠鏡が押入れの肥しになっているようです。
  月は誰が見ても見間違えることが無く、非常に明るいのでよほどの粗悪品でない限り誰でも望遠鏡を向けることができますし、クレーターなどもわりに簡単に見ることができると思います。しかし土星となると普通の星(恒星)と区別が付きにくく、どこにあるか分からなければ(一年中見えているわけでもないので)当てずっぽうに向けても見ることはかなり難しいです。
060712hosi 060712dosei 一つ一つの恒星を見てもただ肉眼より明るくキラキラして見えるだけで、いくつか見ればすぐに飽きてしまいます。土星もそうですが、視野の極端に狭い望遠鏡では闇雲に振り回しても、そうそう面白い天体が視野に入ってきてくれることはありません。
どこに何があるのか知ったうえで、きっちりその方向に望遠鏡を向けないと見たいと思った天体を見ることはできません。(都会ではきっちり向けても見えないことが多いですが・・・)
つまり望遠鏡というハードウエアに関する知識のほかに、見るべき天体の知識(どんな天体がどんなふうに見えるのか)=ソフトの部分がないとハードウエアは全く役に立たないというごく当たり前の事態になります。冷静に考えれば当たり前のことで、例えばこれがビデオデッキやパソコンならソフトを使う(見る)ためにハードがあるのが当たり前で誰も不思議に思わないですよね。
でもどういう訳か望遠鏡の場合、ハードの部分のみが先行してソフトの部分である使い方とか、何をどのようにして、いつ見るかといったことがおざなりになっていて、「買えば見える!」(ただし努力すれば)みたいな感じになっているような気がしてなりません。
ポルタのところでも書いたのですが、ビクセンはこの辺のところが良く分かっていて、初心者向けの望遠鏡については「天体ガイドブック」という非常に良く出来た本が付属していて(ついでに星座早見盤も付属していて)、初めて望遠鏡を買った初心者ができるだけ困らないような配慮がしてあります。
自分が購入した望遠鏡で「どこにある」、「どんな天体」を見るのかという最低限の知識がなければ、望遠鏡というのは本当につまらない機械だということをご理解いただきたいと思ううわけです。(つづく)

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2006年5月22日 (月)

初心者はポルタを買え!-Ⅲ(望遠鏡を買う前に-番外編)

今回でポルタのインプレ記事は最後です。
よろしくお付き合いください。

アイピース以外のアクセサリーについて
060519polta8 次に付属アクセサリーの正立天頂プリズム。実はこのアクセサリー、ビクセンもあまり本気で宣伝しているようには思えないし、他のインプレ記事を見ても採りあげられていないので、実物が来るまで良く分かっていなかったのですが、本当に正立像が見える直角型のプリズムでした。
屈折望遠鏡で天頂付近を見る場合、そのままでは首を不自然に曲げなければならず辛いため、昔から光路を接眼部で90度曲げる直角プリズム(または天頂ミラー)を使うのが一般的ですし、アクセサリーとして付属するのは当たり前でした。
しかし、直角プリズムにしても天頂ミラーにしても反射回数は1回なので、通常倒立像が当たり前の望遠鏡と組み合わせると、正立鏡像(上下はそのままで左右が反転して見える)が常識でした。天体を見る場合、精密な観測以外ではそれほど困らないのですが、昼間地上を見るとすごく違和感があって、個人的には昼間使いたくないアクセサリーでした。
ところが、ポルタに付いてきたこの「天頂正立プリズム」は光路を90度曲げながら(左右が反転しない)正立像を作るタイプのプリズムが採用されていて、昼間のバードウォッチングなどにもすこぶる具合のよいものです。
過去を知らない人から見ると当たり前のことのようですが、標準の付属品としては画期的なことなのではないかと思います。カタログでは仕様欄にさらりと「正立天頂プリズム」と書いてあるだけですし、別売のアクセサリーとしても売られていないし、少し不思議です。もっと威張って昼夜兼用できる望遠鏡として宣伝しても良いと思うのですが・・・

次にファインダーについて少し・・・
060519polta93  今回の「ポルタA80Mf」には6倍30mmの(このクラスにしてはやや非力ながら、)可もなく不可もない仕様のファインダーが付属しています。ファインダー脚は充分に長く、のぞきやすいですし、調整もX-Y式でとても合わせやすくできています。さらに着脱が容易な上に再取付け時の再現性も非常に良いものです。着脱はアリミゾ式なので将来もっと大きなファインダーにも簡単にアップグレードできます。
初心者がつまずきやすい天体の導入をサポートするためのファインダーとしては充分な出来と思います。
さて、話はこれでおしまいにしても良いのですが、「ポルタA80Mf」の全体の出来が良いだけに、それ以外のポルタシリーズのファインダーが少し気になっていますので少し述べさせて頂きます。
まず「ポルタA80Mf」よりも高級な機種には「スポットファインダー」と言われる赤い点が浮かび上がるタイプの当倍ファインダーが付いています。ファインダーにあまり目を近づけなくても目標を捕らえることが出来ますし、流行みたいなもので格好よく見えます。しかしこの「スポットファインダー」、2等星以下の暗い星は見えませんし、倍率が低い(1倍)のでメインの望遠鏡が低倍率でないと視野に入れることが難しいしろものです。
昼間しか使わないとか、自動導入機で最初に明るい天体だけ導入できればよいのであればこれで良いのですが、暗い天体も導入しなければならない天体望遠鏡(しかも自動追尾が出来ない経緯台)にはナンセンスなアクセサリーと言わざるを得ません。
まさか初心者は月と明るい惑星だけ見ていればよいと言うわけではないと思いますので、急速な改善を希望します。
ついでにポルタシリーズの最廉価モデル「ポルタA70Lf」のファインダーについて・・・
「ポルタA70Lf」は市場実売価格が3万円を切る、私としては本当は一番お奨めしたい機種です。でも、私がこの機種をどうしてもお奨めできないのは、ファインダーの出来があまり良くないからです。
ファインダーの脚がきっちり固定しづらい、着脱で再現性が全くない、調整が3点式で難しいうえ調整幅も小さく、脚の固定のしかたによっては主鏡の中心とファインダーの中心を合わせることが出来ない場合があるなどなど、お奨めしづらい出来ばえなのです。
初心者がはじめに望遠鏡に接する時に、うまく使いこなせるようになるかどうかは、天体の導入がうまく出来るか、ピントがうまく合わせられるかという2つのハードルを越えられるかに掛かっているといつも思っています。(何がどこにあってどうやってみるかというソフトの面はまた別のハードルなのですが・・・)
架台にガタがなく、ファインダーと接眼部がしっかり出来ている望遠鏡なら間違いはないのですが、「ポルタA70Lf」の場合、他の部分の出来が非常に良いだけに残念でなりません。こちらもぜひ急速な改善をお願いしたいと思います。
なお、反射式の「ポルタR130Sf」は「ポルタA80Mf」と同じファインダーなので安心です。
少し長くなってしまいました。こういうことを書くと、また不快な思いをしたり、立場上困る人も出るのかも知れないのですが、ファインダーという部品がそれだけ重要な部品であること、ポルタシリーズがそれだけ初心者向け製品として期待されていることをご理解いただければと思います。
「ポルタA80Mf」のインプレのはずが大幅にずれてしまいました・・・

060519polta4 アクセサリーといえるかどうかはわからないのですが、付属品の中には非常に丁寧に書かれた取扱説明書、紙製の星座早見盤、そして45ページものボリュームの「星空ガイドブック」という入門向けの本(定価1000円)が同梱されていました。
この「星空ガイドブック」という本、かなり良く出来たもので、勢いで望遠鏡を買ったものの、何がどこにあってどうやってみるか、どう見えるかなど、かいもく分からないといった初心者向けにすごく役立ちそうなものです。望遠鏡の「オマケ」としてはもったいないほどのものだとも思えるのですが、「ビクセン」が初心者のことを充分理解していることの証しでもあると思いますし、普及のためもっと積極的に本だけを販売して欲しいと思うほどです。
望遠鏡というのはパソコンに近い道具だと言う人がいます。曰く「パソコンだけでは何もしてくれない、ソフトを入れて、それを使いこなす知識や技量があって初めて役に立つ。」・・・ 大きな違いはパソコンの場合、それを使いこなすための教室が無数にあるのに、望遠鏡は無いに等しい状態にあるということです。もちろん仕事や生活に必須になっているパソコンとマイナーな趣味用の望遠鏡を比べることはできませんが・・・
望遠鏡の場合、人から教えてもらおうと思うと、望遠鏡ショップにしつこく通うか(もちろん嫌がられると思いますが)、地域で有志が運営している天文クラブに入るくらいしか方法がありません。ただ後者の場合、マニア=良い教師 でないことが多いので注意が必要です。
自分で勉強するのが一番だと思うのですが、初心者の場合、良い教科書を探すのがこれまたひと苦労になるわけです。望遠鏡とセットでこんなに良い教科書が付いてくるのはすばらしいことだと思います。
その分コストに反映しているといえばそうなのですが、初心者でなくてもそれなりに役に立つものだと思いますし、セットということで格安に入手できるものだと思います。

結論です
さて、3回にわたり「ポルタA80Mf」のインプレッションを掲載させて頂きました。
「ポルタA80Mf」がいかに初心者向け望遠鏡としての勘所をまじめに捉えて作られた望遠鏡であることがお解かりいただけたかと思います。
はじめに買う望遠鏡が実売4万円弱というのを高いと思われるかたは多いかもしれません。でもホームセンターなどで1万円~3万円ぐらいで売られている粗悪品を買ってしまい、良く見えないことに失望して押入れの肥やしを増やすだけならまだしも、宇宙や星に対する興味そのものを失ってしまうとしたら悲しいことです。
将来のアインシュタインやカールセーガン、はたまた毛利衛さんを失うことになってしまうかもしれません。(ちょっと大げさですかね・・・)
望遠鏡の場合、パソコンやデジカメや携帯などと違って、保管の仕方さえ間違わなければ一生使えるものです。古い物を大切に使っているのが尊敬される世界でもあります。また、性能に見合った適正な価格で売られていることが多く、定価に対して異常に安く(定価の半値以下で)売られているようなものは怪しいと思うべきです。ごく稀に本当に良い物が安く売られていることがあるかもしれませんが、良い物かどうか分からない初心者には勝ち目の無い「ばくち」になります。
「ポルタA80Mf」はこれなら間違いないといえるベストな選択といって間違いありません。
まさに「初心者はポルタを買え!」なのです。

「望遠鏡を買う前に」シリーズの番外編として書いているのですが、本編が終了する前に買うべき望遠鏡としての結論の一つが出てしまったので、本編を続行する気合が思い切り盛り下がっています。何とか夏休み前までには完結させたいと思っていますのでよろしくお願いします。

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2006年5月21日 (日)

初心者はポルタを買え!-Ⅱ(望遠鏡を買う前に-番外編)

どうも本編の「望遠鏡を買う前に」シリーズがちっとも進みません。
プロットのメモが紛失したり、各種トラブルが発生したりで落ち着いて書き進めることができません・・・というわけで今日も番外のポルタの続きです。
前回はデザインと架台についてでしたが、今回は光学系についてです。

初心者向けとしては充分すぎるほどの光学系
060519polta7 「ポルタA80Mf」はその型式が現すようにアクロマート(=A)の屈折、口径80mm(=80)の中焦点(=M:F11.4/f=910mm)です。(最後のfは鏡筒のシリーズ名)
80mm(=8cm)の屈折と言えば私が若いころは、ハイアマ